長年、フグが食されるようになったストーリーが気になっていた。
一般的なイメージとしては、毒があると知りながら、
苦心して毒を抜く方法を開発し、今に至というところだろう。
ほんとに?
食べたら死んでしまうので試せなくね。。?
と、とても思うんです。腹痛くなるくらいならチャレンジも
ありだと思うけど。
なので、逆なんではないかと。
毒を期待したのに効かなかったっていう可能性を深掘りしたほうがいいと思うんです。
いつの時代もパワハラは存在していると思うけど、昔は転職どころか住みかさえ移るのはかなりのハードルだったため、耐えるしかなかったんです。
で、戦国時代に田中権之助という暴君がいたとします。
思い付きで家臣を殴り散らし、言葉で追い詰める最悪な殿様です。
で、家臣筆頭の山田と、2番手の鈴木が耐えかねて一計を案じると。
「鈴木、もはや我慢の限界じゃ。こうなっては殿を無きものにせねば我々が。。」
「まさに。幸いにも長男の一ノ進様は聡明かついたわり深いお方。我々で一生懸命支えれば」
ここまで話して顔の曇る鈴木。
「…しかし殿は豪腕かつ隙の無いお方。力ずくでいくのはいささか。。」
「そこで毒を使う」
「なるほど、色々考慮すべき点はありましょうが、それで検討いたしましょう」
みたいなノリとなり、フグが選定されますと。
で、2人とも優秀な事もあり、諸々段戸って決行の日に至る。
権之助
「山田、なんじゃ、この見慣れぬ魚の汁は」
「はは、ありがとうございます。こちらの魚はカワハギと言いまして、あまりとれぬのですが中々の珍味でございます。」
内臓や皮は綺麗に処理され、真っ白なそれはカワハギにしか見えない。
「ほう。。よくわからんが。。じゅるり」
「うん?これは。。」
「確かに。。うまい!うますぎる!肉そのものではないな、圧倒的にこの汁。。出汁が。。うんまぁぁー!」
となる。ここまでは山田と鈴木の思惑どおりだが、
いっこうに頑健な権之助の様子に不安になる二人。
「ん。。なんじゃ?そんなに不安そうな顔をして」
「あ、いえ、初めて口になさるもの故、お口に合いますかと不安で」
と取り繕うものの、権之助は上機嫌で再度この「カワハギ」を所望するのであった。
こんなはずでは。。と思い、再度同様のチャレンジをするも、権之助は喜ぶばかり。なんならこの功によりそれぞれ1石加増される始末となってしまう。
二人が振り替えるミーティングをするのは当たり前の事だ。
「山田様、これはいったい。。」
「わからぬ。で、鈴木よ。確かに検証はしたのだな?」
「はい。無論であります。罪人複数人で同じ材料で試し、確実に」
「・・殿と全く同じ状態で出した?」
「はい、全く同じ日に仕入れたフグを用いました」
「・・全く同じ状態で出した?」
「あはい、効果に変化ございませんので、ほぼ同じで・・」
「・・全く同じ状態で出した?」
「あいや、罪人50人で試したゆえ、皮や内臓の処理は若干おろそかといいますか、そのままの可能性もありまして」
「・・なってないよね?」
「まぁったく検証になってないよねぇ?」
「おい、全くちげーじゃねーかおい!」
「なあ、なめてんのかこの無能」
「ゴンっ」
「で、どうすんの?これどうすんの?もう今さら違う状態で出せないよね?」
「ゴンっ」
「だからダメなんだ!いっっつもいってるよね?何でできないの?やめたいの?」
みたいな事になって、「なんだか内臓とか綺麗に処理すると目的を果たせない」のような事がわかっていく。
こっちの方が流れとしては自然なんじゃないかと。
そこまで考えて、「フグ 起源」で検索すると、
時の関白豊臣秀吉が、家臣の兵士があまりにフグをくって
果ててしまうので、
「おまえらマジフグ食ったら給料減らすからな?」
みたいな命令を出し、それでも諦めきれず食っては果てを
繰り返し、明治になってからようやく免許制で認められたらしい。
つまり私は正しくなかった事になります。