病院で事務職として働いていた僕は「言語聴覚士になりたい」と一念発起!…46歳の時でした。
48歳で国家試験に合格して、言語聴覚士として働き始めました。
臨床10年目の57歳の夏、かつて断念していた「心理職の資格取得」のチャンスがあることを知り秋から準備を始めました。
そして、58歳の夏に第5回公認心理師試験に合格することができました。
今回のブログ記事では、公認心理師の受験対策用のテキスト選びについて綴っていきます。
公認心理師の試験日まで残された期間は10ヶ月。
受験勉強を仕事と両立させながらの学習において、メインとするテキストを何にするかは大きな問題でした。
まず、試験の問題数とその特徴について考えました。
公認心理師試験の問題数は午前と午後合わせて154問です。
その内訳は、一般問題が午前と午後で58問ずつの計116問となっており、事例問題が午前と午後で19問ずつの計38問となっています。
特徴的なのは、その配点基準で、一般問題が1問1点で事例問題が1問3点 となっているのです。
一般問題:1点 × 116問 = 116点
事例問題:3点 × 38問 = 114点
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総得点 230点
合格ラインは総得点 230 点に対し、得点 138 点(総得点の 60%以上)といわれていました。
ということは事例問題に全問正解すれば、一般問題に116問のうち24問に正答すれば、合格ラインの138点に届く計算となります。
直感的に「事例問題で点数を稼ぐしかないな」と思いました。
そして、事例問題を攻略するには、出題基準(ブループリント)に提示されている単元の個々の理解にとどまらない、知識の関連付けが必要だと考えました。
そのためには「テキストを暗記でなくて理解するまで読み込む」必要があります。
心理学については、言語聴覚士を目指している時に勉強した経験がありましたが、悲しいかな実際は、限りなく初学者に近い状態でした。
そんな自分にはどのようなテキストが良いのか?
しっかりテキストを読み込むことを前提に考えると、テキストは内容が充実したものを選ぶのがセオリーだと思います。
僕も当初はそう考えていました。
しかし、書店でそうしたものを何冊か手に取ってパラパラ見てみると
「これって辞書と同じではないか」
と、小さい文字がびっちりと書き込まれている分厚い書籍となっていることに閉口してしまいました。
しばらく考えてしまいましたが、やがて、ある考えが浮かびました。
10年前の言語聴覚士の国試対策の時…
国試対策には内容が薄いと言われていた『言語聴覚士テキスト』をメインとして、学びで得た知識をテキストにボールペンでどんどん書き込んでいったことを思い出しました。
内容がビッチリと詰まった分厚い本を選ぶことで学習に負担を感じ、途中で投げ出したくならないように。
内容はそこまで深くなくても、読みやすく取り組みやすいテキストを選ぼうと考えました。
逆転の発想です。
足らない情報は、テキストにどんどん書き込んで、自分オリジナルのテキストに作り上げていけば良いのだと。
そこで選んだのが、心理系の講座を取り扱っている某社が出版しているテキストでした。
その内容は
・文字が大きくすっきりした紙面
・挿絵や図版が多い
・説明がシンプル
・書き込むスペースがふんだんにある
・約400ページと適当な厚さ
と、僕の希望を満たしていました。
迷わず購入しました。
書評のなかには「初学者にとってわかりやすく書かれており、図表も多く読みやすいが、国試対策としては内容が薄い」といった厳しいものもありました。
そうであるのならば「このテキストに書かれていることを理解できなければ国試合格はない」というふうに捉えたのです。
このテキストは完璧に理解しようと。
そこから知識の肉付けをしていこうと思いました。
それは自分にとっての絶対無二のテキストとなるはず…
それから、このテキストと共に過ごした10ヶ月間を経て、僕は、公認心理師試験で、結果を出すことができました。
こうした、僕の場合のテキスト選びは、10年前に言語聴覚士の国試対策の成功体験に基づくものだったと思います。