46歳の春、それまで病院に勤務していた僕は、一念発起!某医療専門学校の言語聴覚学科に入学しました。
言語聴覚士になりたい一心で
起床:朝4時半
帰宅:午後8時
通学:片道2時間半
といった生活を2年間続け、国試に合格することができました。
ここでは、当時の自分を振り返っていきます。
僕は、専門学校に入学する前に漠然とした不安がありました。
・40代後半になった自分の記憶力の不安
・国家試験に合格できなかった時の不安
のふたつがそうです。
もっと、具体的に言いますと
若い時と比べて中年以降は記憶力が低下する…と一般的に言われているなか
「国試に向けて、膨大な量の多くの科目の内容を覚え切れるのだろうか?」
という不安がありました。
そして、言語聴覚士になれなかった場合に
「時間とお金の損失」
「その後の将来像が描きにくいこと」
といった不安がありました。
しかし、振り返ってみれば、これらの不安は大した問題にはなりませんでした。
その理由は、入学後、授業が始まると、国家試験受験の日まで、余計なことを考える時間と頭のスペースがなくなってしまったからです。
入学後から卒業するまで「国試に落ちたらどうしようか」なんて考える暇はなかったのです。
とにかく授業と日々の生活のコントロールに追われて、それどころではなくなり、そんなことを考える余裕がなかったというのが実情でした。
入学後の初めての授業は忘れもしません。
『生理学』の授業でした。
「浸透率」そして「酸化と還元」の話…???
さっぱりわかりませんでした。
化学式なんて数十年ぶりにみるし、元素記号なんてうる覚えで…
周りのみんなは解ったような顔をして聴いていて、自分だけが内容についていけてない気がしていました(後日談:当時の事をみんなに確認すると僕と似たりよったりの状況だったそうです・笑)
結果的には、入学直後のこの出来事が功を奏しました。
「このままでは、国試のどころか進級できずに脱落してしまう」
と、内容の難解さにショックを受け、大いなる危機感が生まれました。
その結果、自分の尻に火がつきました。
それが「2年間頑張り通せた原動力」となったことは間違いありません。
自分の経験に基づき『加齢に伴う記憶力の低下に対する不安について』の僕なりの考えを述べます。
キッパリ言いますね。
「40代の記憶力が、若い頃に劣っているなんてことはありません」
敢えて言うなら
「歳を重ねるごとに、若い頃よりもどんどん考えることが増えていき、記憶物に対する注意が向きにくくなり、その結果、新しいことが覚えにくいと感じている」
のではないのでしょうか。
もっと若かった頃と比較して40代は
「多少の脳機能の衰えはあっても、実用レベルでの差はそれほどない」
と自分の経験を通して強く思うところです。
ですので、優先順位をつけて、しっかり向き合えば、40台でも50前だとしても、ある程度のことは若者に負けることなく頭に入って来るはず。
こうした経験があったからこそ、50代後半になっても「公認心理師になりたい」と国試に向けて、なんの躊躇なく取り組めたのだと思います。
最大の敵は「年だから覚えられない」といった思い込みだと思います。