バイバイ。
そういわれて引き止められなかったのは自分自身だと。
引き止めて欲しくて最後まで手を振っていたのに。
気づいてやれなくて。
後悔した。
愛しい人。
他の地方に行く。
しかもまだ誰も見ぬ状況もわからない所へいく。
怖かったのは誰でも一緒だ。
選ばれた彼女は言いながら最後の最後まで手を離そうとしなかった。
この世界の中で指折りの実力者の彼女が選ばれるのは必然。
でも。
こわばった顔で手が震えていて。
ずっとうつ伏せていた。
怖いって素直に表現していて。
いとしくて。
抱きしめたくなった。
でも。
抱きしめもしなかったし励ましの言葉すら言えなかった。
「大丈夫だろ」
信じていたから。
なんどもなんども期待だけの言葉を並べた。
がんばってと言うだけで彼女になにひとつしてあげなかった。
最後まで『好き』だと言えなかった。
震えた声で さようなら って言われて。
今、ようやくわかった。
最後の言葉だったんだ。
会えないとわかっていたんだ、もう二度と。
彼女は死んだ。
初めておとずれた地方で彼女は殺された。
―――密林地帯だった。
ポケモンしか住んでいない密林地帯の凶暴な奴に殺された。
時間が戻るなら、あの時引き止めておけばよかった。
そしたら他の未来も待っていたことだろう。
他の『未来』に。
彼女の隣に自分はいただろうか?
彼女のいない世界が。
灰色に見えた。
語り=ライバル(トキワの事務の人)







