一学期の終業式の日、

 

欠席したS君にプリントを届けるためにS君の家を訪れたミチオ

 

しかしS君は首を吊って死んでいた。

 

急いで学校に戻り担任の岩村先生に伝え、ミチオは一旦家に帰されるが、

 

その後、岩村先生と2人の刑事が家に来て、

 

“Sの死体なんてなかった”と知らされる。

 

それから1週間後、ミチオの前に蜘蛛の姿になったS君が現れ

 

“自分は殺されたんだ”と訴え

 

ミチオはS君の体を探すことになる。

 

 

 

最近読む道尾作品はブラックモード全開で

 

読むに耐えない作品が多かったのだが、

 

本作でいきなり

 

死んだS君が蜘蛛の姿になって現れたという流れで

 

安堵する。

 

久々のSFミステリーっぽくて暗い気持ちが救われる。

 

が、

 

内容的には、いじめ、動物虐待、狂ったお母さん、自殺、性暴力と

 

ベースがやばすぎる。

 

それでも

 

蜘蛛となったS君との会話やトコお婆さんの存在が

 

多少なりとも救いの根源となっている。

 

読むにつれてまずもっての謎は9歳のミチオとS君、

 

そして3歳のミカの大人びた会話である。

 

どー見ていも9歳と3歳の会話ではない。

 

大人の推理だろうと思うような文面に疑問が湧く。

 

それは最後に暴かれる事実にうっすら納得する場面と

 

新たな疑問に繋がってしまう。

 

そもそもこのミチオの家族は存在している?という疑問。

 

狂ったような母親と喜怒哀楽の少ない父親、

 

そしてミカの本当の姿に

 

この家族の本当の姿がわからなくなってしまう。

 

生きているんだか姿が変わっているんだか・・・。

 

そもそも論でいえば

 

ミチオって一体何者?という疑問。

 

結末を読んでさらに謎が深まる。

 

この作品の問題は

 

解決されたようでされていない結末。

 

誰が死んでいて

 

誰が生きているのか、

 

誰が人の姿をしているのか・・・。

 

読み終わってからの不信感は半端ない。

 

それは全てにおいて文字から想像するトリック。

 

読んでいるだけではミカは3歳の妹。

 

普通に3歳の女の子を想像してしまう。

 

そこが罠。

 

そもそも3歳の女の子を家に残して

 

仕事に出掛けていく母親に疑問を感じるのだが、

 

本当の姿を知ると納得してしまう。

 

ただ、本当の姿を知ってしまうと

 

母親と父親も本当の姿があるのかと疑う。

 

さらにミチオの本当の姿も・・・。

 

ミチオだけが見えているのか聞こえているのか謎の世界観だが、

 

母親と父親にもその力があるのかと・・・。

 

謎は多い。

 

気になるのは全くその後が描かれていない岩村先生のその後だ。

 

岩村先生の性癖はその後暴かれたのか?

 

糾弾されたのかが気になって仕方ない。

 

道尾作品には多いことだが

 

放置される内容もあるだけに

 

仕方がないのだが

 

この岩村先生のその後は知りたかったわぁ😆。

 

谷尾、竹梨の両刑事って前も登場したなぁ。

 

多作品とはちょっと系統が異なる異色作品であーる。

 

 

☆☆☆☆