昨日から新しい部屋で一人立ち。
初めての夜は余りに疲れていたのか、日記も付けずに眠りに落ちてしまった。

彼を諦めるためにやってきて、いざ。と思ったその日から
まさか彼と歩いた道を彼とふたたび歩く夢を見るなんて。
夢の中の私は私の意思を聞くのかなと思って小さな我が侭を云うと
彼は私の大好きな表情で笑っていた。

そうやって、居たかったのになあ。と、目覚めて少しだけ微笑う。


きっと、もう大丈夫。


まだ一週間。十日と経っていないのに。

写真を見て覚えていられても、
二人きりのときにどんな表情をしていたのか、どうやって手を取ってくれたのか。
少しずつ少しずつ、どんどん忘れていく。

忘れてもいい?
また新しく始めるから。


ダブリン上空

初めて雲の中にダイヴした。
正確には、初めて意識した、というか。
そうしてほんの数十秒で雲の下。海の上へ。

余りにも遠い所処へ来てしまった、と。
この出発後やっと少しだけ涙が出た。

思っていたよりも深刻ではないかも知れない。
寧ろ、フライトの8割方、君のことを考えている。


好きだよ、と言われて我に返る。
ああ、これも違うんだと。
欲しくなんかなくて、ただ見て居たいのだと。

目の前にある幸せに満足するくらいなら、
今は、それを見放して傲慢だと哂われたい。
まだ、咲き誇れやしないの。

もう少し大人になって、帰ってくるから、




あと少しだけ、許して、いて。


またね
たくさん涙を落しながらもそう言って空港行きのバスに乗り込む。
夜景を前に、あっという間に眠りについて


空港についた途端ダッシュで化粧品買いに走ってたよね。



あの涙はどこへ行った