あの時、最初の救急病院でのこと


脳内出血を発症したばかりの頃、ICUから一般病棟に移り、急性期リハビリを開始した時は最初にぶち当たった壁だったのだと思います。

リハビリといってもただ立ったり座ったりを繰り返すだけ・・・そんな当たり前のことを練習しないと出来ないもどかしさ。

「私に将来ってあるんだろうか・・・」「何で私は生き残ってしまったんだろう・・・死んだほうがよかった・・・」と夜になると考え涙が止まらなかった


何で思い出しちゃったのかと言うと


火曜日の脳外科の定期診察の帰り、この前の台湾旅行のお土産を届けにリハビリルームに寄りました。

お世話になったPTとOTの二人のセラピストさんとお会いすることが出来ました。


PTのH先生はイケメンでおばあちゃん方のアイドルだった人ですが、最初の頃はそのH先生に抱きついていないと立っていられなかったのです。

夜は泣いていても昼間は元気に見せていた私ですが、ある日・・・前の日の夜にいろいろ考えすぎてあまり眠ることが出来ずにいたところそのことを察知したH先生が「昨日はあまり眠れなかったのかな?」と聞いてきました。

その時もH先生に抱きついていたままの状態で・・・

で「夫にも両親にも言えないけど『何で私は死ななかったのかって』思っている」と言うようなことを話していました。じっと聞いていたH先生は「よく話してくれたね。一人で抱え込まないで僕たちに話したほうがラクになることもあるからさ」といい、それ以上は何も言わずにいつもどおりのリハビリがはじまっていました。

H先生に泣き言を言ったのはそれが最初で最後です。


久しぶりに行った救急病院のリハビリ室に行くとあの時のことを思い出します。

H先生の笑顔を見ていると余計に、つらかったあの日から今日までの道のりを考えると本当に長かったし一人ではなくたくさんの人たちの力でここまで来れたんだ・・・とグッとこみ上げるものがあります。


H先生は「ええ!杖なしで歩いているの?すごいなあ~~びっくりだなあ~~」と驚いているようでしたが、まあ確かに救急病院では何かにつかまって立つことで精一杯でしたからね。二年って長いような短いような、そんな時間ですが、少なくとも今の私は二年前のあの時の私ではありません。

今も時間は流れているわけで、その流れに沿って足も手も進歩できるようになりたいですね。