そんなこんなでメダカ入手大作戦に出た私。


アイホンでペットショップを検索検索・・・








K市は田舎である。


しかし、店はけっこうあるので日常生活に困ることはない。


ペットショップもきっとすぐに見つかると思った。








が、無い。








見つかったのは、どうや個人で経営している熱帯魚屋。


HPはなく、基本情報しか出てこない。


検索に検索を重ねてやっと見つけた一枚の画像には、店主と思われるオッサンがドヤ顔でサンゴを紹介する姿が写っていた。








あ、あやしい・・・


あやしすぎる・・・








不安が私をおそう。


しかし選択肢はないのだ。


家から車で5分程度と近所であることだけが希望の光だった。





行くしかない・・・





というわけで私は熱帯魚屋に向かった。


思った通り5分で着いた。





最近リニューアルしたのか、外観は新しい。


恐る恐るドアを開ける私・・・








「いらっしゃぁぁぁぁーーーい」





扉を開けたら真正面にあのネットでみた画像のオッサンがいた。


まさかこんなに簡単に会えるとは思わずビビる私をよそに、オッサンは超フレンドリーに話しかけてきた。





「お客さん、初めてかな?何かお探し?」





あ、あのその・・・メ、メダカを・・・





「あー!!メダカね!!ちょうどよかったね!昨日入ってきたよ!」








と、奥へ進むオッサン。


店はこじんまりとしているが小さい水槽がたくさんならんでいて、みたことない熱帯魚ばかりだった。


そして中央にひときわ存在感を放つ大きなサンゴの水槽。





こ、これか・・・あの画像の水槽は・・・


水槽は見事に手入れがされていて、とてもキレイで思わず見入ってしまった。








「水槽はどのくらいの大きさなの?」





はっと我に返る私。





えっと、金魚鉢なんです。





「あっ、そうなんだ。いいねー、金魚鉢でメダカ!大きさはどれくらい?」





あっ、持ってきてます。





「おぉーー、じゃあ見せて!」








砂や水草などすべて揃えようと思ったので、念のため金魚鉢を持参していた。


車に戻って金魚鉢を持参する私。


もちろん金魚鉢はビニール風呂敷に包まれている。








「おぉーーー!!こりゃいい金魚鉢だね!ガラスだね!こりゃいいわーーー!」





私にはただの巨大な金魚鉢にしかみえないが、オッサンにはめっちゃいい金魚鉢にみえるようだ。





「この大きさなら3匹くらいかな!これとー、これとー、これ!」





と私の意見全く無視でメダカを選定し始めた。


オッサンの中の3匹は決定したようで次々すくっていく。





あ、あの、水草とか砂とかも何もないんですけど・・・





「あ、そうなの!?じゃあこの砂がいいよー、水草はこれね!餌はこれ!」





と、これまた私の意見は無視で選定していく。





しかしメダカは一体いくらなんだろう・・・


パッと見たところヒメダカではないようだし、3匹とも色が違うからカラーメダカってやつだろうし、それだと一匹300円以上はするかな・・・


もっと安いメダカでよかったんだけどな・・・





と悶々と考えていたが、オッサンは口を挟むスキを与えない。


挙句の果てに砂をワシャワシャと洗い出し、砂を金魚鉢にセッティングし、水草のレイアウトまでし始めた。





「あーーー、いいねいいね!今は水草寝てるけど、水いれるとブワーってなっていい感じになるよ!!」





ご満悦である。





「メダカと一緒に水たくさんいれとくから、入れるだけでもう大丈夫だよ!」





あ、ありがとうございます・・・


ちなみにメダカは1匹いくらですか?





「100円!」








やっすーーー!








「あとねー、金魚鉢だからねー、あれ!酸素が出る石ってやつ入れとくといいんだよね!」





あ、そうなんですか・・・じゃあそれもくださ・・





「あーーー!!ちょうど今切れてるわーーー!入ってくるの5日後だわ!5日か・・・あ、そうだ!!」








「ホームセンターに売ってるからそこで買って!多分そこのが安いし!!」








このオッサン商売する気ねえな!!








結局砂と餌とメダカと水草とすべて揃えたが800円くらいだった気がする。


私は気になっていたことをオッサンに聞いてみた。





あの、このメダカなんていう品種なんですか?





メダカにはいろんな品種がある。


特にどの品種がほしいとかはなかったが、家族の一員になるメダカのことは知っておきたかった。








「品種?わかんない!」








ポカーーーン








「いろんな品種で交配させてるから品種って言われてもわっかんないんだわ!色で見分けて。これが赤、これが青、これが黄色!」








私は名前のない、色が信号機のメダカを手に入れた。








会計を済ませ、帰り際に





「何か困ったことあったらいつでも電話して!レシートに番号のってるから!」





は、はい、親切にありがとうございます。とても助かりました。大切に育てます。








と店を去った。


家に帰り、レシートを見直してみた。


確かに電話番号がのっていた。











携帯番号が。











もう、どこから何から突っ込んでいいかわからない。


私の頭は混乱し、もはや放心状態だった。


なんだったんだ、あのオッサンは・・・





呆然としている場合じゃない!メダカを金魚鉢に!


と、さっそくメダカを金魚鉢に注いでみた。じゃばー。








おぉ・・・これは・・・!!




















オッサンの言った通り、水とメダカをいれたら水草がブワーっとなってめっちゃいい感じになった。


画像わかりづらいけど・・・





オッサン、なかなかやるやないか・・・


酸素の出る石もホームセンターで購入して投入した。


ひとまず日当たりのいい、テレビボードの脇に置いてみた。








おぉ・・・ええやんけ・・・







画像わかりづらいけど・・・





こうして私とメダカの共同生活が始まったのだった。








ひと段落して、ふと気がついた。








旦那以外の人とこんなに喋ったの久しぶりだ!!





そして、私は(メダカのことで)電話相談できる相手ができた。

オッサン、いろいろありがとう・・・















眠りから覚めた金魚鉢を手に入れた私。

さて・・・中に入れる生命体をどうするか・・・


小学生の頃金魚を飼っていたが、すぐに星になってしまい悲しい思い出しかない。

今思えば、水道水はカルキを抜かなければいけないという初歩的なことを知らず、水道水をそのままジャバーーーーっと使用していたのも原因だったと思う。

ごめんよ、金魚たち・・・


それに、金魚ってけっこう大きくなる。

もし大きくなってそれが星になったら・・・

もはや死体遺棄のレベルではないかと怖くなった。



時間だけはあるニートの私。

アイホン片手に金魚鉢で飼える生命体を検索検索・・・・




メダカ??






そう、メダカがヒットした。

野生のメダカは絶滅しかけていて保護活動とかもさかんに行われている。

しかし、改良メダカは普通に販売されているようだった。


ただし、改良メダカを野生に放つことは禁止されている。

野生のメダカはその土地独特の遺伝子を持っているため、改良メダカと混ざるとその野生メダカは絶滅してしまうのである。


責任もって最後まで飼えってことですな!

それってどのペットにも言えること!


メダカは基本的に強い生命体で、うまくいけば3-5年生きるらしいし、初心者でも飼いやすいようだ。


その後も検索に検索を重ね、メダカの知識をある程度身につけた私。

さっそく旦那に相談。


ねぇーーーん、あなたぁーん、メダカにしようと思うの。

メ・ダ・カ。


とクネクネ迫ってみた。



「メダカ??はあ、別に(どうでも)いいよ。」



(どうでも)の部分が思いっきり顔に出ていたが、華麗にスルーした。



善は急げじゃ!!

メダカ購入じゃ!!



私の全エネルギーがメダカに注がれようとした瞬間であった。

つづく。


あっという間にホームシックになった私。

旦那に思いのたけを表出する。



「オウチ、カエル」


とETのように何かを悟った感じではなく


「うわわわわわわぁぁぁぁーーーーん!!オヴヂ、オヴヂニィィィィィーーー!!ガエリダイッ!!!」


と今思えば某野○村議員を彷彿とさせるような哀願っぷりだった。



末期だ・・・と悟った旦那は何も言わずに地元に連れて帰ってくれた。

といっても、いろいろ訳あって私の実家には誰もいないので、旦那の実家に帰ることにした。



旦那の実家は義父・義祖父・義祖母と3人で住んでいる。

この3人、とてもゆるい。非常にゆるい。

結婚後、私が単身で義実家を訪ねる機会があったのだが、まるで実の娘や孫のように接してくれ、あげくの果てには宿泊していけと迫られた。

で、図々しい私は宿泊していった。


普通は義実家との関係って微妙だったりすると思う。

でも私は義実家だーいすき。

今ではリビングで昼寝するようにまでなった・・・ダメな嫁日本代表である。



と、前置きが長くなったが、大好きな義実家に帰りリビングでゴロゴロしていた。

んで、ばーちゃん(義祖母)に寂しいと愚痴をこぼしていた。


ばーちゃん 「昼間一人やと寂しいわなー。ばーちゃんも一人やとなーんにもすることないわー」


私 「そうねんて・・・でもばーちゃんはじーちゃんもいるし、桃太郎(犬・仮名)いるからまだいいよぉぉぉ」


義実家では犬を飼っている。小型犬なので室内飼い。


ばーちゃん 「ほやのー。桃がいてくれると違うの。あ、そや!!」



???



ばーちゃん 「何か飼えば??」



いやいや、ばーちゃん、アパートはペット禁止だよう。

禁止じゃなければ猫飼いたいよう。



ばーちゃん 「ほかー。あ、そや!!」


と、蔵に姿を消したばーちゃん。

数分後、戻って来た。




金魚鉢を持って。




え・・・と戸惑う私をよそに


ばーちゃん 「これあげるで金魚でも飼いねんや!!(眩しいほどの笑顔)」



眩しいよ!!眩しいよばーちゃん!!

金魚鉢を持って笑顔でたたずむばーちゃんに後光がさしているようにさえ見えた。



ばーちゃん 「昔これで出目金飼ってたんやー。すぐ死んだけどのー。この前掃除したら見つけて、次のゴミの日にだそうと思ってたんやー。どや??」


仏・・・いや、ばーちゃんに「どや」って言われたら断れない。

旦那に聞いたらそんな記憶は無いらしく、本当にすぐ死んでしまったようだ。

蔵に眠ること数年・・・




私は金魚鉢が眠りから覚めた瞬間に居合わせてしまった。




しかもこの金魚鉢、けっこう大きい。

画像は拾いものだけど、こんな感じ。




ばーちゃんはビニールの風呂敷(スーパーで寿司とかオードブル買うと包まれている青い水玉のやつ)で金魚鉢を包み始めた。





で、帰る頃には玄関の下駄箱の上にひっそりと置かれていた。

こんなかんじ・・・




小学生のころ金魚を飼っていた私。

金魚にはあまりいい思い出がない・・・


うーーーむ、どうしよう。

帰りの車の中で、ビニール風呂敷に包まれたビッグな金魚鉢を抱えながら悶々と悩む私であった。


つづく。