『株を長期的に保有するという戦略』は歴史的に年7%程度のリターンが期待でき、資産運用としては一般的な戦略だとは思います。
しかし株式投資に対して一般的に思われているイメージ通り、リスクも大きく、それに対するリターンとしては小さすぎてやる気になりません。
大地流資産運用術では、一般的なやり方から離れ、ある意味非常識なやり方で非常識なリターンを目指します。
今回は大地流資産運用術における戦略作りの一例として、ある戦略を公開したいと思います。
この戦略は日本株式のある傾向を利用します。
この傾向は微々たるものですが確実に存在してきました。
その傾向とは、『日本株は夜上がり、日中下がる』という傾向です。
具体的にはどういうことかと言うと、「前日の終値(おわりね)に対して当日の始値(はじめね)が高い傾向があり、当日の終値は当日の始値より安い傾向がある」ということです。
この傾向を示すため、東証一部上場銘柄の株価指数であるTOPIXに連動するETF(上場投資信託)の日足(ひあし)データを用いてシミュレーションしてみました。
前日の大引けで100万円分買ったものを、当日の寄り付きで売ります。同時に寄り付きで100万円分の空売りを行い、大引けで買い戻し、さらに100万円分買って持ち越します。それを毎営業日繰り返します。
利益を再投資しないので単利でのシミュレーションになります。

オレンジ線は単純に保有し続けた場合で、リターン5.7%、リスク23.9% シャープレシオ0.24。
青線がこの戦略で、リターン17.8%、リスク22.6% シャープレシオ0.79。
グラフは右肩上がりですね。
傾向があるのが見て取れると思います。
これをこのまま戦略として資金を投じても良いと思いますが、個別に銘柄をみていくとこれと同じ戦略でも傾向が強く出ているものや全く出ていないものも存在します。
前回の記事で例に挙げた「8411みずほFG」は傾向が強い銘柄です。
この銘柄で同じように仕掛けたとすると下記のようになります。

青線がこの戦略で、リターン46.1%、リスク38.2% シャープレシオ1.2。
そして、利益を再投資した場合は下記のようになります。
100万円固定ではなく、資産額を仕掛ける金額にします。
例えば100万円が105万円に増えていれば、次に仕掛ける金額は105万円です。
複利でのシミュレーションになります。

前回の記事で挙げたグラフですね。
100万円で始めたとすると14年半で2億8000万円になる計算です。
しかしこれをこのまま実践するにはリスク38.2%とリスクが大きすぎると思います。リスクが大きいと日々の値動きも大きく、損が続いた時の精神的な負担も大きくなります。
この精神的な負担は侮れません。
トレードをやめてしまったり、ルール通りに仕掛けられずかえって損失を拡大してしまいがちです。
毎日を幸せに過ごすためにも許容できるリスクに抑えた方がよいでしょう。
リスクを抑える方法は簡単です。
資産に対して仕掛ける金額を減らすだけです。
資産の半分を仕掛けるようにすれば資産に対するリスクは半分になります。
もちろん資産に対するリターンも半分になります。
シャープレシオは変わりません。
仕掛ける金額でリスクをコントロールできます。
仕掛ける金額を半分にしても、リターンは23%、リスクは19%。
インデックス投資と同等のリスクで、リターンは4倍近く、悪くないですよね。
どうでしょう、大地流資産運用術の一端が見えたのではないでしょうか?
こういった市場の歪みとも言える傾向をみつけだし、どうトレードするとリスク対リターンの高い投資となるのかを過去のデータでテストし、戦略ができればあとは粛々とトレードするのみ。
決算書や四季報を読み込んで割安な銘柄をみつけようとか、チャートを追いかけてタイミング良く売買しようなどのセンスを問われるような投資法と比べれば、よっぽど明確で再現性のある投資スタイルだと思います。
実践するには、どう傾向を見つけるか、どう銘柄を選定するか、どう仕掛けるか、どう戦略を選定するか、どうコストをおさえるか、資金管理、メンタルマネジメント、自動売買、バックテスト、投資商品、取引ルール、税金ルール、などのあらゆるスキル・知識を複合的に動員する必要があります。
僕はこの傾向を軸に、いくつもの工夫を重ねてシャープレシオを2以上にした上で、十以上ある戦略の中の一つの戦略として実践しています。
大地流資産運用術はセンスではなく再現性のあるスキルと知識で成り立ちます。
このスキルや知識を少しずつ言語化していきたいと思います。
お楽しみに!
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