東京新聞朝刊 (4月14日) 『こちら特報部』に
元原発技術者・菊地洋一氏の証言が載っていました。
内容を抜粋して ご紹介します。
福島第一原発などは沸騰水路型軽水炉で
設計はGE・施工は「国際化」を目指して日本の原発メーカーなどが担った。
菊地氏は企画工程管理者として全体を統括し、期限までに完成させる役目だった。
原発建設に当時、4年を要した。
東海は丸4年、福島には最後の一年間だけかかわった。
「原子力の技術は全然確立されていなかった。とにかくハチャメチャだった」
ともに図面の変更は日常茶飯事だったという。
「実際の工事では図面通りにならないことばかり。十数回も書き直すのは珍しくなかった」。
時には強引な施工方法で図面とのつじつまを合わせた。
6号機は追加工事で60億円もかかった。
現場もずさんだった。
作業員の立ち小便は6号機建設の際、原子炉格納容器の底の部分で常態化していた。
格納容器上部にあるトイレまで上がるのが面倒だったからだ。
「厳重に塗装することにしたが、小便が原因でさびるとは言えなかった」
未熟な作業員も少なくなく、「自信がない」と不安げにつぶやく若い溶接工もいた。
「職人根性がある人ばかりとは限らない。一日の仕事を終えて早く帰りたい人がたくさんいた」
現場の業者が、工事ミスをメーカーや東電側に伝えることはほとんどない。
本当のことを言えば煙たがられ、次から使ってもらえないからだ。
当然、過酷事故につながりかねない欠陥は放置される。
菊地氏自身、6号機で重大な欠陥を見つけた。
水や蒸気が流れる配管で、検査用の穴をふさぐ栓が内側に最大1.8センチも飛び出していたのだ。
出っ張りがあると流れが乱れ、配管が削られて薄くなっていく。
場合によっては突然、配管が折れる「ギロチン破断」しかねない。
品質管理責任者に報告したが、結局、「安全性に問題なし」とされた。
「私が発見するまで誰も気がつかなかった。絶対にやってはいけないことが平然と行われていた」
菊池氏は、今回事故を起こした福島第一原発の改修工事にも携わった。
現場は被ばくの危険と隣り合わせだったという。
原子炉圧力容器から使用済み燃料を抜いた後、放射能まみれの圧力容器を洗浄する。
作業員は天井のクレーンにつるされた鉄のゴンドラで圧力容器内に入っていく。
そこからノズルを突き出し、放射能だらけの水あかを落とす。
圧力容器の直径は約6メートル。
水の反動で押し返され、ゴンドラが揺れるような感じになる。
菊地氏は圧力容器の上部まで降りていったが、
「それだけでも恐怖だった。作業員はもっと恐ろしかったと思う。
被ばく労働の実態は一般には知られていない」と振り返る。
工事は、圧力容器と配管の接続部分を補修するものだった。
稼働中に振動で配管なども揺れる。
心臓部のひび割れは大事だが、当時マスコミで騒がれていたという記憶はない。
「気が付かないでひび割れすることはよくあるということだ。
ずさんな工事の実態からすれば当然かもしれない」
こんな原発が狭い日本国内に幾つあるのでしょうか?
原発を設計したGEは、自分のところに火の粉が飛んでこないように根廻ししてるのか?
立て続けに起こる余震は内陸部に近づいてるし・・・
各国の英知を集めても完全復旧の見通しが立って無いとは・・・
最前線で作業されてる人達のご苦労を思うと胸が痛みます。
◎ 「菊地洋一」さんで検索しますと反原発に関する公演等、いろいろご覧になれます。