彼女には思い出がなかった、

対人関係に苦労しながら生きてきたから、だった。
 

一人で、友達もできず、仲間も居なく、

本当に、さみしかった、そうだ。
    

母や祖母に何度も相談し、

   弟にも、イトコにも、

家族中に聞いてもらったりしていたそうだ。
    

若い頃の彼女のことを、

理解を尽くして、懸命に支えながらも、

家族には、分かってあげられにくい箇所があったことは、

事実だった。
 

彼女が高校生に上がってから間もなく、

母は彼女の将来を心配し、

注意をしていったそうだ。 
  

   ◇