ある日の、ある夜の食卓。


叔母:「そこ?!」
 母:「“そこ”って、どこ?!

祖母:「家の角に誰か居るのね。」
 

   ◇:「うん。」


  母:「だれがいるの?

 祖母:「時代はいつ頃の人かしら。」

 叔母:「どんな人?」

 

紙と鉛筆をもらい、

家の角に立つひとの、身なりを描くわたし。


祖母:「その本は、何が書いてあるの?」

◇:「なんにも書かれていない。白紙なの。

   白紙・・・みたい」


祖母:「その本は、閉じているときもあるの?」

◇:「ううん、開きっぱなし。

   この人、夜じゃなくてもいるよ。」


         ◇