ある日のこと。


  階段で目があったその人は、

  赤いトレンチコートを着て、座っていた。


   現実的に考えれば、身内以外の人が

   許可なく家の中にいれば、不法侵入になるため、

   “家族が気づいたらどうするの?”と問いたかったのだが。


ちょっと、怖かった わたしは、

こんな派手なコートを着た人が、

巷で話題のユウレイだったら、どうしようかと。

 

話しかけるのをやめ、一度は目があったものの

見てみぬ振りをしながら、

いつもよりタイミングが送れた曽祖母の


“大きなおばあちゃま”

 (※身体が大きいわけではない)

      と

    ともに、

初代水戸黄門を観に、曾祖母の部屋へと消えていった。

   


Mon, February 06, 2012 05:50:37

自宅の古い階段の一角に、うつ伏せで暮らしていた人



        ◇