朝の冷え切った 広い土地に、ふかい深い森がありました。


 しろく、澄み切った霧に包まれた早朝から、

                      数たちは動き出します。


しゅくしゅくとした静かな雨が降る森は、

 蒸気をあげた小さな けむりが

          ホウボウで立ち上がります。


 それをじっくり観察しながら、みんなが集まる場所を目指して、

   数の子たちは、歩を進めます。


鬱蒼としている森の中は、

  にんげんの子供が1人で進むには、不必要なマイナスさも

    子供の数にとっては、まったく眼中になく。


      各々が約束している場所へ正確に進んでいきます。


森の中に住む。といっても、

   それは年中そこで暮らしているわけではなく、

      お気に入りの場所から約束の森を目指して、

                遠方から歩いてくる子も おおくいます。


安息の深い森へ入るまで、

   ある子は、谷から蛇と一緒にやってきたり


 べつの子は、強風を避けるために

        道にうつ伏せになって匍匐前進してやってきたり、

さらには、

  雪に埋もれてしまい、脱出を試みて廻っているうちに

     別の形(数)になってしまう子もいます。

         にんげんには、そんなこと絶対に出来ません。

 脱出しようとして、別の姿になることも、

   飛び跳ねている最中に

      透明人間になったり、光の人になったりも

               逆立ちしたってなれません。


 今◇のあしもとで、「さかだちくらいじゃムリだろう。」と、

     年老いた 3 が咳き込みました。

     

いろいろな性格の子たちが暮らしている数の世界。

 その中で、最も彼らが落ち着く深い森。


  これから少しずつ、彼らの話をしていきます。




  ◇のブログ-SAVE JAPAN