今回は小学生の高学年に対する話が前提です。
今たまに見させて頂いているチームは、高学年でも基本が全くできておらず、大変さを感じる事が多いです。
やはりと言いますか、理想と現実のギャップですね。
高学年までに基本をある程度しっかりとやって、高学年ではその基本を基に組織的な部分の練習も
入れていく。もちろん基本にも時間を割きますが、組織的な練習が増えてくると言うイメージでいます。
つまり、それなりに基本ができていることが前提となります。
これが理想だと思うのですが、現実的に高学年の時点で基本ができていない場合、どう考えるべきでしょうか。
当然、高学年の能力の前提である基本ができるようになる必要があるわけですが・・・。
「基本ができていないのに、組織的な練習なんかできない」
と言う声を私の近くでは聞く事がよくあります。
恐らくパスミスやトラップミスがあってはグダグダになると言う事を言われているのでしょう。
今回はこの言葉に対して独り言します。
私個人の考え方としては、もちろん基本の部分にある程度多めに時間を割く必要があると思いますが、
だからと言って組織的な練習を全くせずに基本練習のみとなると、それはちょっと厳しいと考えます。
もちろん基本練習しかしない日があってはダメと言う訳ではなく、長い目で見て基本練習だけの日があり、
組織練習をする日があれば良いと思います。
ただ、逆に組織練習だけをさせた場合、本当に少しずつですが基本能力は上がってきます。
言われれば何となく納得される方もいらっしゃるとは思いますが、ボールを触るわけですから当然と言えば
当然なのかもしれません。
しかし、結構皆さん基本練習ばかりに気を使われているように思います。
もちろん私も基本練習は非常に大切と言う認識です。
『基本なくして応用無し!』
この前提は絶対的にあります。
ただ、私の言いたいことは、基本は非常に大切なのですが、サッカーはそれだけではないと言う事が良いたいのです。
ボールを扱う基本的なコントロールの部分は、ボールを持った時に必要なスキルです。
しかし試合になれば、1選手は1試合のうちのほんのわずかな時間しかボールを保持することはありません。
そこできちんとコントロールできるスキルは非常に大切ですが、それと併せて、ボールを持っていない時に
どう言った事を考え、どう動いてどこでボールをもらうのか、またどうやってボールを奪うのか、これは技術的な
ことではなく、意識的な部分と言えると思います。
(ボールを1人で奪いきる場合は技術的なこともありますが、組織で奪う前提で)
つまり、「基本能力」が体を使ったボールコントロールのスキルなのに対して、「組織的能力」は狙いや
意識のスキルになってくると思います。
ここで例え話をしたいのですが、私はサッカーは、音楽をみんなで合奏することに似ているなぁと感じています。
全ての事において、基本は非常に大切ですが、サッカーの基本はボールを「止める」「蹴る」「運ぶ」
これらは全て自分がボールを持っているときのボールコントロールになります。
では、合奏における基本とは・・・各パートの楽器の音をきっちり鳴らす、つまり楽器のコントロール
と言う言い方になります。
まず自分のパートの音が鳴らせる。この前提がないと合奏しようとしても何もできずに終わってしまいます。
なので基本は大事と言う事になります。
ただ、しっかりした音が出せなくても、自分の音を出すタイミングを知っていれば、次の音を鳴らすパートの子に
音楽としては音をつなぐことはできますね。
逆に基本がしっかりできており、自分の音はきっちりならせると言う子がいても、好き勝手なタイミングで自分の音を鳴らしていてはみんなで演奏する曲が成立しません。
みんなで何を演奏するのかと言う曲目がはっきりしていないと、各パートの役割や音を鳴らすタイミングなど、役割が出てきません。
極端な話、偶然、笛を上手に吹ける子が1人入部してきたとして、その子にその子の思う曲を1曲全て演奏させ、周りの楽器は適当に合いの手を入れるような合奏でも、1曲演奏しきることができます。
ただ、それで良い結果が出たとしても、チームとしてそれで良いのかどうかですよね。
たぶんあまりOKと言う人は少ないと思うのですが、私もそれでは駄目だと思います。
小学生と言う前提もありますし、結果よりも部員全員のレベル向上を考えたいです。
指導者がきっちり残りの子達の能力を上げる努力をした上で、役割分担をする必要があると思います。
指導者の役割を考えると、まずいろんな子が持っている楽器の音を鳴らせるように基本練習をさせる。
(サッカーで言うと各自の特徴や能力を育てつつ、止める、蹴る、運ぶがきっちりできるようにする。)
次にみんなで演奏する曲を決めて、どのパートがどのタイミングで音を鳴らすのか、役割分担を決める。
時には複数パートで同時に音を鳴らしたり、ソロ演奏など、決まり事を作る。
(サッカーで言うと、各自の能力に合わせてポジションを決め、そのポジションでどう言った状況のときに、どう動くのかなどの決まり事を作っておく。)
合奏では、基本、選曲(全体でやること)どちらが欠けてもそれはあり得ない状況です。
サッカーでは、合奏ほど露骨に不成立とはなりませんが、ある程度勝てるチームにするには、チームとしての決まり事があった方が良いと思います。
実際、私は社会人のチームの代表を、今のチームを含めて2回していますが、前チームではいろんなところからうまいとされる選手を寄せ集めて作っていました。
もちろん基本はできるし、個々の能力もそれなりに高い選手が揃っていました。
しかしながらそれぞれの選手がそれぞれ今までやってきたサッカーをしようとしてかみ合わず、大敗することが多かったです。
この段階ではチームの決まり事なんて言う発想がなかったです。
その後そのチームを退いてから、新しく大人の草サッカーチームを作った際に、できるだけ素人で、サッカーをしたい人を集めるようにしました。
チームの決まり事を作る前提で立ち上げたので、素人の方がそれまでの経験が無い分、素直にチームでやりたいことを吸収してくれると考えたからです。
しかしながらもちろん最初はグダグダで、ほぼ勝てることはなかったです。
ただ、前チームでの教訓から得たチームでの決まり事があったので、時間の経過とともに決まり事が浸透し、それなりに止めて蹴れるようになってくると、完璧に基本ができていなくても、経験者チームに勝てるようになってきました。
(変な話、基本練習のようなことは特に行っていなかったのですが・・・)
ながーい文章になってしまいましたが、私の貧しい経験から得たこととして、つまり言いたい事は
・基本は大切!(体を動かすスキル)
・組織的な狙い(コンセプト、決まり事)も大切!(意識のスキル)
→基本ができてなくても組織的な練習はすべき!
体を使うスキル、意識のスキル、と全く別物なので、基本ができるのを待つ必要はない。
と考えます。
ながーい、独り言でした。
▼チームオーダーユニフォーム▼

