残念な兄日記
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新型兵器 『ドラゴソ』



こんちは。


自称ハイパー・メディアクリエーター、
どらすたです。




人は親兄弟を自らの手で選ぶことができない


これは仕方のないことである




ご多分にもれず、私にも4つ年上の残念な兄が存在する






彼は残念と言うより無念に近い

いや両方合わせてとっても無残な兄である





彼の武勇伝をこうして時々書いていこうと思う





現在の兄は


奥さんと子供二人の四人家族

身長161cm体重85kg

奥さんの体重推定98kg









ちなみに
「裸の大将」に少し似ている。




では今回のお話をスタートしよう





==============





「あんたたちここのゴミ片付けなさいよ」




早朝、庭から母親の声がする。










昨夜花火で遊んだのだが片付けもせずそのまま散らかり放題になっていた





バケツ片手に花火の残骸を拾っていると



「なんか昔より短くねぇか?」


「ずっとこれくらいの大きさだよ」

(下ネタではない。)









残念な兄日記


ドラゴン


【解説:もっとも基本的な地上に置く噴出花火。銀色の火花が高さ約2m噴き上がる純国産花火である】












「バーカ。大きさじゃねぇよ、シューってなってる時間短くなっただろ」


本物のバカにバカと言われると意外と頭にこない。









しかし…
シューってなってる時間って…






「う~ん…そう言われれば」


「だろ」









「今日ドラゴン作ってみようぜ」






ドラゴンを?作る?


何言ってんだか今日はしょっぱなから全然わかんなかった。








昨日いとこのコウジくん一家が遊びに来た際、大量の花火を持ってきた



出し切れなかった物が廊下の片隅の段ボールに入れられていたのである










「これだけありゃあすげぇドラゴンが作れるぞ」


ようやく言っている意味がわかった













両親が農作業に出かけるのを待ち、〝手作りドラゴン〟の制作に取り掛かった





事件の序章のスタートである









手で広げ空き缶の中へ…


ハサミで切り空き缶の中へ…


カッターで切り空き缶の中へ…



(注:良い子が真似をしないよう表現を省略してあります)









もはや遊びのレベルを超えた危険度MAXの量である



自爆テロでもこれほどの量は使用しないだろう。







小学校3~4年だった俺にもそれは分かった





「これくらいでいいんじゃない?」


「バーカ。まだまだ全然たんねぇよ」





バカは俺ではない。







だが
4つ年上の兄には逆らえない





黙々と作業を続けた。











「…よし。こんなもんだろ」




広げた新聞紙の上に〝火の薬〟をのせ、はじっこからクルクルと巻きあげる



そして半日かけて完成したそれは〝ちまき〟みたいに見えた








「ん~…なんか違うなぁ」


お前が人とは違う。






「何が?」



「ドラゴンっぽくねぇだろ?」





言われてみれば花火というよりただの丸めた新聞紙だった。









「そうだ!あれ使おう」




台所から『サランラップ』を持ってきた



そしてその芯の部分に〝ちまき〟をギュウギュウ押し込んだのである







「こりゃすげぇぞ」



「大きいね」


(下ネタではない。)








こうして〝手作りドラゴン〟は完成した









兄がにやけた顔でマジックで筒に名前を書いた。














『ドラゴソ』







やはりこれはドラゴンではないようだ


ロシアの化学兵器のようなおどろおどろしいネーミングである







いや…
正しいかもしれない。



花火と言うより兵器に近い代物であったのをこの時は知る由もなかったのである。









「はやく夜になんねぇかな」


「そうだね」

(下ネタではない。)










その夜…



いよいよ〝手作りドラゴン〟のお披露目である


爆竹も大量に使用したのでその導火線を使うことにした








蚊取り線香で点火する









シュウウウウウウウウ…





そして、
シュワーーーッと勢いよく噴出し始めた







まさにドラゴン。

いや、ドラゴソ。




登り龍のごとく、もの凄い勢いである。


この迫力は業務用花火?といってもいいくらいだ






「おぉぉ!」



二人で感嘆の声をあげる。






キレイである。


ビューティフルである。


じつに美しい。




花火とはこうあれぐらいの素晴らしさである




(にいちゃんすごいな…)


場違いな尊敬の念をいだいた。











と、次の瞬間…














ズドォ====ン!!!





閃光そして大音響と共にサランラップの筒が吹っ飛んだ。


ものすごい衝撃だった。




米軍のミサイルが着弾したのかと勘違いするほどの大爆発である










兄も俺もビックラこいて尻もちをついた




すごすぎてチビった


(何度も言うが下ネタではない)







煙があたりに充満する。



吹っ飛んだ筒は庭の松の木の枝に引っかかり、メラメラと燃えていた。








「な、なんだ今のは?」



酒に酔って赤ら顔の父がまんまるの目をして箸を持ったまま玄関から飛び出してきた



今ならリアクション芸人になれそうな顔だった。







当然のごとく、このあと兄と共にこっぴどく父に叱られた



後にも先にもグーで殴られたのはこの時だけである。







玄関から出てきた時の顔を見て笑ってしまったせいかもしれない














♪君がいた夏は遠い夢の中ぁ~あ~


花火と言えば…












「花火」と聞いて思い出すのは実はこの話ではない。


田舎の村が大騒動となる事件をこの数年後バンビは引き起こしている




今回の話は単なるプロローグにすぎなかった…




    -おしまいー




乳母車に乗った半魚人

こんちは。


満天の星をいただく
はてしない光の海を

ゆたかに流れゆく
風に心を開けば

きらめく星座の
物語も聞こえてくる

夜の静寂の
何と饒舌なことでしょうか





ジェットストリーム…




「今夜はあなたと夜間飛行」


機長の城 どらすたです。











人は親兄弟を自らの手で選ぶことができない


これは仕方のないことである




ご多分にもれず、私にも4つ年上の残念な兄が存在する






彼は残念と言うより無念に近い

いや両方合わせてとっても無残な兄である





彼の武勇伝をこうして時々書いていこうと思う





現在の兄は


奥さんと子供二人の四人家族

身長161cm体重85kg

奥さんの体重推定98kg









ちなみに
白色ブリーフ愛用者である。




では今回のお話をスタートしよう






==============






突然の乳母車ブームの到来である。






火付け役は〝まもちゃ〟だった


(注:まもちゃ=守くん。近隣の悪ガキの総大将で兄と同い年。のちに青年団の慰安旅行の際、真っ赤なジャージでJAL機に乗り、そのまんまド・ゴール国際空港に降り立ち、パリジェンヌの度肝を抜いた最初の日本人である
。)





まもちゃの家では蔵を壊し、新たにミカン用の倉庫を建てることになった


蔵の中からほぼ粗大ゴミと思われるものが大量に出てきたわけであるが、その中にこれがあった












〝藤製の乳母車〟である










まもちゃはこの乳母車のカゴ部分を取り外し、骨組みだけにしてゴーカートのごとく遊び始めた




事件の序章のスタートである








これを悪ガキ連中が黙って見ているはずはない


どの家も農家だったので納屋のような場所があり、乳母車は普通に保管されていた






ビッチ(義智くん)
たかちん(隆司くん)
けんぼー(健一くん)


そして
バンビ(兄)




計5台のスーパーカー(すでに乳母車ではない)があっと言う間に集結したのである









そしてそれはそれぞれが思考を凝らしたオリジナルのマシンだった


段ボールで囲ったり

座布団を敷いたり

取っ手を取り付けたりした




そんな中、兄がチョイスしたのは


『座イス』だった。




居間でオヤジがまだ普通に使っていた物である


「それやめたほうが…」


「あとで戻しときゃわかんねぇよ」






4つ年上の兄には逆らえない



座イスをマシンにひもで縛り取り付けるのを手伝った。










座イスの取り付けられた兄のマシンはひときわ目立ち異彩を放っていた


「バンビのかっちょええなぁ」


誰もがうらやむ羨望のマシンとなった




ふだんはボケ役の兄が、初めての主役である


「んでこれをつけるんだ」




タンスから持ち出したこれまたオヤジの礼服用のベルトを座イスとともに腰に巻いた



「おぉぉぉ!」

一同が感嘆の声をあげる



本人はアイルトン・セナ風に座席?に座っているが、どう見てもやはり民芸品のタヌキみたいな顔だった






マシンにはエンジンが付いているワケではないので手で押さない限りは動かない


当然のごとく遊び場は坂道となる







「どれがいちばんか競争しようぜ」


藤吉っつぁんの家付近からウチの前を通り、橋を渡り田んぼへぬける道がチョイスされた









しかしここはあまりに危険なコースだった。



直線ではあったが急坂で道幅は狭く、橋を渡らなければならない


橋から川まで4~5mあったから落ちたら〝軽いけが〟ではすまないはずである




兄たちは〝ゴーカート〟感覚みたいだが、俺には〝特攻隊〟のようにみえた。


それはマシンのポテンシャルが並大抵のものではなかったからだ


驚くほどのスピードが出たのである





やはりブレーキが必要だった


竹の棒をマシンの両脇にひもで縛り、地面をガーッと擦るブレーキを取り付けた








どうやら竹の棒に命をあずけるらしい。










いよいよ『誰がより遠くまでいけるかレース』の開幕である





一番手はまもちゃ。


やはり先駆者だ
無難に乗りこなしている。



うまくブレーキを使い、橋を渡り下って行った。





二番手はバンビこと実兄。


変に自信満々である



(生きて帰って…)


とにかく無事を祈った。








スタートした。




ブレーキをなかなか使わない

どんどん加速し坂を疾走してゆく



水しぶきを上げる前のスプラッシュマウンテン並みのスピードである。




(に、にいちゃん、だいじょうぶなのかぁ)















橋の手前あたりでようやくブレーキを掛けた





ガーーーーーーッ


と、もの凄いすごい音がこっちまで聞こえてくる









んが加速がつきすぎてもはやブレーキなんぞまったく効かない


強く引っ張ったからだろう。
右のブレーキが外れて取れてしまった








あせった兄(後頭部しか見えないが…)は左のブレーキを両手で思いっきり引いたのである。


と途端にハンドルを切った車のように、左側へどんどん流れてゆく






橋の欄干すれすれのところをすり抜けたところで姿が見えなくなった。







全員で坂を駆け下り、兄のもとに向かう。








田んぼの中でマシンはひっくり返かえっていた


マシンを起こす。











泥まみれの口をパクパクさせ、白目が異常に目立つ生き物が現れた











「お兄さんだよ」


と言われたら





「ちがいます」


と即答しそうだった。














どうやらベルトで座イスに固定されていたため起き上がれず、死の一歩手前だったようだ










全員で助け出し、マシンを田んぼから引き上げた

やはりボケ役である。




誰もが爆笑する中、たかちんが泣きそうな声で

「何やってんだよぅ…」

とつぶやいた。





そこはたかちんの家の田んぼで、稲が見るも無残な状態になってしまっていたのである。







その日の夜、父と母そして兄は箱菓子を持ち彼の家に出かけて行った。












♪夏がく~れば思い出すぅ~


俺が思い出すのは…








田んぼの中から現れた半魚人である。







   -おしまいー



犬と走ってコケコッコ~ッ


こんちは。


今夜も三打席連続ホームラン、
どらすたです。




人は親兄弟を自らの手で選ぶことができない


これは仕方のないことである






ご多分にもれず、私にも4つ年上の残念な兄が存在する






彼は残念と言うより無念に近い

いや両方合わせてとっても無残な兄である







彼の武勇伝をこうして時々書いていこうと思う





現在の兄は


奥さんと子供二人の四人家族

身長161cm体重85kg

奥さんの体重推定98kg









ちなみに
5年ほど前から蓄膿症である。




では今回のお話をスタートしよう





==============





「そろそろイチゴ狩りにいこうぜ」


「そうだね」






初夏。



庭の片隅に植えられているイチゴが色づき始める季節となった




ここで言うイチゴ狩りとは近隣の農家の庭を順番に歩きまわる事である


一か所3~5粒くらい。
目立たない程度。



十数軒もまわるとけっこうな量になる







「藤吉っつぁんトコからだな」







藤吉っつぁんとは正確には藤吉郎さん。


オヤジたちがそれぞれ子供の頃の愛称で呼び合っていたため、俺達も自然にそう呼んでいた






藤吉っつぁんちは自宅の前の小高い丘の上にあった



敷地の生け垣のすき間から庭に入る


日中、農家はたいてい留守だ。





後ろめたい気もしたのだがやはり…








4つ年上の兄には逆らえない






藤吉っつぁんちのイチゴは畳2畳ほどのスペースに植えられており、最大級の広さだった






「ここは大農園だからなぁ、へっへっへ」



すでにコソ泥である。








「あれ?」


「ぜんぜん赤いのないね」




「ちぇっ、しょうがねぇなぁ」






とその時である。








ワンワンワンワンワンッ!!


2匹の犬がみかんの木の下から勢いよく飛び出してきた




(シロとジローだ)



この犬たちはいつも放し飼いで飼われており、学校から帰宅してひとりの時、俺は時々この犬たちと遊んでいた。


















「うわぁぁぁーっ」




悲鳴をあげる兄。



彼は驚くほどの犬嫌いだった






「大丈夫だよ、この犬…」



と俺が言うのと同時にものすごい勢いで立ち上がり、走り始めた。





あとを追うシロとジロー


当然である。






藤吉っつぁんは猟師だった。


つまり、がっつり本物の〝ポインター〟と言う名の猟犬だったからである。







あっという間に道路にでて、丘をもの凄い速さで駆け下りてゆく


駆けているのか転がっているのかわからない



マンガの走っている人の足みたいだ


運動会の徒競争では毎年ビリの兄が人類最速ではなかろうか…と言わんばかりの走りである



F1マシンのごとく我が家の横を走り抜け、米粒のように小さくなっていった




呆然とその姿を追っていると





「どうした?どら君?」


藤吉っつぁんだった。




イチゴを食べに来た…とは言えない




「シロとジローと遊びに…」


「あれ?あいつらいねぇなぁ」




「にいちゃんと遊んでるよ」


たぶん犬たちは遊んでいる。




「そっか。そうだどら君、イチゴ食うか?」


思わぬ展開である。




「孫たちがな、今日来ると言ったんだが来れなくなっちまってなぁ。今朝取ったイチゴがいっぱいあるんだ」





藤吉っつぁんに連れられ、縁側に座っているとザル一杯のイチゴが出てきた





「ほれ、食べな」


「うん」


甘くてめちゃうまかった。





藤吉っつぁんちにはトンビやらタヌキなんかがいた


サファリパークみたいだった



野生動物のいろんな話を聞けておもしろかったのだが




タヌキを見ていて思い出した



(そういえば…)

すっかり忘れていた。




「ぼく、帰る」


「そっか、残りのイチゴもってけ」


みやげまでもらった。






帰宅ししばらくすると兄が帰ってきた






半べそである。


汗まみれである。



それに…
なんか臭い
異常に臭い

尋常ではない臭さだ。






鼻が取れてしまうと思った。


いや、取れてほしいと思った。







「大丈夫?」


「犬がさ、どこまでも追いかけてくるからあそこの鶏小屋の横の小屋に入って隠れたんだ」




犬は藤吉っつぁんの呼び声で帰っていったらしい






つーか小屋って…

鶏のう●こ置き場じゃ…



またしてもう●こ…

二話連続のう●こ…




「洗ってきたほうがいいよ」




シャツも半ズボンも悲惨な状態だったからである







再放送の『海のトリトン』を見ていると洗濯機の音が聞こえる




(まさかなぁ…)





そのまさかだった。


その夜、父にものすごい勢いで兄が叱られていたのを記憶している。







♪夏がく~れば思い出すぅ~


俺が思い出すのは…





どす黒い色で、強烈な異臭を放ちながら地獄へ通じているのではなかろうかと思われる渦巻きが回転し続ける洗濯機である。



   -おしまいー