ザルツブルク近郊の町には、中央駅からのポストバスを利用すると日帰り旅が可能です。いくつか候補地がある中で、僕はバート・イシュルを選択。なぜなら…僕の大好きな皇妃エリザベートゆかりの地だから!!!元々、ハプスブルク皇室の保養地でもあったバート・イシュルで、姉ヘレネと皇太子フランツ・ヨーゼフのお見合いに同行していたエリザベートが、皇太子の心を射止めてしまった運命の場所です。

 

ザルツブルク中央駅前のバス停から、バート・イシュル行きのバスに乗り込み、田園風景の中をひたすら走ること2時間半。車窓からは、サンクトギベリンの街並みも眺めることが出来ます。

 

こうしてようやくたどり着いた町の第一印象は…なんだか田舎。(笑) 皇室の保養地と聞いていたから、もっと垢抜けた場所を想像していたら、地方のリゾート地が頑張って盛り上げていますよ、という感じ(失礼)。まあ、温泉地ですし、温泉街って大体田舎よね。(笑)

この町一番の観光地は、カイザー・ヴィラ。フランツ・ヨーゼフの婚約祝いに贈られた別荘で、ガイドツアーに参加すると、皇帝の居室や狩りのコレクション等が見学可能。ツアー自体はドイツ語ガイドなのですが、日本語の説明書をもらうことが出来、「あとは自由に周っていいわよ」と言われました。(笑)内部は撮影禁止のため、残念ながらお見せできませんが、こじんまりとしていながらも、皇帝夫妻の生活を感じることが出来ます。皇帝の椅子や礼拝用の台(名前が分かりません💦)には、彼の腕や膝の跡が残っていて、非常にリアル。エリザベートのデスマスクもありました。生前あれだけ老いた顔を見られるのを嫌がっていたのに、それを死後にさらされるという皮肉。

庭園の入り口には、映画「プリンセスシシィ」3部作や「ルードヴィヒ」でエリザベートを演じたロミー・シュナイダーの写真が。大ファンなので嬉しいサプライズ。今どきの男子大学生で、ロミー・シュナイダーを知っているってかなりマニアック(自爆)。

町中にはエリザベートゆかりのスポットがあちこちに。

こちらは、旧ホテルオーストリア。元々、ゾフィー皇太后の所有物で、エリザベートがフランツ・ヨーゼフから求婚されたまさにその場所です。

エリザベートとフランツ・ヨーゼフが婚約の祝福を受けた教会。

このプレートによれば、ホテルカイザリン・エリザベートという名のホテルがあったらしく、あのマーク・トウェインも宿泊したそうです。ほんまかいな。(笑)

他にも、「レストランシシー」(どうも上述のホテルの時代からあるらしい)やらフランツ・ヨーゼフの絵を飾ったお店など、皇帝夫妻の人気にあやかった便乗商売が盛り沢山。(笑)

 

皇室御用達の土地ということで、ウィーン顔負けの優雅なカフェがあります。それがこちらの「カフェ・ツァウナー」。店内に一歩入ると、ここが田舎であることを忘れさせる豪華な雰囲気。ショーケースにはケーキがずらりと並んでおり、ケーキは先にこちらでお会計するシステム。

しかし、今回の僕のお目当ては、ケーキではなくて…

このシシー・ベッヒャー!写真で見ていたものより、ボリューム満点でびっくり!お昼を抜いていたので、綺麗に完食してしまいましたが、母に知られたら怒られそうな食生活。(笑)

 

川沿いに姉妹店もあり、こちらはより食事メニューが充実。隣に座っていたおばちゃん曰く「カフェのメイン料理はめっちゃ高いだけから、サラダくらいにしておきなさい」とのことだったので、夏限定のサラダをチョイス。

このサラダ、けっこう周りで頼んでいる方が多かったです。ドレスアップした人たちが多かったのは、レハールオペラフェスティバルがあったからでしょうか。

 

そうそう、レハールと言えば、バート・イシュルには作曲家レハールが住んでいたレハール・ヴィラがあり、彼の遺言で町に寄贈されて以来、生前の状態のままで公開されています。室内には、彼自身が収集したり(かなりのお金持ちだったそう)、プレゼントされたりした美術品がぎっしり。信心深い彼らしく、礼拝所もありました。

ちなみに、僕は小学校の音楽発表会で、レハールの「メリーウィドウ」を合奏したんですよね。後々ストーリーを知って、小学生低学年で演奏する曲なのかどうかかなり疑問になりましたけどね。(笑)先生からストーリーに関する解説が一切なかったのも、今思えば妙に納得(笑)

バート・イシュルは温泉地なので、テルメ(温泉というよりスパ?)に入ってみてもも良かったのですが、思ったより高かったのと、あまりゆっくり時間をとれないなら逆に疲れそうなので今回はパス。老後のお楽しみにします。

 

ハルシュタットに行く経由地ともなる街なので、体力と気力のある方は、朝一でハルシュタット→ごった返してきたお昼ごろにバート・イシュルに避難、というスケジュールもありかも。何度も言いますが、ハイシーズンのハルシュタットは、アジア人だらけだそうなので、行かれる方はそれなりの覚悟をもってどうぞ。僕は、バート・イシュル駅のハルシュタット方面のホームの人混みを見ただけで、行く気が失せました。(笑)ザルツブルク在住の日本人の方も、昔は綺麗な場所だったけれど、数年前に友人を案内したときに、その変わりように愕然として、もう二度と行かないとお話されていました。ハルシュタット勤務の方たちもけっこうお疲れのご様子だそう。経済は潤っても、オーバーツーリズムになると、住民の負担も増えるし、バランスを保つのが難しいですね。って、日本もそうなりかけてる!?というかもう事例がいくつかある気が…。政府は、経済効果を狙って、とにかく訪日観光客を増やす!って言うけれど、その負担を強いられるのは、長年そこで暮らしてきた地元民やそこに勤務する人々なんですよね…。まあ、僕の実家がある神戸は、観光客は来ないわ、人口減少率は市町村別で最大と先日発表されたばかりだわで廃れまくりですから、関係ありませんが。(笑)

 

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