FP・弁護士・司法書士のちょっといい!ココだけの話では、
毎回、弁護士や司法書士、ファイナンシャルプランナーなどにスポットをあて、生活・お金・法律・住まいに関する「ココ」でしか聞けないお得な情報を専門家の視点からスバッとご紹介します。
●有限責任事業組合(LLP)について
1.有限責任事業組合とは
有限責任事業組合(以下、「LLP」といいます。)とは、個人または法人がそれぞれ有する技術やノウハウ等を提供しあって共同で事業を行う組合のことをいいます。諸外国においては、以前からこのような事業体による活動が行われていましたが、日本においても、平成17年8月1日より有限責任事業組合契約に関する法律(以下、「LLP法」といいます。)が施行され、LLPを利用することができるようになりました。LLPは、民法上の組合と同様に会社のような法人格はありませんが、共同事業体として社会的認知度も徐々に高まりつつあるのではないでしょか。
2.LLPの特徴
LLPの特徴として以下の3点が挙げられます。
(1)有限責任
LLPの組合員は、出資額の限度までしか事業上の責任を負いません。
(2)内部自治の原則
組合員が、LLPにおける機関設計や業務分担を自由に定めることができるほか、損益分配の割合につき出資比率と異なる定めをすることができる等、運営方法については、原則としてLLPの自治に委ねられています。
(3)構成員課税(パス・スルー課税)
LLPの事業による利益について、LLP本体には課税されず、利益の分配を受けた組合員に対して課税されます。
3.LLPの設立手続
(1)LLP契約の締結
2名以上の個人または法人が有限責任事業組合契約を締結します。
LLP契約書には、LLPの名称、事務所、事業目的、存続期間等の絶対的記載事項のほか、必要に応じて相対的記載事項や組合員同士で任意に定めた任意的記載事項を記載します。また、契約書については株式会社の定款のような公証人の認証手続きは必要ありません。
(2)出資の履行
各組合員が効力発生日までに、LLP契約の定めに従って出資の全部を履行します。
(3)LLP契約の効力発生の登記
LLP契約で定めた効力発生日の到来から2週間以内に管轄の法務局に登記の申請をします。ただし、会社の設立とは異なり、登記がLLPの成立要件ではなく、あくまで出資全部の履行と契約の効力発生日が到来することによりLLPが成立することになります。
●賃貸契約期間の途中で解約したい場合について
1 今回は、不動産の賃貸借契約を途中で解約した場合、残り期間の賃料を支払わないといけないのかについて考えてみましょう。
よくありがちな例ですが、例えば、2年の期間でマンション等の建物を借りたが、1年ほど期間を残して、転勤や新居購入により引越しする必要が生じた場合を例にします。この場合、まず賃貸借関係を終了させる方法から検討しましょう。
2 借りている人から契約を終了させる場合の方法は、①期間の定めない賃貸借においてなされる解約申入、②更新の拒絶、③債務不履行による解除、④解約権の行使があります。
①の場合、借りている人は、いつでも解約申入れができ、申入れ後3か月経過すると賃貸借契約が終了します。しかし、本件では2年の期間と定めているので、これは使えません。
②の場合、約束の2年を経過すれば更新しないことができるのみで、先の例のような場合には不適当です。
③の債務不履行による解除とは、貸主の方が借主に対して約束違反、例えばキチンと住める建物を貸さなかった場合などの事情があった場合に使えますが、先のような例の場合には使えません。
④は、例えば、あらかじめ借主側で借りる必要がなくなれば、いつでも契約を解約できるように約束していた場合などが挙げられます。
その他にも、契約書において、賃借人からの解約条項があれば、それに従って解約できます。この場合は、3か月前に予告しろとか3か月分の賃料を支払え等の決まりがあったりしますが。
3 上記のような決まりがない場合、先の例ではいったいどうなるのでしょうか?
この場合は、規定がない以上すぐには解約できないとか、残り1年分の賃料を支払わないといけないとかの問題が生じる可能性があります。
しかし、慣行として常識的な期間(2~3か月程度)を置きさえすれば、期間途中からの解約を認めて、残りの契約期間の賃料を支払わないでも済む場合も多いようです。
先のような例の場合、借りている人からの急な解約は家主にとっても迷惑な話ですから、その必要がある場合、事情を話して家主の理解を得、幾らかの期間の賃料額を払って解決することになるでしょう。
最終的に、どのくらいの期間の賃料を支払えば済むかは、家主との交渉によります。常識的には1、2か月分くらいの賃料を支払うことになるのと思いますが、その金額は建物の用途や形態にもよっても異なってきます。
●これだけは知っておきたい「確定申告」
資産活用のすすめ
平成19年2月号
―これだけは知っておきたい「確定申告」―
確定申告の時季になりました。一般的に確定申告とは所得税の確定申告を指すわけですが、サラリーマンやOLの方々は「年末調整」で1年分の収入に対する税金の精算をしています。
ですが、正しく申告できていますか? 申告漏れで損していませんか? 個人事業主や年金生活の方々にも必見の漏れがちな「所得控除」についてご紹介します。
●雑損控除
災害又は盗難若しくは横領により住宅家財等に損害を受けた場合の損失をいいますが、「白蟻の駆除」も該当します。
●医療費控除
原則として治療に関するものだけで美容関係は認められませんが、「子供の歯の矯正」に限っては認められます。
●社会保険料控除
「子供や親の国民年金や国民健康保険」を払っている場合には、その支払い者の所得から控除できます。
●生命保険料控除
公的年金ではなく、私的な「個人年金保険」に加入している場合には、年間保険料が10万円以上であれば5万円の控除が受けられます。10万円の保険料の場合、所得税及び住民税は最低税率でも6,750円安くなります。つまり税効果だけでも6.7%の「高利回り商品」なのです。所得の多い方にとってはもっと大きな利回りが期待できます。
●損害保険料控除
持家や賃貸住宅に住んでいる方は「火災保険」について控除を受けることができます。控除証明書は保険会社から送付されるか、保険証券から切り離すようになっている場合が多いので、見落しのないように注意して下さい。
●寡婦(夫)控除
夫(妻)と死別若しくは離婚の後婚姻していない者で、死別の場合には所得金額が500万円以下、離婚の場合には扶養親族等のある者が該当します。
●扶養控除
税務上の扶養には、戸籍上の世帯主等は関係ありません。ですから、親が65歳以上で年金生活者の場合には、年金額が158万円以下であれば扶養に入れることができます。ただし、複数の兄弟姉妹がそれぞれ親に仕送りしている場合には、扶養が重複しないように注意して下さい。
税金や生命保険、個人年金、損害保険についての疑問等、お気軽にお問い合わせ下さい。
●遺言の有効活用
1.遺言でトラブルを未然に防ぐ
相続の開始による各相続人の相続分は、被相続人の遺言がなければ、法定相続分もしくは遺産分割協議によって決定されます。しかし、遺産分割協議がまとまらず、相続人間で争いになることは決して珍しくはありません。そのようなトラブルを未然に防ぐためには、生前に遺言書を残しておくことが有効な手段となります。また、遺言というと高齢者がするものという印象を持っている方もおられるでしょうが、法律上は満15歳から遺言をすることが可能となっています。
2.遺言の内容
遺言の内容として、最も一般的なものとして挙げられるのは、相続分の指定や遺産分割方法の指定でしょう。また、法定相続人ではない孫や子の配偶者等に財産を与えること(これを遺贈といいます。)も有り得ます。相続人の遺留分には注意が必要ですが、遺言により各相続人の相続分を自由に定めることが可能です。さらには、遺言の内容をより確実に執行してもらうために併せて遺言執行者を指定することも考えられます。
3.遺言の種類と方式
通常の遺言の種類としては次の3種類があります。
(1)自筆証書遺言
遺言者が遺言の全文と日付を自署して署名捺印することで有効に作成できるため、手軽で費用もほとんど掛からないということで最も利用しやすい方式であり、遺言の内容を秘密にしておくことができます。ただし、遺言書の保管場所の問題や紛失の恐れがありますし、相続開始後に家庭裁判所の検認を受ける必要があります。また、記載漏れや書き損じ等の形式的な不備がある場合、遺言の内容や有効性について紛争が起きる可能性が高いことも否定できません。
(2)公正証書遺言
遺言者が遺言の内容を決定した後、公証役場に出向き、公証人にその内容を遺言書にしてもらう方式です。遺言者のほか2人以上の証人が立会う必要があるため、手間や費用は掛かりますが、遺言の内容も明確ですし、遺言書の原本は公証役場で保管されるので安心です。また、相続開始後においても家庭裁判所の検認を受ける必要がないため、遺言の執行に関しては最もスムーズで確実な遺言と言えるでしょう。
(3)秘密証書遺言
自筆証書遺言と同様に遺言者自身が作成した遺言書を封印したものを公証役場に持参して公証人及び2人以上の証人の面前で遺言者自身の遺言書であること等を述べてその旨を確認してもらう方式です。
司法書士 芳 賀 昭(はが あきら)
1970年2月生まれ
平成13年に司法書士試験合格。3年間の実務経験を経て昨年3月に
現在、不動産登記、会社登記、債務整理等を主な業務として奮闘中。
●会社と契約を締結する際の注意事項
最近、「コンプライアンス」という言葉をよく耳にするようになりました。コンプライアンスとは,「法令遵守」という意味であると言われるのが一般的です。
法令を守ることは当然のことですが、どんな人でも少しくらいの法律違反をしたことはあると思います。例えば、赤信号を無視して渡ってしまう、落ちていた小銭をポケットに入れてしまう、なんてことは、誰にでも経験があるのではないでしょうか。
個人だけではなく会社であっても、同じことがあり得ます。売上げを伸ばすために会社ぐるみで違法なことをしてしまうこともありますし、社長の目の届かないところで、社員が違法な行為をしていることもあります。名の知れている会社だからといって、完全に安心してお任せすることのできない時代になってきているのです。
ですから、会社と取引をしようとするときは、個人個人が自分たちの責任で判断して契約を締結しなければなりません。不安な時には、信頼できる弁護士に相談したり、場合によっては弁護士に立ち会ってもらって契約を締結することも検討してください。
不動産の売買契約書、賃貸借契約書などは、ほとんどの場合、定型的な契約書のひな形が利用されています。したがって、もしかすると、自分たちの状況と合わない文言が入っていたり、必要な文言が抜けているかもしれません。そのような場合でも、知らん顔をして不適切な契約書をそのまま利用しようとする不親切な業者もいます。そもそも契約書というのは、自分と相手方の希望を調整した結果を記しておくものですから、契約書にサインをする前に、自分に不利な文言が入っていないか、自分に有利な文言が抜けていないか、よく内容を確認するようにしましょう。
また、契約書そのものに問題がなくても、契約締結に付随して必要とされる説明が不十分であることもあります。理解できないことはよく質問して回答してもらうようにしましょう。
コンプライアンス経営の重要性が叫ばれるようになったということは、つまり、いかなる会社も法令違反を犯すおそれがあることが認識されるに至ったということです。しっかり、自分の目で見て確かめ、自分の頭で理解した上で契約書にサインをするように心がけましょう。
文責:弁護士檜山洋子(弁護士法人ethos green)
