彼ら、特に画面右側の椅子にゆったりと腰掛ける男が身に着ける白い衣服の青味がかった陰影表現は、作品へ幻想性を齎す大きな要因となっている黄色の色彩と見事な対比をみせており、互いに彩度を際立たせている。
またテラスの向こう側(画面奥)に見えるセーヌ河やそこを行き交う木製のボートは前景と比較し、淡く明瞭な色彩によって描かれているが、それらも本作に非現実的な感覚を与える効果を生み出している。
これらの特徴的な色彩表現はルノワールが抱いてた色彩に対する強い関心と新たな可能性への挑戦の明確な現れであり、今なお観る者を惹きつけ続ける。さらに以前の作品などと比べ、軽快さと即興性が増した速筆的な筆触もルノワールの絵画表現の探求において特に注目すべき点である。
