「きゃああああああああああッ!!」



突然2階から女の人の叫びが聞こえた


皆恐怖で声も出せなかった


「な、なんだ今の・・・」


声を震わせながら優樹は言った


「ねぇ、もうここから出ようよぉ・・・・」


美穂が今にも泣きそうな声で言った


「私と龍也とリオで上を見に行くから、二人は待ってて」


「ええッ!俺も行くの!?」


龍也は由理に文句を言った


「あんた女子二人だけで行かせるつもり!?」


「どこに女子がいるんd((「黙って付いてけ」


そう言うと由理は二階へと続く階段をずんずん進んでいった


最後まで言わせろよぉ、と龍也は嘆きながらも


おとなしくついてきた


二階の廊下もやはり汚く


いろんなものが落ちていた


「うげぇ、ねずみの死体がある・・・」


龍也の横を通り過ぎて


左にある部屋をのぞくと


そこにはおもちゃや小さいテーブルと椅子があった


どうやらここは子供部屋のようだ


部屋の中を見ていて気づかなかったが


ドアの錆びた金属プレートには「Jessifer」と書かれてあった


「ジェ・・・シ・・ファ?」


この部屋にいたこの名前かな・・・


ハーフだったのかな・・・


「!!ねえ、見て・・・」


由理に呼ばれて龍也と私は由理のいる部屋に入った


ちょうどさっきの子供部屋の真正面だ


「「!!」」


私と龍也は驚愕した


壁にべっとりと赤黒い“何か”が付いていた


よく見るとさっき私が見てた子供部屋の家具と同じ配置だった


そしてその子供部屋のドアに「Jennifer」という金属プレートがあった


「やっぱり、ここで殺人事件があったんじゃねぇの・・・・?」


龍也がそう呟いた瞬間、


「きゃああああああああああッ!!」


美穂のものだと思われる悲鳴が下から聞こえた


由理たちは急いで下に降りた


その瞬間私は見た


茶色のセミロングの3、4歳の白人系の女の子が


『タスケテ』


と口パクで言うのを


そして女の子はスッと消えてしまった


由理たちを追って下に行くと


目を疑うような光景があった


真っ黒な闇より黒いものが泣き叫ぶ美穂に絡みついていた


優樹は必死にその黒い何かに美穂を連れ去られないよう引っ張っていた


「い゛やぁぁ!!だすけてぇ!!」


そして次の瞬間、



「ナウマクサンマンダバザラダン、センダマカロシャダソハタヤウンタラタカン、マン!

ばんまきようふく

万魔棋服ッ!!」


どこからか飛んできた符が白銀の刃に変じて


黒い何かを真っ二つに叩き斬った


美穂はそのまま気を失って倒れてしまった


「大丈夫ッ!?」


漆黒の長い髪を揺らした14、5歳の少女が私たちに駆け寄った


その子の格好はまるで巫女のようで


とても綺麗だった


「あ、あの・・・美穂は・・・」


「大丈夫、ショックで気を失っているだけよ、しばらくすれば起きるわ」


その子は優しく美穂を抱えて由理に言った


「あなたは一体・・・」


私が聞くと彼女は


「私は氷室小雪、となりの神社の巫女をやっていて陰陽師でもあるの」


「陰陽師ってなんだ?」


龍也が不思議そうに聞いた


「陰陽師っていうのは妖怪を退治したり、封印したり、悪いことを占ったりするの」


「へぇ~すげぇ・・・」


龍也は感心したように呟いた


「あの氷室さん、今のは一体なんだったのですか」


「小雪でいいわ、あれは一種の怨霊で、何かしらの怨みを持っていて、


この子がその怨みの対象の物を持っていたり、


その人物に似てたから襲ったのかもしれないわね」


小雪さんは丁寧に説明してくれた


「後でこの子に心当たりがないか聞いてみて、


じゃあ、またね もうここに来てはいけないわ」


小雪さんはそう言うと屋敷から出て行った


「あたしたちも出よう こんなところ」


由理はそう言って美穂を背負った



「オーーイッ!!おめぇらおせぇぞッ!!」


向こうから私と美穂に向かって言っているやつがいる


もちろん向こうにいるのは龍也と由理だ


「遅いよあんたら」


そう由理は愚痴を漏らす


「しょうがないじゃん、美穂が遅れてきたんだもん」


「ええっ あたしのせい!?」


適当に美穂のせいにした私


美穂に申し訳ないだなんてこれっぽっちも思ってない


「あとは優樹のやつだけだな」



春風が私の頬を撫でる


「それにしてもいい天気だねぇ」


全くその通りだ


これからあの『幽霊屋敷』にいくような


天気ではないだろう


もし由理たちが無理やり予定を決めていなかったら


ピクニックには最適な日だったろうに



そんなことを考えていたら


優樹がやっと来た


「ごめんごめん、踏切に引っかかって・・・」


苦笑いしながら優樹は言った


「よし!『幽霊屋敷』に行くぞーッ!」


「「オーッ!!」」


龍也と由理だけの掛け声を無視して


私たちは『幽霊屋敷』に向かった






―――――――――――――――――――――――――――――――――――


「つ、ついに来ちゃいましたね」


由理が少し怯えたように言った


さっきの元気さはどこに行ったのやら


それも仕方がないだろう


やはり実物を目の前にすると


その威圧感は半端ない


「で、誰がこの門を開ける?」


そう、私たちは今幽霊屋敷を囲んでいる門の前にいるのだ


「リオ、お前行けよ」


「は?」


いきなり龍也に呼ばれたかと思ったら


私にこの門を開けろと


「確かに、リオは怖いものなさそうだもんね」


「いやいや、私だってあるから;;」


美穂の一言にツッコミ(?)をいれた


「・・・はぁ、わかったよ行けばいいんでしょ」


少し投げやりで門を開けた


ギィーーーーーーー


鉄が相当錆びてるようだけど


かろうじて開けることができた


「はいはい、開きましたy――――」


私が振り返ると


優樹たちはさっきの場所から


2~3m離れていた


そんなに怖いか


「よ、よくやったぞリオ」


龍也は噛み噛みになりながら言った


私はそれを無視し、中に入った




庭は随分広いが


長年放置されたせいなのか


雑草がたくさん生えていた


おかげで門から屋敷の入口までの道が


かろうじて分かるぐらいだ


私は雑草をうまく避けながら


中にずんずん入っていった


優樹たちも私に続いた



ドアの前に来て


ドアをノックしようとしたとき


「待って」


由理が突然言った


「手袋と懐中電灯は持ってきた?」


「ああ、持ってるけど」


優樹がそう答えると


「みんな手袋をつけて、懐中電灯を持ってね


中は薄暗いと思うし、汚いから」


さすが学級委員、と竜也は褒めた


「私はボイスレコーダーを持ってるから」


由理はそう言った


「何に使うの?」


「幽霊の声が取れるかもしれないじゃない」


優樹が聞くと由理は即答した


「じゃあ、ドアを開けた時録音するから、よろしくねリオちゃん♪」


「ええーーーーー、また私ですか」


私は渋々ドアをノックし


開けて中に入った


その瞬間―――



『入ってくるな』



突然脳に響くような感じで声が聞こえた


殺気と怒りが混じった男の人の声


私は恐怖で動けなくなった


「あれ、リオどうしたの?」


美穂が突然止まった私に聞いた


「い、今こ、声が聞こえなっかった?」


「ななに言い出すんだよ、何も聞こえなかったぞ」


龍也が私の発言に動揺を隠せない


由理たちも例外ではなかった


「落ち着いて、幻聴かもしれないわ」


「そ、そうだよ、恐怖で聞こえたように感じられたんだよ」


由理と優樹が慰めてくれる


「そうかもね・・・とりあえず中に入ろ」




中に入ってみると、やはり中もぼろぼろだったがそんなに暗くもなかった


部屋の隅には蜘蛛の巣が張ってある


「うげぇーー、ホコリくせぇ」


龍也が鼻をつまみながら言った


確かにホコリ臭いが


なんだか落ち着くかも


歩くたびにギシギシと床が鳴る


「結構広いねぇ」


美穂は感心したように言った


懐中電灯で前を照らしながら進んだ




「きゃああああああああぁぁぁぁぁッ!!」

「ねぇねぇ、うちら5人でさ 肝試し しようよ!」


そう言いだしたのはオカルト大好きな3組学級委員、柳沢 由理だった


「この時期に肝試しぃ~?」


と、クラスのムードメーカーの龍也が愚痴を漏らした


確かに今は4月の中旬


肝試しをやるような時期ではない


「で、どこでやるの?」


私は嫌な予感がし、恐る恐る聞いてみた


由理ちゃんは満面の笑顔で


「も・ち・ろ・ん あの 『幽霊屋敷』 よ」


あぁ 当たってしまった


「マジッ!? 行く行く!お前らも行くよなッ!」


さっきまでブーブー言っていた龍也は目を輝かせて言った



『幽霊屋敷』というのはこの街のはずれにある大きなボロ屋敷のことで



その不気味さからいつしか幽霊屋敷と呼ばれたのだった



そこでは血まみれの幽霊が出るとか



こどもの声が聞こえたりするなどと色々な噂がある








「でもさ、あそこって人が死んだことがあるんでしょ 」





美穂の一言で周りは静まり返った



それも噂の一つなのだが」



それだけは異様にリアルで仕方がなかった



噂によるとその屋敷では一家心中があったらしく



会社をクビにされ鬱状態で



まだ3歳にもなっていない娘を殺し



自分の妻を絞め殺し


最後には首を吊ったという・・・・



『幽霊屋敷』の怖さはこれだけではない


何故か皆あの屋敷には近づくなと言う


私も小さい頃から親にそう忠告されて来て早13年


なぜ?と聞いても答えてくれない


私たちもわからないといつも返される




「だけどさ、このまま何も知らないで大人になるのは嫌だな」


優樹はそう呟いた


「そう うちらは肝試しをやりながらあの『幽霊屋敷』の謎を暴くのよ」


由理が珍しく真剣な顔で言う


「じゃ、そういうことで、今度の日曜日の午後一時に南神社でな」


「そうね、懐中電灯と手袋は絶対に持ってきてね」


じゃあまた、と勝手に話を進めて部活に行ってしまった由理と龍也


「じゃあ、俺も行くわ」


そう言って優樹まで部活に行ってしまった


なんだろ




――――すごく胸騒ぎがする





「リーオーッ!!」


人ごみの中から私の名前を呼ぶ声が聞こえる


「見てみてッ!あたしたちまた一緒のクラスだよ!やったね~!!」


幼なじみの美穂は今日もテンションが高いったらありゃしない


「って、ええええええええええええええええええええええええええぇぇぇぇ!!」


「うわッ いきなりなにさッ!」


驚きすぎて大声を出してしまった


おかげで私は周りから変な目で見られてしまった


「まさか中二になっても同じクラスとは・・・・


そう、私と美穂は小学校から中一まで一緒のクラスなのだ


こんな腐れ縁は滅多にないと思う


まぁ、嫌ではないからいいけど


すると突然後ろから


「お前らマジでギネスに載れそうじゃね?」


と、元クラスメートの優樹が笑いながら言ってきた


「確かに私たちなイケるかも・・・」


「いやっ 冗談だからッ!!」


何が笑いのツボに入ったのかは知らないが


お腹をかかえて笑う優樹


「こっちも冗談なんだけど」


未だに思い出し笑いしてる優樹を横目に見ながら


教室に向かった


「そういえば優樹って何組?」


そう美穂は何故かついてきてる優樹に聞いた


「俺お前らと同じクラスなんだけど」


「「え」」


そうだったのかぁ、と美穂はつぶやいた


とういうかなぜ


あの学年一の問題児優樹とまた同じクラスにならなければいけないのか


私の中二生活が危うい状態になってきたような・・・

・水無月 リオ (主人公)


南森中学校 2年3組


吹奏楽部



・レイコさん


謎の幽霊(?)



・相沢 美穂   リオの幼馴染


南森中学校 2年3組


吹奏楽部



・佐藤 優樹   リオのクラスメート


南森中学校 2年3組


バスケ部



・高嶋 龍也    リオのクラスメート


南森中学校 2年3組


テニス部



・柳沢 由理   リオのクラスメート


南森中学校 2年3組 学級委員


写真部




あとから付け足しするかもです