「死産」はとても悲しい出産です。
産声を上げることのない我が子を、
元気に産まれる赤ちゃんと同じように、
陣痛を起こして、
人生で一番痛い思いをして、
この世に産み落とすのです。
でも、
蒼を出産した日
私たちはとても幸せでした。
待ち遠しかった我が子との対面。
それは、
たとえ我が子が亡くなっていても
可愛くて、愛おしくて。
産まれてきてくれたことが、
只々嬉しかったのです。
出産の1時間後には、
両親、義両親、弟夫婦が集まりました。
皆、戸惑うことなく蒼と会ってくれました。
「本当に亡くなって1週間以上経ってるの?
すごく綺麗」
「可愛い」
「お目目がキラキラだね」
「手足が長いー!」
皆、それぞれの言葉で蒼を愛でてくれて嬉しかった。
ずっと絶飲食だった私は、
弟夫婦が買ってきてくれた牛丼を
頬張りました。
家族全員ご飯を食べていなかったので、
皆でワイワイ食べました。
助産師さんが3名お部屋にいらっしゃいました。
家族と蒼の家族写真を撮って下さいました。
その30分後にはポストカードにまとめられて。
先程撮った家族写真と、
蒼の手形と足形を切り抜きでした。
すごく嬉しかったです。
日をまたぐ前に、両親達は帰宅。
私と、夫と、蒼の時間。
蒼の皮膚はとてもデリケートだったので、
沐浴はしてあげられませんでした。
爪や髪の毛も、
蒼をずっと綺麗なままでいさせたかったので
残すことはしませんでした。
お洋服は、お身体の上に被せてあげました。
蒼のお洋服は天使のブティックから
プレゼントしていただきました。
このような団体があること、
とてもありがたかったです。
蒼にピッタリのサイズ。
お洋服と同じ布地のポプリも下さいました。
ポプリは今も、蒼の母子手帳とともに大切に保管しています。
蒼の周りには、
義母が買ってきたおもちゃやおくるみを敷き詰めて、
パパとママからの手紙を添えました。
安静解除になったら、
おっぱいをあげてみることにしました。
私のおっぱいはどうやら優秀だそうで、
助産師さんに沢山褒めていただきました。
蒼を直接抱いて、
初乳をしっかりお口に含ませました。
ガーゼにも搾って、
夫から蒼にあげることもできました。
その晩は、
蒼と夫と3人で寝ることにしました。
蒼にパパとママから沢山のキスをして。
蒼の顔が見られるように、
少しだけ灯りを点けておきました。
夫はずっと立ち会っていたので、
気が抜けたのか、
スーッとすぐ眠りにつきました。
私は産後の興奮状態が覚めないのか、
殆ど眠ることが出来なくて。
だから、
蒼の顔をじーっと見つめていました。
沢山キスをして、
沢山撫でて。
少しでも蒼を記憶に刻んでおきたくて、
沢山触れて、蒼の匂いを感じていました。
夫を見ると、
安心しきった顔でスースーと眠っていて。
蒼も、
もしかしたら、
ただ寝てるだけじゃないかしら、って。
ああ。
この夜で、世界が終わってしまえばいい。
朝なんて、来なくていい。
大袈裟だけど、今でもそう思っています。
そのくらい、
あの夜は愛おしくて、切なくて、
私達はどうしようもなく、幸せでした。
名前 蒼(あおい)
出生日 2018年8月22日 (26w6d)
身長 34.5cm
体重 629g
2013年12月 入籍(26歳)
2016年2月 妊活開始(28歳)
2016年8月 チョコレート嚢胞発覚(28歳)
2017年5月 卵管水腫発覚(29歳)
2017年6月 KLCにて体外受精に挑戦(30歳)
2017年8月 1回目の胚盤胞移植、陰性(化学流産)
2017年10月 岡田病院へ入院、卵管水腫の手術を受ける(卵管開口術)
2017年12月 2回目の胚盤胞移植、陰性(化学流産)
2018年3月 3回目の胚盤胞移植、初めての陽性、妊娠成立
2018年8月13日 子宮内胎児死亡の宣告(31歳)
2018年8月22日 誘導分娩にて愛息子を出産