【第138話あらすじ】「なつよ、天陽くんにさよならを(138)」 十勝に帰省中のなつ(広瀬すず)から、新しい企画に参加したいと言われた坂場(中川大志)は、なつ達が帰ってくる前に企画書を書き上げる。舞台は北海道、ささやかな日常を懸命に生きる開拓者たちの話だと言う。マコプロに企画を提出すると、麻子(貫地谷しほり)は、なつが作画監督ならば、企画を進めると坂場に告げるのだった。一方、なつは、これまで育ててもらった仲(井浦新)に、東洋動画を辞めたいと告げるのと…。 (Yahoo!テレビより引用) |
昭和48年(1973年)――北海道開拓者の人生を描く――そんな新作が始動します。迷っていたなつが、天陽の描いた絵でめざめる。
開拓者魂が動き出す。
そのなつを、イッキュウさんと優。そして仲間達が応援するのですイッキュウさんは、北海道で日本の開拓者魂に目覚めていました。
開拓者は、西部劇の中だけじゃない。北の大地にもいた。それを描けるのは、開拓者魂を目にしてきた、奥原なつだけだ。
そう信念を持っていて、企画もマコに必ず通すと言い切ります。
なつが作画監督ならばやると返すのです。
下山も、神っちも、作画監督・奥原なつを待ちわびている!
「私が作画監督でいいの?」
イッキュウさんは、自分が演出してなつがやってこそだと誓います。
そして、天陽の魂を引き継いだと認めるのです。
「やってみたい! やりたい!」
「この絵を、きみが受け継いだんだ……」
『こうして、なつは決意したんです――。』
父ナレがそう言い切ります。
カッコいいと思います。
『半分、青い。』の【スパロウリズム】には、しびれました。ヒロインとヒーローが並列で並び、同じ場所で世界を見ている。ここまで来たんだな、って。
本作も同じ場所に二人が立ちます。
彼女&彼はつきあうんじゃない。自分の足で、並んで、歩いて行くのです。
だからこそ、優しいあの子がすごいのです・・・きっと。
なつは、東洋動画へ。
マコ曰く「泣くわよ……」という職場へ、重い足取りです。
話がある、と仲を呼び出すのですが、やっぱり本人を前にしては躊躇がある。ドヤ顔退職のイッキュウさんと神っちとは違いますわな。
「実は……やめたいんです」
仲は衝撃を受けつつも、アニメーターそのものを断念するのか?と案じています。
仕事は続ける。なつはきっぱりとそう言います。
「他でやりたいということか。そうか、君もか……」
やはりマコがいろいろやらかしているようです。
申し訳ないと謝るなつ。
まぁ、神っちならば「今さら謝られても知らん! 是非もなし」とドヤ顔してそうではある。
「どうして謝るの?」
「仲さんのおかげで、続けることができました。それを裏切ってしまう……」
「なっちゃんは、それを裏切りだと思っているの? だったら、その選択は、裏切りじゃない」
なつは本音を打ち明けます。マコさんのところへ行く。どうしても、やりたい企画がある。
「それでいい。アニメーターは、一つの会社でなく、一つの作品にこだわるべきだ」
「私、仲さんの弟子でよかった」
「これからも、そのつもり? であるなら、話が違う。それは裏切りだよ」
げーっ!
驚いていると、冗談だと取り直されます。
なつは仲さんには冗談が似合わないと笑います。そういう雰囲気を出していかないと笑えないのか、と仲はにっこり。
「今まで生きてきて、気づかないから、今度から、そうしてみよう」
「ふふっ……」
師弟は笑い合います。
まぁ二人にある程度の絆はあるんですよ😊
さて、そんな仲さんはダントツ、本作屈指の人格者ですが。
この仲さんを誤解した挙句、噴水に突き飛ばした野郎とか。 自分を除け者にしているんだと被害妄想に突っ込んでいった野郎、いましたよね。
しかも主人公周辺で・・・ 咲太郎とイッキュウさんだよ!
人間的な欠陥からも逃げない――だからこそ本作はクールなんだ。
仲はいいんです。
山川社長と佐藤部長が顔面蒼白になりそうなほどでして。
「どうか、お許しください!」
なつの懇願に、アワアワしております。
特に佐藤が痛々しい。出番はそこまで多くはありませんが、心の底から漫画やアニメを愛している。そういう気のいいおっちゃんではありませんか。
これが橋本じゅんさんというところが、いいんだな。
そう憎まれそうで、結果的にそうならなかったのは、彼の陽気な持ち味のおかげでしょう。脚本や演出も冴えておりましたが。
いやあ、ほんとうに、佐藤を見ているのが辛かった。いいおっさんなんですよね。
困る、困る、大事な戦力離脱が困る!
『魔界の番長』は最後までやるとなつは宣言します。メインの作画監督をつとめると。
後任者はどうするのかと慌てる佐藤に、堀内が立候補します。
代わりにはなれないかもしれないけど、埋めるって。堀内も、いい奴だな。
堀内ならできるとなつも太鼓判を押して、なんとかおさまるのですが。
【できる人からやめる!】と佐藤は泣きそうではあります。
なつは感謝しますが、堀内はこれぞチャンスだと思ったと喜んでおります。
ここまで来たんだね。
でも、ずれているんです。育児ゆえの退職で、マコプロに行くとは想像できていない。
マコプロで、妥協のないアニメを作り上げるためとは、気づかなかったのです。
これが、落とし穴かもしれない。
このあたりも、うまいっちゃそうですよね。
なつのことをなんのかんのと叩く投稿は想像できますが。
あいつらを忘れちゃいませんか?
夕見子、そして神っちだッ!
【情緒ケア】を踏みつけて生き抜くあいつらが、どこまで残虐非道なスタイリッシュ退職届提出をやらかしたのか……。
そこを描かない本作は親切なんだ‥と思う。
さて、このあと、風車プロダクションでは。
咲太郎は、遅くなったと詫びるなつに、ゆっくり優と遊べて楽しかったと、むしろ感謝しています。
いい兄貴になったなぁ。
ほんと、かっこいいよ。彼らに必要なことは、イケメンであることじゃない。第一に、親切ですよ。
なつは、来年こそイッキュウさんとアニメを作ると言い切ります。
「パパと作るの?」
「また新しく挑戦する! 北海道で、優と決めた!」
「あれを作るの? やったぁ!」
「北海道でか? よかったな!」
優も咲太郎も大喜び。でも、それだけじゃないのが光子です。
「うちの声優、使ってね」
光子さんも商売がお上手そうですよね。
今後、北海道の総大将たちも声優デビューするかもね・・・なんちて(*´σ-`)エヘヘ
人望はあるけど、ちょっと抜けている咲太郎。
それを補う光子。これもいいコンビ!
「優、ママはずっと、仕事するからね。優は寂しい思いをしちゃうかもしれないけど」
「うん、ママだいすき!」
「ママも、優大好き!」
「でも、『番長』嫌い……」
「番長はいい奴だよ!」
一応、フォローはされるんですが。
うん、あの番長もいい奴。
この先、優はリアル番長を怖がったりするんですかね。ヒグマと戦った門倉番長よ……。
かくして昭和49年(1974年)3月末、なつは東洋動画を退職します。
『ああ、なつよ。新しいキャンバスに向かえよ――。』
父ナレがそう語る中・・・ラスト一ヶ月、本作の大団円が始まります。
次週に続く・・・