【第124話あらすじ】「なつよ、新しい命を迎えよ(124)

なつ(広瀬すず)がお腹の痛みを訴えた時、玄関の呼び鈴が鳴る。慌てて坂場(中川大志)が戸を開けると、富士子(松嶋菜々子)の姿が。さらに、剛男(藤木直人)、泰樹(草刈正雄)までもが十勝からはるばる駆けつけてきたのだった。いったん痛みが治まったなつは、久々に富士子らとともに食卓を囲み、和やかな時間を過ごす。そんな時、富士子から夕見子(福地桃子)について思わぬ知らせを受け…。

Yahoo!テレビより引用)

昭和42年(1967)年――「なつ! どしたの?」

北海道弁で助けに来た、頼りになる富士子。

「産まれそう……」

苦しむなつの腹をさすります。 続けて、剛男と泰樹もやってくるのです。

げえっ、じいちゃん!

 

 

なつはこう呟きます。

「じいちゃん見たら、ますます母牛気分……」

母牛が一瞬映り、もお〜っと鳴き声が入るのでした。「じいちゃん見たら、ますます母牛気分……」

 

母牛が一瞬映り、もお〜っと鳴き声が入るのでした。

 

 

富士子は、なつの痛みをこう判断します。

「おなかが張っているだけ。赤ちゃんは何ともない。体をよ〜くあたためればいい。本当の陣痛じゃない。兆しみたいに痛くなることがある。体がお産に向けて準備しているって。本当の陣痛はこんなものじゃない」

「よかった」

なつはほっとします。痛みは治まったようです。

お産の準備をしている、いわば予行練習的な痛みだと。

「助かりました。何が起きているかわからない」

イッキュウさんもホッとしています。彼なりに本を読み、茜から聞いてはいるのでしょう。それでもわからない時はそうなる。

剛男はこう慰めます。

「男はこういうとき、慌てるばかりで何もできない」

なつがここで、むっとしてこう言うのです。

「女もそう。経験してないと慌てるばかり」

そして泰樹はこう来た。

「子牛を産ませているだろ。学校で習わんかったか?」

「牛にもそったらことあるのかい?」

「知らん」

「知らんのかい!」

なんとも、マイペースな泰樹ではあります(m ̄〃)ぷぷっ!

ここにも世代や男女差があります。 剛男が冷たいように思えますが、これが普通。『カーネーション』では、お産の時にヒロインの父と夫が酒を飲んでいたものでした。

イッキュウさんがかなり勉強熱心な方で。 彼がもし、東大卒だと威張り、付け焼き刃の知識で我がもの顔で振舞ったら、それはそれで台無しでしょう。

ちょっと違うのが、なつ。 女だってそれは同じだと反論しています。

現代も事情は同じ。妊娠すれば、子供を産めば、母親はOSが自動アップデートされて母親になる。

そんな母性神話はもう捨てましょう。経験がなければ、わからないものはわかりません。

泰樹は例外中の例外です。このじいちゃんがこういう人だと、もうわかっていますよね😅

豆腐牛乳の作り方

「いいもん持ってきた……」

その泰樹は、そういい始めます。

 取り出したのは、母牛の初乳から作った牛乳豆腐です。

牧場のみで食べられる、特別な味わい。

しかも栄養抜群!

「どうしても自分で持ってくるっていうから」

「そんなことは言ってねえべ」

「言ったしょや!」

どうやら、これを届けたくて来たそうです。

お前らだけでお産に立ち会うのかと、じっとプレッシャーを与えていたらしい。高齢だからと富士子たちは気遣ったのに、このジジイは……。

そんな泰樹ですが、実は飛行機が怖かったと富士子にバラされます。

「そったらことねえ」

彼なりに理由はあるのでしょう。

実はじいちゃんには、ある思いがありました。

もう80過ぎだからこれが最後になるかもしれない。そういう気持ちです。

明治生まれですから、そんな年代ではありますよね。寂しくなってきちゃったぞ。

「もう! そったらこと言わんでよ。でもじいちゃん、私もじいちゃんに会えてうれしい」

なつが、視聴者を代弁してくれます。♪

問題は、部屋があまりに狭いこと。

宿を探すという柴田家に、イッキュウさんはお義母さんだけでも泊まって欲しいというのです。

メンツよりも、男同士云々よりも、妻のことを気遣ってのこのセリフ。

この年代だったら、富士子に全部押し付けて、男同士で飲み歩いても不思議はないと思いますよ。

しかも、イッキュウさんはこのあと朝食を作り始めます。 富士子が驚くと、普段はなつと交代で仕事がないぶん自分が多くなると素直に答えます。

女房の尻に敷かれていると自虐的にならない。それがイッキュウさんです。

富士子は、イッキュウさんが大事にレシピノートを使っていることにも感心しています。

「適当な料理でしょ」

「はい!」

ここで、適当が理解できないイッキュウさんは力強くそう言い、富士子が「ん?」となったところで慌ててごまかしています。

いいぞ、いいぞ、人間的に成長した。 適当という言葉の意味を、わかり始めています。

【適当】って、意味が複数あって文脈で理解しなければいけません。

イッキュウさんはそういうのが苦手。いろいろ苦労や誤解もあるでしょうが、そこを乗り越えれば美味しいご飯を綺麗な台所で作れるので。見守りましょう。

剛男は、子供が一歳になれば働くというなつの決意に戸惑っています。

三歳児神話なんて言葉もありますし、それはそうでしょう。

「今さら弱音を吐いている場合でねえ。それを覚悟して結婚したんだべ」

泰樹はそう言います。これも開拓一世の言葉だと思うと、重いべな。

 

 

そして……、ここでなんと夕見子の妊娠も伝えられます。

魂の双子姉妹は、出産まで重なりました😲

なつはなんでもっと早く知らせてくれないのかと言いますが、最近判明したそうです。

東京で知らせることにしたんだって。今年の秋出産だそうで、姉妹の子も同い年になりますね。

「夕見子は大丈夫?」

「大丈夫さ、はははっ!」

 

ここで話を切り替えます。

照男夫妻にもできたそうです。なつが驚くと、照男ではなくて砂良が妊娠したと富士子は返します。

それはわかっているとなつ。これはよいやりとりだな。

砂良は来年一月の出産予定です。

なつ、夕見子、砂良の順番に子が生まれる。ちょっとしたベビーブームだとイッキュウさんがまとめます。

 

牧場はもう、照男と砂良、それに菊介のもの。

戸村父子のうち、名前が出るのは子・菊介のみ。腰痛があった悠吉は引退したのでしょう。世代交代だべな。

 

「照男は立派にわしの夢を継いでくれた」

牧場という夢は、照男。

バター作りという夢は、夕見子。

開拓という夢は、なつ。明美もそうかな? みんな受け継いでいますね。

じいちゃんはひ孫が増えるだけではなくて、夢も増えてゆきます。

ここで、また来客です。

今度は咲太郎と光子夫妻でした。咲太郎は紙袋をいっぱいに持っています。

手提げ袋の中身は、ベビー服はじめさまざまな用品でした。

ベビーベッドも注文済みなんだって。やるじゃないか、咲太郎! 商売も軌道に乗っているようですね。

父ナレもしみじみと、こう語ります。

『こうやって、みんなお前のそばについているんだ。

 安心して産めよ、なつ――。』

 

そしてその夜、なつは激痛を訴えます。

隣で眠る富士子がなつの異変に気づきます。

「ううっ、母さん、痛い!」

「大丈夫? 大丈夫! イッキュウさん、陣痛来たみたい!」

襖を即座に開けて、イッキュウさんが顔を出します。

「えっ!」

「ううっ、痛い。この前と、全然違う……」

父ナレも、ここでいつもより緊張感を滲ませてこう言うしかありません。

 

『なつよ、いよいよ生まれるのか。私の孫が――。』

そうでう、お孫さんが生まれるんですよ、お父さん!

次回に続く・・・