【第122話あらすじ】「なつよ、新しい命を迎えよ(122)」 麻子(貫地谷しほり)が日本に帰ってきた。なつ(広瀬すず)と坂場(中川大志)を訪ねてきた麻子を自宅に招き入れ、三人は久しぶりの再会を喜ぶ。麻子はアニメーションの世界に戻り、製作会社を立ち上げていた。準備を進めている麻子は、一緒にテレビ漫画を作らないかと坂場に持ちかける。同じくアニメーションの世界へ戻りたい坂場にとっては、麻子からの誘いは願ってもないはずだが、坂場は黙り込んでしまい…。 (Yahoo!テレビより引用) |
昭和42年(1967)年――イッキュウさん、演出家として一緒にアニメを作らないか。イタリアから帰国したマコが、そう勧めてきました。彼女はアニメ制作の会社を興していたのです。
まだ小さいけれど、テレビ漫画の企画には下山の合流も決まっている。
マコの野望がついに動き始めました。
漫画映画ほど凝ったものはできない。今は絵をあまり動かさないのがカッコいい。
マコはさらりと、最新のアニメトレンドを語ります。
勉強を重ねてきたのでしょう。感受性、独自のアニメ理論、そしてイタリアで感じ取ったヨーロッパのセンス。これからアニメで、ルネサンス(再生・復興)を実現する気概を感じます。
「それでいいなら、やる?」
そう問われ、なつは表情豊かでニコニコしています。
一方で、イッキュウさんは無表情。これは演技演出が下手なわけではなく、わざと。個性表現ですね。どうして黙っているのか、となつは尋ねます。
「マコさんと一緒にやったら、君はどうなる?」
そう言うイッキュウさんに、それはあとあと考えたらいいとなつは言います。
「生まれてからでは遅い」
彼はそう力強く言うのです。呑気に喜んでいる場合じゃない。
マコはこう来ました。
「なっちゃんは辞められない?」
「はい……それはいきません」
「なっちゃんも誘いたかった。誰よりも、真っ先に誘いたかった」
マコは、しみじみとそう言います。
そういえば、マコさんのクレジット順が移動しましたね。今日は最後でした。重要な役回りなのでしょう。そんなマコさんは、今日も行動の順番がちょっと違う。
まずなつを誘うのではなくて、照れを克服したようなタイミングで、しみじみと切り出すのでした。
そんなマコは、子供はできなかったそうです。それで、旦那と相談して好きに生きようと決めたのだと。
「別れたんですか?
なつが驚くと、円満に別れていないと言いますが。
これはどうだろう?疑うのもどうかとは思いますが、夫の話は最小限しか出てこないし、結婚指輪も確認できていない。イタリアと日本で離れているのであれば、何かが引っかかるんです。
マコは旧姓で仕事をしていて、名刺もそう。
社名は、マコ・プロダクションです。
「女性アニメーターが、母になっても安心して働ける職場」
会社を興す趣旨を語り、そういうことだから来て欲しいとなつを誘うのです。
将来的に会社があればの話だと自虐的な前置きをしつつ。
イッキュウさんも、できると思ったら来てもらう!
そうマコは言いつつ、イッキュウさんは以前と変わってものわかりがよくなったと言うのでした。
「イッキュウさんらしさを失って欲しくないけど……」
そうしみじみと言うマコに、予算と締め切りを守れないことか?となつは突っ込みます。
マコが否定すると、
「冗談です!」
と締めくくる。
予算と締め切りだけじゃなく、モモッチの前で平然と読書を続行するとか。結婚式でもくもくと食事を食べ続けるとか。ダメ出しが結構きついとか。精神的に煮詰まると壁をバンバン叩くとか。
適量が把握できないとか。頑固でわがまま、自分勝手と思われそうな言動とか。
イッキュウさんには困った点は、たくさんあるのです。
それをひっくるめて、そこを丸めないで欲しいと言えるマコさんって、素晴らしい人だと思いますよ。
そのイッキュウさんは、昼間どこかを目指しておりまして。スーツにバッグではあります。営業職になりきったつもりかな?
かつては……今もそういうところがありますかね。成人男性が昼間にフラフラできない、そういう社会でして。人の目を気にしない彼なりに何かあったのかもしれません。
行き先は、マコ・プロダクション!
下山がそこにはいました。
東洋動画にはもう辞職を伝えたそうです。引き止められず、円満だったそうです。
それがいつまで続くんでしょう?
何か揉めそうだ。労働運動も、そこで神っちが爆発させるかもしれない。
マコは、企画の打ち合わせとして資料を出してきます。
『3代目カポネ』
(ネーミングが・・・( ̄m ̄〃)ぷぷっ!)
これはあれではないですか!
これに咲太郎肘いる風車プロダクション声優が声をつけるって、もうニヤニヤが止まらないんですけど。そういえば、頭数が揃っているような気がしてきた。
動画と仕上げは外注に頼るけれども、好きなものを作ると意気込むマコ。
下山も、アニメの新時代を作ると張り切っています。
イッキュウさんは、どうするのか?
いないわけはないけれども、どうするのか?
その夜、なつが帰宅します。
なんと、不器用なイッキュウさんがおしめを縫っています。本で覚えたと照れ臭そうに、なつに告げます。いやいや、本と茜ですよね。
当時は、義母や母本人がすることが定番でした。
本作は、男女逆ならば当然であることを、変換することで革新性を出しています。
ここまでやったらご飯にすると、イッキュウさんは言います。
そうそう、途中でやめられないんだな😁。
「縫い方、教えて」
「いいよ、疲れてるのに」
なつにそうせがまれ、きっぱりと断るイッキュウさん。
それから、マコの元へ行ってきたと告げるのです。あることを決めたって。
「あ、そうなんだ」
そう納得するなつ。
これは泰樹と夕見子で鍛えられたなつならば受け止められますが、ついていけない相手もいるところです。
勝手に決めないで、相談してよ〜って思いますよね。
泰樹も、ホイホイとなつの酪農チャレンジを決めたし。
夕見子も、志望校決定、駆け落ちからの【抹殺パンチ】、そして結婚まで、即座即決の軍師だし。
そういうところがある。 雪次郎も、今頃振り回されているかもしれない。
さて、その決断内容ですが。
・一年待つ
・保育園を見つける
・それまでは、家にいる
・そこまでアニメの挑戦を待つ
そう言い切るのです。
「そこまで考えてくれたんだね……調べてくれたんだね、ありがとう」
「それじゃいいのか?」
「それはこっちのセリフだよ。いろいろ気を遣わせたよね、ごめん」
「全部それを覚悟して、結婚したんだ」
「うん、そうだね。よかった……」
そう覚悟を言い合う、そんな二人なのでした。
『なつよ、イッキュウさんがうれしそうで、よかったな――。』
そう語りかける父ナレなのでした。
今日のなつとイッキュウさんはえらかった。
ここで大事なのは、三者の理解がないと実現できないこと。
あの二人だけではなく、雇用主のマコがあって完成するのです。
・妻
・夫
・雇用主(社会)
東映動画は第三の要素になれなかった。
そしてこの三という要素は、非常に大事なのではないかと思います。
公式サイトの登場人物をみていて、そう閃いたのですが……。
十勝、新宿、そしてアニメ。三つの世界があって、成立するのでは?
そしてその三つの世界には、三組の女と男がいると思うのです。
本作のアニメスタジオが、ジブリと京都アニメーションをフュージョンさせたである理由も、そのあたりにある。
その三組とは、
第1部 十勝:夕見子と雪次郎 →結婚は第2部とはいえ、雪次郎が夕見子のために歌詞を作ることを目標とする決定は第1部の段階で出てきています。 第2部 新宿:なつとイッキュウさん →第2部で知り合い、第2部で結婚。 第3部 アニメ:マコさんと??? →マコさんと誰かさんは、第2部以前ではくっついていない。顔は合わせているけれど、恋愛そのものはこれからでは? |
や、マコさんは既婚者ですけれども。
不自然な独身男で、かつ才能持ちが一人いるじゃないですか。
どうしても、そこを考えてしまう。外れたら妄想と受け流してくださいよ。そういうの好きなだけなんで