【第120話あらすじ】「なつよ、笑って母になれ(120)

なつ(広瀬すず)の妊娠がわかる。夫の坂場(中川大志)と喜んだのもつかの間、これからの生活のことや、産後も仕事を続けていけるのか不安になるなつ。生活は自分が支えていくと言う坂場に背中を押され、なつは働き続けたいというアニメーターとしての仕事への想いを再確認する。下山(川島明)と神地(染谷将太)に妊娠のことを知らせるなつ。たとえ契約社員になっても働くつもりだと伝えると、二人は…。

Yahoo!テレビより引用)

昭和42年(1967)年――喜びと戸惑いがあった、なつの妊娠。しかし、イッキュウさんは【開拓】の志を告げるのでした。

 

なつは、スタジオに向かいます。

仲と井戸原の前を通り過ぎ、下山と神っちを呼ぶのです。

なつは、ここで妊娠三ヶ月だと告げるのです。

「ひょっとしてイッキュウさんの子?」

「……ひょっとしなくてもそうです」

こういうわけのわからない、しかも相手を怒らせかねないことを、しれっと言う神っち。らしいといえばそうだなぁタラー

下山はそうではありません。素直に「おめでとう、なっちゃん!」と喜びます。

「会社にはこれからいうつもり。やめるつもりはない、たとえ契約になっても仕事は続ける!」

なつは、その決意はイッキュウさんも認めていると言い切ります。

ここで、異常なテンションになる神っち。

神っちはそういう奴だ。顔まですごいことになっていて、染谷将太さんの凄みがわかるんだな♪。

「みんなで話そうッ!」

そのままスタジオに直行だ、わーっ!

なに、この出陣感?😲

「なっちゃんができたそうです!」

神っち、スタジオで叫ぶ。

でも、こういうときでも発声がクリアでギャーギャー感がないのはすごい。

仲はきょとんとして『魔法少女アニー』のことかと思います。

そうじゃないとイライラする神っち。つくづく役作りが細かいなぁ。

「子供ですッ、子供ができたんです! 赤ちゃん、赤ちゃんです!」

「おめでとう、なっちゃん!」

「おいみんな、なっちゃんに赤ちゃんができたぞ!」

「おめでとう〜!」

盛り上がるスタジオ。

これはちょっと大げさかなと思った。がNoNoNo(‘’)b

本来このくらい祝うことなんだよね。人の命が生まれるんだから。人生が始まるんだから。

なにをもたらすのかわからない、未知のものが世界に目覚めるわけだから。

神っちは、こう続けます。

「それでなっちゃんは、仕事をやめるわけにはいかないんです! アニメーターを続けたいんです、なっちゃんは辞める気はない」

なつと下山も同意します。

たとえ契約になってもいい。茜のようにはしたくない。

この三人も、おもしろい組み合わせなんです。

なつは、当事者。下山は、茜の配偶者。妻の気持ちを知っている。

神っちは、独身男性です。神っちは逃げ道を塞いでいる。独身男性は関係ないという、そういう言い訳に先回りしている。俺ができてお前にできない理由はなんだ、そう突きつけている。

仲と井戸原は、驚き困惑しています。これも二人の理解度の差があります。

イッキュウさんの責任問題でもそうでしたが、仲の方が柔軟性はあるのです。

落とすなら、こちらが先だ――

ここで神っちによるスピーチタイム。

「仲さんだけどうこうしろと言っているわけでもない、これはアニメーター全体のこと、なっちゃんの代わりはいないッ!」

神っちはすごいんだな。ズバ抜けた才能があるとは、示されている。

それでマウンティングをするわけでもない。ある意味全員平等で、唯一無二だと悟りきっている。

堀内あたりをコンプレックスで削りに削って、かつ無関心というマイナス面もありますが。

「契約は価値を認めないということだ! それでいいんですか? 守るのは、男でも女でもない、アニメーターの仲間しかいない!」

神っちのスピーチに、仲が感極まった顔になっています。

無駄のない、いい言葉でしたね。井戸原すら、圧倒されている。

契約ではなくて、このまま続けさせるべきだ。

そう一丸となったのです。

さてどうするか?

ここで仲には考えがあります。

 

向かった先は、社長室――。

山川の前に、ドヤドヤとアニメーターが集合します。

山川はちょっと驚いていますが、井戸原はここでなつの妊娠を告げます。

祝意を述べてから、産休報告だと理解する山川。

ここで、神っちが訴えます。

契約に切り替えるな! と。

下山も、うちの時(茜のこと)のようにはしないと言い切るのです。彼も妻の不満を薄々と感じてはいたのでしょう。

「きみはなんなんだ! きみはどういうつもりなんだ? 組合員のデモじゃないか! 組合員なのか!」

「組合を超えた、ひとりひとりの支援です」

うろたえる山川に、同盟軍は返します。

いちアニメーターとして訴える。

なつのために、全員がそうする。

団結力を見せるのです。

一人では弱くても、集まれば強くなるんだ。

山川は弱気になっております。

契約は意地悪じゃないと、茜と同じ論法で丸めこみにかかるのです。

「自由になるから!」

これが、妊婦、親、介護者が振り回される理屈といえばそうですが。

それは長時間経営がデフォルトになっている事態が根底にあるのでは?

8時間労働とは、本来それが最低の時間という認識ではなく、【人間が労働できる上限】として訴えられた概念ですよ。

「契約の方が楽だから!」

「楽がしたいわけじゃない!」

なつがそう反論します。

これもあるあるなんだな。

【育児休暇=子供とダラダラしているだけでしょ?】

という誤解。

なつは続けます。

「金のためでもない。仕事でもっと、成長してゆきたい、いい作品を作りたい! どうしてそれが、子供ができるとできないんです!

いい作品を、会社から望まれなくなるのが、一番苦しいんです!」

これが泰樹以来の開拓者魂ってやつだべな。;

本来、育児と仕事は優劣をつけられるものではないのでは?

一番大事な開拓者魂が、そこにはあるのです。

 

山川は苦しそうです。

現実に望んだとしても、叶えられるのかどうか。

実は、次の作画監督にはなつを起用しようと考えていたのでした。

女性初です。

妊娠を聞いた時、がっかりしたのだと。

「やらせてください、ぜひ、やらせてください!」

「大丈夫、なっちゃん?」

「やります、やってみせます!」

「子供を産んでもできる?」

「はい、できます!」

ここで、山川も承諾します。

「よくわかった、そんな君の意思を尊重しよう! 社員として、頑張ってくれたまえ」

「よしっ、がんばれーーー!」

この場面について、批判があることは想像できますよ。

安請け合いだの。無責任だの。綺麗事だの。現実的じゃないだの。

いいじゃないですか、フィクションなんだから。ドラマは理想を反映させる場、問題を訴えかける場でもあって、カッチコチの歴史再現をするところではありません。

それに、なつがこの開拓者魂を貫けないのだとしたら、それは周囲の問題でもある。

社会の問題でもある。子供は社会が育てるんだ。

 

なつは、赤い受話器を握りしめて、イッキュウさんに報告します。

わかってもらえた。意思を尊重してもらえた。

私が頑張ったんじゃない。みんなが、みんなが背中を押してくれた。

なつはそう言い切ります。

「それでね……それは帰って、ゆっくり話す」

なつはそう言い切ります。なつは、やっとここで腹部にふれるのでした。

作中で、妊娠を安堵して腹を撫でる場面は初めて。笑って母になれるのは、周囲の支えあっての事なのです(・∀・)ウン!!

『なつよ、予測もできない未来が、君を待っている。

 恐れずに、来週に続けよ――。』

父ナレがそう言う中、来週に続きます。