【第98話あらすじ】「なつよ、テレビ漫画の幕開けだ(98)

なつ(広瀬すず)や茜(渡辺麻友)とともにテレビ班に行くように命じられた坂場(中川大志)は、仲(井浦新)や井戸原(小手伸也)達に、東洋動画のテレビアニメに対する姿勢を問うが、納得いく回答が得られない。なつに、もう漫画映画の世界には戻れないとこぼす坂場。その頃、劇団「赤い星座」の稽古場では、次回作の主役が発表され、雪次郎(山田裕貴)が抜てきされる。しかし、納得いかない若手劇団員達は雪次郎を呼び出し…。

Yahoo!テレビより引用)

昭和38年(1963)年――テレビアニメは、従来のやり方では作れない。

 【フルアニメーション】に対して、【リミテッドアニメーション】という技法を使うことになります。

坂場は、そこが気に入りませんでした。それを真似たら、日本のアニメーションはもう後戻りできなくなるのではないか。熱い口調で彼はそう訴えます。なつも不安な顔になるのでした。

 

冷静な坂場と違って、熱血知勇兼備枠かな?

なつと茜は坂場の悩みを煽るなとたしなめます。

理想の漫画映画を作るんだ!そういう熱い志が、そこにはあります。

はっきり言って暑苦しいですよね。 同じ職場にいたらうっとうしいかもしれない。でも、だからこそできるってこともあるわけですよね

情熱。創作。そんなものの持つ厄介さとエネルギーが、本作にはあふれています。

坂場は悩む坂場は神地とタイプが違います。

だからこそ、噴水で悩んでいます。

彼も、あの特徴であったベストは着ておらず、昭和のサラリーマンらしいワイシャツ、グレーのズボン、革ベルトスタイルなりました。咲太郎よりかっちりしていますよね。

本作の服装って、いいなぁ。きちんと時代を感じます。

そんな坂場の悩みは、露木に疎んじられているのではないかということ。

 

『ヘンゼルとグレーテル』も結局お蔵入り。

上層部に疎ましがられているのではないか。

そう悩んでいるのです。労働組合も結成しているので、それも原因ではないかと。

なつは、なんとか励まそうとします。

「仲さんは認めていますよ」

しかし、坂場は納得していないのです。 誰にも好かれるかわいらしいアニメを描く仲は、言動でも同じことができると思ってしまっている。

うはぁ、めんどくさいぞ!

坂場は、自分から美辞麗句やお世辞が言えません。逆にそう言うことがサラリと言えてしまう相手、誰にでも言う温厚なタイプには、身構えてしまうのでしょう。

だからめんどくさいんです。こういう奴は、徹底してそう。

けれども、その猜疑心と疑問があればこそ、新たな何かを発見できることもある。彼らの長所ですね。

仲には何の問題もありません。温厚篤実です。それに、なつを褒める時は具体性がありましたし、大げさでもなかった。

「絵は未熟。でもいい」

本当に、自分が作りたい長編アニメーションができるのか。

「まだわかりません……」

そう坂場がつぶやくと。

「まだわかりませんよ」

彼が悶々としているところに露木が通りかかり、そう繰り返すのでした。

 

露木はここで、彼なりの人事論を展開します。

坂場には、変化が必要です。 新環境が向いているのだと。そういうところでこそ、のびのびできる。テレビにいても頑張れる。そして関西弁で、同じ関西出身だと語りかけるのでした。

なつはびっくりしていますが……こっちもびっくりだよ😲

そうだったのか!中学までは神戸にいたそうです。

「腐ったら負ける。きみには資質がある。新しい環境でがんばれる!」

露木はそう励まし、立ち去ろうとします。

そこでなつに対してもこう言うのです。

「内助の功で坂場を支えてやってくれ」

「今、何て言いましたっ?」

動揺するなつ。そりゃそうなりますよね。ドッヒャ―――∑(´▽`ノ)―――!!

なんでも、滅茶苦茶噂になっているらしい。昨日の雪次郎と蘭子の件が効いてきましたタラー

昔は職場恋愛は自由とか、セクハラみたいなめんどくさいことがなかったという懐古があるものですが。そのせいで問題が発生していたことも、忘れないでおきましょう。(_D フムフム

「噂って何ですか!」

露木にそう突っかかるなつですが、ちょっと遅い。

 坂場はこう来ました。

「噂なんて気にしなくていいです……」

そうして【周囲が思うほど近づいていない】と、ナレーションで説明されます。

これも性格でしょう。 若い男女がいればそうなるという、安易な決めつけもあるものです

こういうのも個人の性格によるものではありませんか。

坂場の中川大志さんは、あれだけ端正でありながら、常に冷静さがある。

そういう演じ分けが感じられます。

そんな坂場に必要なのは、なつよりむしろ突破力抜群の熱血勇将・神地では?

そのころ、雪次郎にも大事件が起きていました。

赤い星座で公演する『かもめ』の主役・コンスタンティンに抜擢されたのです。

恋人役のニーナは亀山蘭子。

雪次郎の配役が発表された途端、一人の俳優が立ち上がりました。

「理由を説明してください。一人の俳優の私情で決まるなんて、ごめんだ」

要するに、プライベートで恋仲だからって、舞台にまでそれを持ち込むなという訴えですね。

「事実無根だ!」

そう反論しても、周囲の劇団員も立ち上がります。この配役ならばもう共演できないと言い出すのです。本当に謀反でした😱

「仕方ないわね。無理に参加してもらうことないわ」

蘭子がそう言い切ります。レミ子は座ったまま、様子を見るしかありません。

この顛末をレミ子が風車で語る中、咲太郎はどこか面白がっています。

「噂は本当だったんだな」

おいっ、お前が言うな感があるぞ!

こいつは今まで何人の心を奪ったままにしたのやら。悪い男ですよ。

ともかく、その言い草は雪次郎に失礼。

恋愛による依怙贔屓なんてない、となつは否定します。

しかし、事はそう単純でもありませんでした。

虻田たちも雪次郎の実力は認めていたのです。そして新たな劇団を共に作ろう!と呼びかけるのでした。

うぉっ、本当に謀反だ!

完全に謀反じゃないかー!

この流れで、この配役をする。そういう深慮遠謀にうなるばかりです。

しかし、雪次郎は謀反を断ります。

蘭子との共演が、彼の夢。

 『人形の家』を見たときから、ずっとそのことが夢なのです。

それが、今、劇団を辞めてしまったら、その夢は叶わない。

そう語る雪次郎に、虻田は別れの言葉を告げます。

「ここに留まるのならば、俺たちは先に行かせてもらう」

かくして謀反の背を見送ったのである――そう重々しく語りたくなるような「虻田の乱」でした。首謀者は紛れもなく奴よ。

風車で、その顛末を聞いた亜矢美は、しみじみとこう語ります。

「それは余計に苦しい……」

おでんの鍋を煮込む女将に、なにやら過去がある、と。

ムーランルージュ時代を知る松井と島貫が、やっかみがあったと言います。

やっかみからいじめられたこともある亜矢美。華やかだからこそ、そういうこともあった。

咲太郎も納得している顔です。そういうことがあったわけです。

「大昔の話よ」

亜矢美はそう語るわけですが、過去の重さを感じさせてきます。

「おとぎ話のようなもの、竜宮城に連れて行く乙姫みたいなもんさ」

そうからかうように語る周囲に、なつはむっとしています。

『なつよ、ムキになるのは、恋の噂に君もイライラしているからなのかーー』

そう父ナレが語る中、物語は明日へ続く。

今朝も坂場がめんどくさいです!

普通の人ならば、上層部に疎んじられていると悩んでいるのなら、ご機嫌伺いでもしそうなものでしょう。

飲み会につきあうとか。会議では逆らわないとか。

いわゆる忖度というやつです。

でも、坂場はできない。

そう考える前に、自分の意見をぶつけてしまう。

労働問題だって、見逃せません。休みを取り、切り替えつつ、生活バランスを守ってこそ。それが労働者の権利です。上層部に睨まれようと、そこは譲れません。

では、悩んでいるのに、どうしてあんな生意気な態度を取ってしまうのか。

ここが彼の難しいところです。

私が思うに彼は素直なんですね。誠実なんです。まっすぐなんです。

あの引っ掻き回す言動があり、計算高く傲慢と言われた夕見子のことを、なつはこう言いました。

「嘘のない子。こんなに素直な子はいない」

坂場も同じ【表裏比興】だから嘘をつかない。

美辞麗句で褒めることは時間の無駄。よいものはよい。褒め言葉もいつもシンプルなものであります。

でも、世の中ってそういう奴を理解しないんですね😨

上の立場にいる側に、ニコニコ愛想笑いすることが【素直】になる。

いわば『裸の王様』なんです。王様に裸と言う人は、なかなか受け入れてもらえない。

こういう大胆なのに内向的で悩むタイプには、一点突破お調子者の神地がちょうどいいのかも。

あのコンビの相性までわかるような、そんな本作・・・・だと思う。なんちて(∀`*ゞ)テヘッ