【第89話あらすじ】「なつよ、ワクワクが止まらない(89)

東洋動画では、なつ(広瀬すず)のアイデアにより脚本が固まり、ようやく短編映画の制作が動き出す。坂場(中川大志)は新人の神地(染谷将太)とともに絵コンテの作業に進もうとするが、なんでも勝手に決めてしまう坂場のやり方に、麻子(貫地谷しほり)は違和感を覚える。その頃、咲太郎(岡田将生)は、蘭子(鈴木杏樹)、雪次郎(山田裕貴)たち所属俳優をスタジオに集め、ある海外映画の吹き替えに臨もうとしていて…。

Yahoo!テレビより引用)

昭和34年(1959)年――ストーリーが結末まで決まった短編映画『ヘンゼルとグレーテル』

いよいよ本格始動です!

 

 「えっ! 新人が絵コンテ……」

これにショックを隠そうとしないのがマコ。絵コンテを、自分を差し置いて新人が取り組むことに、衝撃を隠せない様子です。

確かに神地が抜群のセンスを発揮していたことは、その通りなのです。

その上で、マコとなつが動画を描くのだということで、適材適所だとは思います。

しかし、坂場には人心掌握ができておりません。事前に上手く手を回すような、空気を読んだ人事は無理なのです。その点は咲太郎とある意味正反対なのかも・・・

何度でも指摘します。こういうリーダーだと、チームはいろいろ大変です!

厄介なのは、坂場の指摘が正しいということです。

これで妙に空気を読んで、気遣うようになったら、それはそれで作品にとってはよいことではありません。

『半分、青い。』の秋風がそうでした。容赦ないダメ出しをしなくなったときこそ、鈴愛はもうダメだと絶望したものです。゚('ω'o)゚。うるうる。

 

一方、咲太郎の【声の会社】も始動させています。

どういう営業をしたのかって?

そりゃ~咲太郎の弁舌、愛嬌、華やかさ、人脈、そして魔性をフルスロットルにしたのでしょう。これがプラスに出ると、彼は強いのです(・∀・)ウン!!

そして早速アテレコの場面へ。

 西部劇の一話、脇役をゲットしたそうです。プロダクション単位なので、持ち駒全員が役を当てられています。

とはいえ、何から何まで一からですから。声優候補者の中には脚本を読んでいない者もいるようでして。

「芝居は間から生み出すものだ」

って憤る、何もわかっていないおっさんも混ざっています。

録音作業がなかなか大変なのです。

シーンをまとめて一気にとる。失敗したら最初からやり直し

レコードによるBGM、効果音(SE)も同時に入れなくてはならない

間違えちゃった、てへぺろでは済まされないんですね。( -ω-)ノ☆(*_ _)バシィッ

録音の裏側として、効果音の作り方も見せてくれました。

 馬の蹄の音、波の音、鳥の声。手作り感に溢れている。

雪次郎は、そんな中でプレッシャーを感じています。

それはそうでしょう。どんな時でも重圧を感じなさそうな坂場タイプは例外です。

声優は大変です。イヤホンで聞きながら、口の動きを合わせねばなりません。しかも画面は英語で、話す方は日本語ですから、ぴったりとはあわないでしょう。

それでも、明らかにおかしいとやり直しになるのです😱

 吹き替えは大変だ!

最大の問題は、チンピラその2役の雪次郎でした。

「あんた」のアクセントが訛っていておかしい。

「そんな訛りのある大富豪のお付きがいるか!」

と指摘されておりましたが、もしかしたら視聴者の中にも「そんなに訛ってなくない?」と戸惑われた方がいたかもしれません。

これが北海道弁の難しさかもしれませんね・・・全く別の言葉やイントネーションが使われているというより、ちょっとした抑揚の差や助詞の使い方が違ったりしていて、標準語との違いが本人でもなかなか気づけないのです。

そして7回目の録り直しのさい、ついに大先生は禁じ手を使います。

 雪次郎の口を抑え、一人二役をこなしてしまうのです。

山寺宏一さんの超絶技巧ありきの、すさまじい展開でした。やっぱりすごいぞ山ちゃん!ヤタ───ヽ(〃∀〃)ノ───♪

しかし、これでは雪次郎の心がガーン

そのころなつは茜と共に、マコを喫茶店に呼び出しておりました。

マコは、今回のアニメにその会社から使えということか?と、単刀直入に言います。

 無駄は嫌いなんですね。

「使えってことではなく、兄に相談できるってことです」

なつはそう言ってから、それだけではないと言います。

そして茜に目配せをするのでした。「マコさんは、乗り気じゃないんですか? 面白くないと思っているんですか?」

無表情のまま、マコは答えます。

「面白くないと言ったらどうする? やめるの?」

思いつめた表情のなつは、こう返します。

「マコさんが納得しないとダメです。みんな納得しないと! 日本初の女性アニメーターは、マコさんだから。納得いくものにしないと! それを作りたい!」

マコは苦笑します。

「あなたってずるいわ。何でも一途に、情熱を貫こうとする。周りが何も言えなくなる」

茜も小さく頷きます。

「それはわかる……」

なつが困惑していると、しかし、マコはそれこそが大事だと続けます。茜もそうだと頷く。

作品のことだけ考えること。周りを考えられないみたい。

なつには結局、それしかできないのだと。

「若さってそういうもの……私もそうしたいけど」

マコがしみじみとそう言います。茜はフォローします。

「マコさんも若いですよ!」

「若くないとは言っていない」

フォロー失敗というか、概念やニュアンスの違いでしょうか。 実年齢や肉体年齢ではなくて、精神年齢なのでしょう。ある意味なつは、精神が年老いのかもしれない😅

家族の絵を動かしていたころのまま、生きてゆくのかもしれない

「やるしかない、がんばろう!」

マコはそう言い切ります。

ジュースの氷はすっかり溶けてしまいそうです。これを飲んだら帰ろうと茜に言われて、なつはジュースを一気に飲み始めます。

「そんなに慌てなくても大丈夫」

茜がそう言うと、なつは無邪気にこう言うのです。

「喉乾いてて……緊張したもんね」

あまりに天衣無縫であるなつですが、彼女なりに緊張していたとが、ここでわかるのです😉

何かなつとマコの関係がマンマ鈴愛とユーコの菅家に思えて複雑です・・ここまで過去の作品によせなくてもいいのでは?作品のオリジナルテ消えていくだけだと思いますもやもや

 

それはさて置き今日はもう、声優が二人も出ていて豪華極まりない、そんな吹き替え場面でした!声優さんだけでもお腹いっぱいではありますが、同じく興味深いものもありましたね。

目が暗く、追い詰められていたようなマコ。

その彼女をなつがある意味、ずるい手で救ったといえます。

天衣無縫な才能の持ち主を、そうはできない周囲が、ふと「ずるい」という感情が湧いてきてしまう……。そんな関係が、よく描かれていると思います。

すごいけれども、認める前に心がざわつく。

ひっかきまわされる。

そういうところがあるのです。

だからこそ厄介。そういうモヤモヤした感情って、どす黒いものでもあります。

天衣無縫、天真爛漫、無邪気でずるい。

そういう稀有な才能の持ち主を見ると、なんだか無性に叩きたくなる。物語を作り出した脚本家先生まで対象にして。認めたくありませんし、無意識下でもあるでしょう。

そこを分析することは、不愉快極まりないこととは思います。

しかし、挑戦してみて損はありません。その苦しみに向き合えば、そこから抜け出すこともまた可能になるからです。難あり人物盛りだくさん、だがそれがいいのでは・・・なんちて音符(´∀`*)ウフフ