【第69話あらすじ】「なつよ、千遥のためにつくれ(69)」 アニメーション映画のキャラクター検討会が行われ、常盤御前のキャラクターを巡りなつ(広瀬すず)と麻子(貫地谷しほり)の意見がぶつかる。そこで仲(井浦新)と井戸原(小手伸也)は、ある提案を行う。午後になり、仲から呼び出されたなつと麻子は、1枚のキャラクターの絵を見せられる。その絵を見たなつは、自らの足りない部分を感じ、麻子に謝る。一方麻子は、謝るよりも仕事で責任を取るしかないとなつに伝え…。 (Yahoo!テレビより引用) |
昭和32年(1957)年8」月16日。
二十歳誕生日の翌日は、東洋動画新作『わんぱく牛若丸』のキャラクター検討会です。
千遥行方不明のショックを受けたなつは、寝坊して遅刻してしまいます。
それを謝ると、井戸原は笑ってこう言うのです。
「そのために遅刻して来たんだろう?」
これぞ、クリエイターの理解ある職場だと思います∑d(゚∀゚d)イカス!!
夢中になって作業をすると、基本的な生活に必要な要素すら吹っ飛ばしてしまう。
食事とか、睡眠とか。そして、それをアピールするわけでもなく、周囲から指摘されてハッとなるわけです。
【不眠で食事抜いてるぜ!】アピールをしていた前作「まんぷく」は、変人を気取りたいだけですね。
なつはかくして、千遥への不安を抱えたまま、アニメーターとしての第一歩を踏み出したのでした。
今日のMVPは、下山でしょう😁。
下山の話は次のような内容でした。
あのころの警察は、混乱していた。そこにいるのは、やっぱり人間だからね。 派出所の新米巡査だったころ。逃げ込んできた娘がいた。その娘は働いている飲食店が、怖くて逃げ込んできた。当時は貧しさから娘の身売りなんてあったからさ。 警察としても、違法とは言えなかったんだ。正式な斡旋業者がいたからそう判断した。 けれど、ある先輩は違った。諦めずに、新しく成立した憲法を調べたんだ。 第十八条 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。 それを盾に、娘を自由にした。上司も、飲食店主も怒ったよ。先輩も、辞職覚悟の上だったんだ。 今、その娘は、先輩の知り合いの旅館で、元気に働いているよ。奇跡なんて、普通の人間の勇気によるものじゃないかな。奇跡を持っている人は、どこにでもいるんだ。
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そう語る下山に、なつは問いかけました。
その先輩とは、下山本人のことではないのか? と。
彼は照れ臭そうに、勤務日誌に似顔絵ばっかり描いているから、辞めたと言います。
彼の話で気になるところ。下山は先輩その人ではないか? ということです。
なつが自分のことではなく、常連客の話としたことで、下山もそうぼかしている可能性を示しています。格的にも、ありえることです。
マイペースで、クリエイター向きの下山。あの作画課で毎日楽しそうな彼が、警察官に適性があるとは思えません。
「勤務日誌に落書きばかり」と本人が認めているところでもありまして。
その反面、憲法をコツコツと調べて、奇跡を起こす柔軟性があるとは感じます。
なつの亡父もそうでした。上官の落書きをこっそり描いて、剛男たちを笑わせていたという父が、軍隊に向いていたとは思えません。
軍隊にせよ、警察にせよ。そういうカチコチの組織で、浮いてしまう人っているものです。
下山が先輩であるかどうか。
そこはさておきまして、彼は自分に似合う場所を求めた。自分のために奇跡を探した。
そういう強い、普通の人だと思います。仲のような才能の塊、マコのようなエキセントリックなタイプでもない。そういう下山が、いいじゃないですか! 凡人だって、自分の居場所を探してよいのです。
そして
第十八条
何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。
これを、持ち出してきたことは大きいと思います。
奴隷になるくらいなら、転職じゃあー!
そういう勇気を、本作は示しているんじゃないかなと思う。
下山役の川島明さん、そんな下山を演じる表情もセリフの読み方も、良かったです!
お見事でしたヤタ───ヽ(〃∀〃)ノ───♪