【半分、青い。】-岐阜・故郷編①-


イメージ 1涼次と離婚した鈴愛が岐阜に花野と一緒に帰郷する場面から「岐阜・故郷編」がスタートする。そして、鈴愛がつくし食堂で夏虫の駅のプロポーズ以来に律と再会するところから2人の第2章が始まりを告げる。
百円ショップ編の終盤が重々しい展開だったためか不思議と気楽に見ていられた。うつろな表情を浮かべていた鈴愛も次第に元気を取り戻していくのも救いである。岐阜での新たな展開には梟町の面々や梟会のメンバーが再登場し物語に加わってことで昔のような懐かし雰囲気となり安心感を覚える。

イメージ 3このシリーズで触れたいのが、鈴愛と律の子供、花野と翼の存在。花野はハキハキしたポジティブな性格で母親似。ブッチャーがおどけたのも、幼少期の鈴愛と重ね合わせての行動なのかもしれない。そして律の息子である翼は気品溢れる生真面目さはこれまた律の幼少期にそっくりです。この幼き二人がこれからどのように物語に関わるのか見所です。

あと律の妻の存在も重要な役割を果たしている。より子は律が鈴愛にプロポーズを断れフランソワーズも死んでしまい辛い時に傍にいた女性。悪く言えば傷心の律に付け込んだともいえる。秋風編で秋風のもとにまで律の結婚報告のハガキが届いた時、秋風、ユーコ、ボクテは「いつのまにか婚」仕掛けた女とか東京ラブストーリー引っかけて「パン女」とかトレンディドラマの悪女枠のようにより子を想像してました。
イメージ 2教育熱心である意味真面目で自分に実直な普通の専業主婦生活を送っている女性だが、律に対してどこかきつく冷たい印象がするのは、律の家族に溶け込めない寂しさや劣等感を、彼女はいつも感じていて、そんな彼女が殺伐とした声で上昇志向のない律を責めるようなことを言ったり、律の実家に抱く「息苦しさ」もわりとはっきりと口にするのも彼女自身が萩尾家族の絆に入り込めない「どかしさ」を感じてしまう辛さなのからかもしれない。より子の存在が30代を迎えたお互い親となった鈴愛と律にどんな化学反応をもたらすのかこれからの展開に重要な部分である。