シーサーを知っているだろうか?
神社に有る狛犬のような姿をしているもので、沖縄でよく見られるようだ。
「あぁ、あれか」と思い浮かんだら、そのシーサーに色をつけてほしい。
なるべく極彩色で、派手な色遣いの南国風に塗ってみよう。
はい、ではそのシーサーを何匹も集めて、ダンスパーティーをしましょう。
音は無。
目の前に、何匹もの色とりどりのシーサーが集まって、踊っているのだ。
その踊っているシーサーたちの周りには、F-1のレース中継でよく見るピットクルーたちを置いてみよう。
スポンサーのロゴなんかがたくさん書かれた上着を着て、手には数字や記号が書かれたサインボードを持って、大声を張り上げてドライバーに指示を出している。
何人も何人も口々に、手を振ったりボードを高く掲げてとび跳ねたり。
でも、よく見るとアニメというか劇画というか、実写ではない雰囲気。
やはり色合いは派手で音は無。
病室で目をつぶると、こんなものが見えてきた。
頭の中がゴチャゴチャしてきて、眠るどころではない。
眼を開けると何もない壁が広がっている。
また目をつぶる。
シーサーが踊り、ピットクルーが必死に指示を出す。
時には、絵で見たことのある南蛮人が、傘を持って踊りながら歩いていく。
脳が壊れたからこんなものが見えるんだろうか?
このまま一生、このシーサーたちと毎晩付き合っていくんだろうか?
その内慣れるのか?
事故か何かで、何年間も眠れなくなった人の話を聞いたことが有るけれど、だからって死んでしまうって訳じゃないらしいし。
他の病室で叫んでいる人の声も聞こえてくる。
眠ることができない。
目をつぶる。
ピットクルーのサインボードが、なぜか御徒町の安売り店の特売品になっている。
南蛮人が歩きまわり、カピテンも、自分で傘を持ってクルクル回しながら踊っている。
眼を開く。
明りを落とした部屋が広がり、隣には容態を観察しているであろうモニターが繋がれているだけ。
シーサーもピットクルーも、踊るカピテンもいない。
呼吸が浅くなると、モニターがピーと鳴る。深呼吸を何度かして音を止める。
眠れずに動いているので、センサーが外れかけているかもしれないと思う。
まだ、大声でおこっている人がいる。
目をつぶる。
やはりシーサーが・・・・・
数日間はこのシーサーたちに悩まされたけれど、その内に色も形も薄らいでいって、ついには何も見えなくなってしまった。
(追記:この数日間は、夜寝るのが怖かった!!
絶対に気が狂ったんだと思いましたよ
きっと、脳が変な風に興奮してたんでしょうね)

