先日
岡山で用事があったので
ちょっと時間調整をして
岡山の映画館、シネマ・クレールにて、
『ヒンド・ラジャブの声』を鑑賞しました。
シネマ・クレールを利用するのは今回が初めて。
上映前、スクリーンを覆っていた幕がゆっくり開いて映画が始まるパターン!
今ではなかなか見なくなった光景ですが、
これから一本の映画を観るんだという特別感があって、
映画へのリスペクトを感じる素敵な映画館でした。
そして『ヒンド・ラジャブの声』。
予想というか、期待していた以上に凄まじい映画だった。
監督はチュニジア人の女性でカウテール・ペン・ハニア
たまたま移動中のロサンゼルス空港でヒンドちゃんの声をネットで聞いて、そのままパレスチナの人道支援センターに連絡をとり取材し10年かけて製作中の映画を中断し急遽、制作したというイレギュラーな作品だったよう。
ヒンド・ラジャブの声 予告編
そして
この作品で使われているのは、
2024年1月29日、ガザで避難勧告が出たため親戚7人と避難中、イスラエルの銃撃を受けヒンドちゃん以外は全員死亡、車内に取り残された6歳の少女、ヒンド・ラジャブちゃんの実際の電話音声。
電話の向こうから聞こえてくる生々しい銃撃、爆撃、戦車の音。
映像で戦闘シーンを見せる戦争映画とはまったく違うリアルな怖さがあります。
「これは映画の中で作られた音ではない」
そう思うだけで、息が詰まるようでした。
そして、ヒンドちゃん(最初に電話をしたのは瀕死の状態で息があった15歳の親戚のお姉ちゃん、その後ヒンドちゃんが引き継いだ形)からの電話を受ける人道支援センターのスタッフたち。
演じる俳優たちは、撮影本番で初めてヒンドちゃんの実際の音声を聞かされ演技をしたそう、セリフも音声記録のまま一語一句、その時のヒンドちゃんとの会話そのまま、だからだろうけどその緊迫感が凄まじい。
今すぐ助けに行きたい。
でも救助チームの安全を確保するためには、イスラエル軍との調整や手続きが必要になる。
ヒンドちゃんがいる場所まで、わずか約2.5km。
車なら8分ほどの距離。
それなのに、助けに行くことができない。
電話を受けるスタッフたちの焦り、怒り、苦しさ、無力感。
観ている僕も、
「早く行ってあげてくれ」
と思いながら、同じような無力感に襲われました。
そして迎える、あまりにもつらい最悪の結末。
さらに重く感じるのは、これが遠い昔の戦争を描いた作品ではないということ。
今、この瞬間にも続いている出来事の延長線上にある映画です。
日本から約9,000km離れた場所で起きていることに、
僕自身、すぐに何かができるわけではないし
映画を一本観たからといって、明日から何かが変わるわけでもない。
それでも、
「知る」ということには意味がある

多くの人がヒンド・ラジャブという6歳の少女を知り、
彼女の声を聞き、
そこで何が起きたのかを知る。
そんな人が少しでも増えていけば、
いつか何かが変わるきっかけになるのかもしれない。
ブラッド・ピットをはじめ、多くの著名な映画人も製作に名を連ねたこの作品も
アメリカではトランプ政権への政治的配慮から配給会社が決まらず公開が遅れたらしい…
エンターテインメントとして「面白かった」と簡単には言えない映画
ただ、
「凄い映画を観た」
観終わった今、一番しっくりくる感想はそれでした。
そして、一人でも多くの人に
6歳のヒンド・ラジャブちゃんの声を聞いてほしい。
そう思える映画だった。
最後にヒンドちゃんの救助に向かった現場救急隊員たち。
いつ攻撃されるか分からない状況で人の命を救うため現場に向かう
正直この人たちが1番凄いと思った!
ほんとのヒーローでリスペクトを感じた!
おしまい