南極氷床への地球温暖化の影響に関しては、融解量を降水量が上回り、氷床が減少しない可能性も指摘されていた。また寒冷化説などを論拠に地球温暖化による海面上昇を否定する主張も見られた。

しかし、南極やグリーンランドの氷床の融解速度については不明な点が多いとして、IPCC第4次評価報告書(AR4)では今世紀中の海面上昇量に関し、氷床等の流下速度の変化の影響を含めなかった。

AR4以後、南極の氷床が予想よりも急速に融解していることが複数の報告によって指摘され、2006年までの10年間で西南極氷床の広い範囲で融解速度が59%速まっていることや、海へ氷が流れ落ちる速度が2003年までの10年で12%加速していたことなどが判明している。また予測を上回る大規模な融雪現象も観測されている。このためIPCCの報告書に記載されているよりも海面上昇量が顕著に増加することが懸念されている。 特に西南極氷床(WAIS)は海水が下に入りこみやすいため、従来の予測よりも短期間で融解して最大6mの海面上昇を招く可能性が指摘されている。さらに2009年には、安定していると見られていた東南極氷床(EAIS)でも氷量の減少が確認され、懸念が一層高まっている。