子供の頃、ワクワクしながら夢中になって見た特撮TVシリーズに「サンダーバード」があります。


この「サンダーバード」を作ったプロダクションは、他に「スティングレイ」や「キャプテン・スカーレット」なんかも作っておりました。


ご存知のようにいずれもスーパー・マリオネーションと呼ばれる精巧な人形劇なわけですが、人間同様の八頭身の「キャプテン・スカーレット」よりも、四頭身か五頭身の「サンダーバード」のほうが愛嬌があって好きでしたね。



さてこの一連のシリーズに「ジョー90」というのがあります。

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主人公は天才科学者の9歳の息子で、父親の開発したマシンを使うことで特殊な能力を一時的に身に付けることができます。


「マトリックス」でヘリコプターの操縦技術をダウンロードするシーンがありましたが、あれと同じようなもんですね。


この「ジョー90」はほとんどまともに見たことがなかったのですが、CS放送でやっていたので見てみました。


第1話は、科学者の発明を知ったイギリス政府関係者の依頼で、ある「平和に関する任務」を実行するというもの。


この任務というのが凄い。


敵国(ロシアとはっきり出している)の新型戦闘機を奪ってくるというのです。


イーストウッド主演の「ファイヤー・フォックス」みたい。


で、見ていた私は「えーマジー?」と驚いてしまったのです。


私が驚いたのは、イギリスの国家保安局か何かわかんないんだけど、その政府関係者が力説する「世界平和のため」という理屈。



”敵国”の新型戦闘機は極めて高性能で、西側に立ち向かうことのできる戦闘機は存在しない。


それゆえ”敵国”の戦闘機はいつでも我々に攻撃を仕掛けることができる。


であるからその戦闘機を奪い、秘密を世界中にバラしてしまえば力のバランスが保たれる。


世界平和のためにぜひ頼む。



ブッシュかお前は。ドクロ


結果、作戦通りに新型機の奪取に9歳の主人公が成功するわけですが、逃亡すれば当然追っ手が来るわけで、


その追っ手の同型戦闘機数機と地上のミサイル基地を、9歳の少年はことごとく撃破したのでありました。


かなり殺したはずです、どう考えても。



1968年という時代背景から、冷戦構造が作風にかなり影響したことは間違いないです。


しかし、9歳の少年を改造して殺戮マシーンにすら変えてしまうというドラマを、果たして子供たちに見せて良かったんだろうか?