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ここまでカテドラル型とバザール型の組織の要件を一緒に確認してきました。
カテドラル型:トップダウン プロセス重視 参入障壁が高い
バザール型:ボトムアップ 結果重視 参入障壁が低い
でしたね。
で、ここからなんですが、それぞれの組織でフィッタブルな行動、こんな時にはどういう風に行動すればいいか、どう泳いでいくかについて、ケーススタディーで見て行きましょう。

組織の中で生きていく、組織の中で働いて行くとなると、直面するのはコミュニケーションです。対人関係です。仕事ですから、本来であればタスクなり成果なりを志向して、それをいかに達成するかが本来の目的のはずです。いかに与えられたタスク・成果を自分がいかに行動して達成するか、が本来の目的のはずです。しかし、実際にはそのタスク、成果と自分の行動の間には人間が挟まっています。組織が挟まっています。
私の仕事柄、多くの方々のカウンセリングするんですが、だいたいカウンセリングの入口は仕事本来の「いかに成果を上げるか?」なんですね。立ち位置の高いマネージャークラスから「個人のパフォーマンスを上げてくれ」「成果が出るようなカウンセリングをして欲しい」と依頼がきます。そんな依頼を受けて現場に行くんですが、「いかに成果を上げるか?」で悩んでいる方はいるにはいるんですが、カウンセリングしているとだいたい、仕事のやり方について、成果の出し方については自分の中に解決策を持っている方がほとんどです。「こうすればいいとはわかっている」「いまはちょっとうまく行ってないけど、ちゃんとやり続ければどうにかなると思う」そこはまさにエグザクトリーで、おっしゃる通りなんです。でもパフォーマンスが上がっていない。わかっているのにうまくいってないんです。
で、よくよく聴いてみると、組織の中でのコミュニケーション、対人関係がうまくいってないんですね。自分がやってることをうまく伝えられていない。自分がやろうと思っていることをうまく伝えられていない。そして、逆に、組織として求めているものがうまく伝わっていない。そこでギャップが生まれて、組織と自分の齟齬にお互い悶々としている、というケースが非常に多いと感じます。
本来であれば、対人関係ですので、自己を理解して、その自己理解をベンチマークとして他者理解をしてコミュニケーションの糸口を探り、その理解を通じてコミュニケーションをとるのが、本来のコミュニケーション理論・対人関係理論の基礎ですが、ここではあえて、その基本をすっ飛ばします。すっ飛ばして、組織の中で悩んでる方行動と、外部環境、まさに組織とのギャップについて、ケーススタディーで一緒に見て行きたいと思います。
だいたい、そのギャップの多くがカテドラル型の組織、バザール型の組織に属しているのに、その組織の中でフィッタブルな行動をとっていないから生じているケースがほとんどです。

次回から、そのケーススタディーを一緒に見ていきましょう。
あなたはちゃんと組織の要求にこたえていますか?

昨日に続いて③その組織への参入障壁が低い、ですが、今日はバザール型の組織の出口について記していきます。


バザール型の組織は結構簡単に人が辞めていきます。とてもあっさりと辞めていきます。バザール型の組織の場合、「退職」という言葉に悲壮感があまりありません。けっこう軽いです。辞めるほうも軽ければ、辞められるほうも軽いです。


むかし地方の絵にかいたようなゴリゴリのカテドラル型の組織からバザール型の組織に転職してきた方がおっしゃっていましたが、「上司に辞めるっていったら「一族郎党を路頭に迷わせてやる!」って脅されましたよ…。辞めて東京に出てきたんですが、元同僚を通じて「もう二度とこの地を踏ませねぇからな!」って伝言が来ましたよ!」ですって。重すぎですね。


辞める側も重くて、「転職する」って奥さんに伝えたら、この世の終わりみたいに「子供たちのことを考えて!」と泣かれたそうです。重いですね。


それに比べると、バザール型の組織での「辞める」は軽い軽い。「辞めます」って言っても一通りの引き留めはあるんでしょうが、「そうか、しょうがないな」で受理されるのがほとんどでしょう。これはバザール型の組織が辞めることを前提にしている組織だからだと思います。ひとつの例ですが、バザール型の組織の典型、外資系企業では「Up or Out」という文化があります。和訳は「出世もしくは退職」。出世しなければ退職となります。ただリストラとはちょっと趣が違います。出世レースに負けたら辞めて次の会社に行く、のイメージです。


辞める側もあまり会社に固執をしていません。バザール型の組織で働いている方々は、会社への帰属意識が薄い、という傾向があります。ではどこに帰属意識があるか?と言うと仕事や業界に帰属していると考えている方が多いと感じます。この人たちに「何やってらっしゃるんですか?」と聞くと「○○の仕事をしています」とか「○○業界で生きています」と言われる方が多い。ちなみにカテドラル型の方に聞くと「○○社です!」と社名を名乗る方が多いですね。なのでバザール型の方々は、今の会社で出世の道が断たれたり、より良い条件を他者から提示されると、あっさり会社を換えます。バザールですから、同業のバザール型の組織も中途採用をしていますので、移れるんですね。


この「会社を換える」はバザール型の組織が成り立つ重要な条件のひとつです。以前の日本には、この「会社を換える」仕組みがほとんどなかったので、カテドラル型の組織であることを前提とした社会構成となっていたと思います。1980年代からの各業界での外資系企業の台頭やIT業界の構造変化、雇用形態の変化がバザール型の組織が許容される社会を生んだと個人的には思っています。


この「会社を換える」仕組みですが、このバザール型の組織・業界を上手く乗り切っていくのに必須となるのが「業界内での評判」です。バザール型の組織で働いている方々は、社内での評価よりも業界内での評判に敏感です。社内での評価が多少落ちても、業界内での評判を優先させる傾向にあります。なのでバザール型の組織の方々は社外の人たちとの人間関係を大切にします。同業他社の人たちと「情報交換」と称してよく飲みに行きますし、取引先の担当者やお偉いさんと個人的に飲みに行きます。そして面白いのが、その場で他人のことをよく褒めます。「○○社の○○さんってご存知です?あの人は優秀ですよねー」とか「××社の××さんとはむかし一緒に働いていましたが、キレ者ですよねー」と。これはまた後ほど触れたいのですが、コミュニティー内での自分の評価を上げるための戦略的行動です。業界内での自分の評判を上げるために積極的に社外の方との交流を持つ傾向があります。社内の人間関係より、社外の人間関係を重視するんですね。


バザール型の組織の要件として③その組織への参入障壁が低い、を見てきました。組織の入り口としては、中途採用などその組織に入るハードルが低い特徴があり、出口としては、結構簡単に人が辞めていく特徴がありました。カテドラル型の組織とはここのところでも逆の様相ですね。ここまででだいたいバザール型の組織のイメージがついたと思います。あなたの属している組織はカテドラル型でしょうか?バザール型でしょうか?


それぞれの組織が理解できたところで、それぞれの組織で求められる行動、フィッタブルな行動についてケーススタディ的に見ていきたいと思います。

むかし一緒に働いていた後輩がこのブログを見つけてくれたみたいで、連絡をくれました。一緒に働いていたころは、その組織が絵にかいたようなバザール型の組織で、毎日どうやったら新しいことができるか切磋琢磨していました。彼は同業他社に転職していきましたが、なかなか新しい組織のやり方になじめずに試行錯誤していたそうなのです。このブログを読んで「この組織はカテドラル型だ!バザールのフリをしてるカテドラル型組織だ!」とすっきりいろいろモヤモヤしていたことが整理できたそうです。そうです、カテドラルとバザールではやり方が違うんです。カテドラル・バザールの要件を書き終わったら、それぞれの組織でフィッタブルな行動について記していきたいと思います。


バザール型の組織要件3つ目は③その組織への参入障壁が低い、です。バザール型の組織はその組織に入るのも割に簡単ですが、結構みんなあっさり辞めていきます。この入り口出口について見ていきましょう。


バザール型の組織の場合、その構成員のうち、プロパーと中途入社の社員の割合は、中途社員の割合が非常に多いです。そして社内でプロパーか?中途入社か?があまり意識されません。中途入社であることが不利でも有利でもありません。プロパーであることの優位性もほとんどないんですが、即戦力が求められるバザール型の組織に新卒で採用されるってことは優秀な奴なんだろうなぁと思われるぐらいの優位性はあります。


もともとバザール型の組織は定量目標・結果数値を重視する組織なので、その組織の構成員にも定性目標・結果数値を期待します。この数値を期待すると、すでにどうすれば結果が出るかをわかっている人間を採用したほうが効率がいいということになります。そうなると新卒でプロパー採用よりは、中途で経験者を採用という選択になります。


さらにすでにその組織にいる人たちが中途採用が多いですから、中途採用に対するマイナスの評価がないんですね。よく「Like a Rolling stone」の意味が2つあるといいます。イギリスでは「コロコロ仕事を変えるようなヤツは信用できない」、アメリカでは「同じ場所にずーっと停留するとロクなことがない」ですね。バザール型は後者になりますので、転職に対するマイナス評価があまり付かないことになります。

新卒プロパー以外の入り口以外に参入するチャンスが極端に少ないカテドラル型に比べると、バザール型は非常に参入障壁が低いといえます。


ちょっとカテドラル型に戻りますが、カテドラル型の組織はその構成員の学歴がバザール型の組織に比べると非常に高いです。これはカテドラル型の組織の入り口は新卒プロパーが基本になりますので、ほとんどの構成員が新卒採用のセレクションを受けているんですね。その新卒採用の時に大量の応募者から、まず大学のランクでスクリーニングを受けています。なので、まずある程度の大学を出ていないと入り口にすら立つことができない、ということになります。カテドラル型の組織に入るには高学歴が必要となります。


それに対してバザール型の組織の場合、たしかに新卒プロパーとして入るには、カテゴラル型の組織と同じようなセレクションになります。さらにカテドラル型よりも採用人数は少なく、入り口はせまいですから、バザール型に新卒プロパーで入るにはカテドラル型よりもさらに高い学歴が必要になります。ただバザール型は中途で入ることができます。その中途で入る場合のセレクションは定量目標・結果数値を達成できる能力があるかどうか?ですので、そのスクリーニングに学歴はあまり関係がありません。中途採用の多いバザール型の組織は相対的にカテドラル型の組織に比べてあまり学歴が高くない、ということになります。


あと経験則的に、カテドラル型の組織の方とお話をしていると大学名を聞かれることが結構頻繁にあります。40歳50歳になっても出身大学の話題になることが非常に多いです。ちょっと驚くのが出身高校も話題になることが多いです。それに対してバザール型の場合にはほとんど出身大学の話は出てきません。ネタになるような話の場合のみ出てくる感じですね。「あいつとおればサークルの先輩後輩だった」とか。

よく「もう学歴は関係ない」などといろいろな記事や文章で見ますが、それはバザール型の組織に中途入社する場合の話であって、それ以外では学歴が社会での大きなファクターであることは変わらないような気がします。


③その組織への参入障壁が低い、については入り口と合わせて、出口の話も重要になってきますが、入り口の話がちょっと長くなってしまったので、出口の話はまた明日へ。

続いてバザール型の組織の要件2つ目、②結果重視のマネジメントが行われている、です。前回の①末端の意思決定の自由度が高い、と密接にリンクしています。

バザール型の組織の場合、日々の業務はそれぞれの社員が裁量で決めることができます。しかし組織としての業務があるわけで、みんな好き勝手にやっているだけでは組織として成り立っていきません。その組織の業務を管理するにあたって業務命令・指示が下りてくるわけですが、その命令・指示が何で下りてくるかと言うと、簡単に言うと数字で下りてきます。「これこれの業務をいついつまでにいくら達成せよ」と下りてきます。数字の目標つまり定量目標ですね。そして業務のプロセスの指示ではなく、業務の結果・成果の指示が下りてきます。

業務の命令は定量目標として下りてきますので、業務が上手くいっているかどうかの判断はこの定量目標、結果目標で下されます。結果として目標をどれだけ達成したのかが重視されるのですが、ここでポイントになるのが2点。A.結果がすべてでプロセスはほぼ無視される、B.目標を100%達成することが大切である、の2点です。

1点目のA.結果がすべてでプロセスがほぼ無視される、ですが、バザール型の組織の場合、要件①であったように、各社員が自分の行動を自分で決めることができます。つまり結果に至るまでのプロセスは各人の裁量に任されています。これは裏を返すと、組織としては各人の行動については管理をしていない、ということになります。さすがに最近はコンプライアンスの観点から法令順守的なプロセス管理はしています。しかしそこは業務をする上での最低条件なので、業務の評価とは別のベース管理です。各人の行動の管理をしていないということは、そのプロセス部分は評価対象にしていないということになります。どこで評価をしているかと言うと結果がすべてです。どれだけ成果を上げたかです。業務を遂行した結果、どれだけの数字が上がったのか?つまりは結果数値で評価をします。

その評価の基準ですが、B.目標を100%達成することが大切です。バザール型の組織は定量目標・結果数値で管理していますので、各人がその目標を達成することで組織全体の業務が上手く回るように設計されています。誰かが目標を未達だと、その結果に合わせて業務を調整しなくてはいけません。なので目標は「必達」が基本になります。バザール型の組織において「目標を100%達成」と「目標を99.9%達成」では雲泥の差があります。たとえ0.1%であっても目標未達は評価が大きく落ちます。「目標の60%達成」と「目標の80%達成」は20%の差がありますが、「未達である」という点であまり評価に差がありません。でも「目標を100%達成」と「目標を99.9%達成」では「目標を達成」と「目標に未達」で大きく評価が違います。「目標を達成するのであればプロセスは問わない」のがバザール型の組織の特徴だとすると、この「目標を達成する」部分にフォーカスすると、目標を100%達成することが大切ということになります。

ちょっと話が広がりましたが、まとめると、バザール型の組織は結果重視のマネジメントが行われているということです。要は、どんなに過程で頑張っても結果が出なければ評価をされない、逆にどんなにサボっていても結果が出れば評価される。それがバザール型の組織の特徴です。

バザール型の組織を見ていると、組織からの要求はほとんど結果です。では中にいる人は結果結果で殺伐としているかというと、そんなことはなく割とみんな嬉々として働いていることが多いです。彼らは何を楽しんでいるか?いろいろヒアリングしてみるとだいたい2種類です。ひとつ目は「目標を達成することを楽しんでいる」人です。これはスポーツやゲームのプレイヤーに近いメンタリティだと思います。得点を上げるたり、何か?誰か?に勝ったりということを楽しんでいます。あともう1種類の方は「どうやれば結果を出せるかを試すのが楽しい」人です。これは何かを作ったり、分析をしたりする職人のような楽しみ方だと思います。それぞれの組織でのメンタリティについては、またあとで掘り下げて見たいといます。

明日は要件③の「その組織への参入障壁が低い」です。

ここまでカテドラル型を見てきましたが、ここからはバザール型の組織を見ていきましょう。


カテドラル型の組織は官公庁・電力などのインフラ企業・昔からある大企業と言ったイメージと前記しましたが、バザール型の企業のイメージは、外資系企業やベンチャー系のIT企業、新興企業です。私の個人的な判断基準として「茶色くて尖った靴を履いたお偉いさんがいる」のがバザール型企業ですね。イメージつきます?カテドラル型の組織について、その要件3つから見てきましたので、バザール型についてもその要件から見ていきたいと思います。簡単にいえばカテドラル型の反対だと思っていただければいいと思います。


バザール型の要件は①末端の意思決定の自由度が高い、②結果重視のマネジメントが行われている、③その組織への参入障壁が低い、になります。ひとつひとつ見ていきましょう。まずひとつ目の①末端の意思決定の自由度が高い、ですが、バザール型の組織の場合、末端のヒラ社員でも、けっこう自分の行動を自分で決めることができます。たとえば営業であれば、どんなスタイルで営業をするか?はヒラ社員でも自分で決めることができます。たとえば数多くの顧客にアプローチして薄く広く売り上げを上げるセールスをするか?限られた少数の顧客に深掘りしていって売り上げをあげるセールスをするか?組織としては「こうやって売り上げを上げるように」との指示はあまり出されません。営業であれば商品・マーケット・タイミング等による傾向はあるでしょうが、どうやって営業するかは各営業マンの裁量に任されます。意思決定の自由度が高いんですね。営業以外でも工程管理やさまざまな進捗管理等でも各人の裁量で業務を動かすことができます。


これだけ聞くとバザール型の組織は「自分で自分の仕事を決めることができる」とても素晴らしい組織のように見えるかもしれませんが、このバザール型組織に不満を抱く方も結構います。このバザール型の組織は自分の裁量で仕事を決めることができるのですが、逆に「どうやって仕事をすればいいのか?」については明確な命令が下りてこないんですね。なので「こうやって仕事をすれば成果が出る」とわかっている人にとっては、余計な口出しをされないので非常に居心地がいいのですが、明確な指示がないと何をしていいかよくわからない人たちには、あまりに無責任な組織に見えるんですね。とくに新人・ジュニアクラスの方々に多く聞かれる不満です。逆にバザール型の組織のマネージャークラスの方々とお話しすると、「新人・若手が育たない」と不満をおっしゃる方が少なくないんですね。


反対のカテゴラル型の組織では、極端な場合、業務の一挙手一投足について指示が下りてきます。なので「なにをすればいいか?」が非常に明確です。新人・ジュニアクラスの人でもその業務指示に沿って仕事をしていけば、どうやって仕事をすればいいか自然とわかっていきます。しかしバザール型は「どうやって仕事するかは自分で決めて」と投げてきますので、通常業務を普通に進めていくだけでは新人・ジュニアクラスが育ってくれないんですね。通常業務とは別にちゃんと育成する仕組みを用意しないと育っていかないんですね。最近は変わりましたが、ちょっと前のバザール型の組織では、組織として人材を育成する気はさらさらなくて、新人・ジュニアクラスは勝手に自分自身で一人前になるもの、追いつけないものは脱落してくれて構わない、と考えていることがほとんどでした。育てもしないで育たないと文句を言っていたんですからひどいもんです。じゃあカテゴラル型が育ててたかと言うと育てていたわけではなく、育っていたというだけなのでどっちもどっちですが…。


バザール型の組織はできる人には快適ですが、そうでない人には厳しい組織ですね。末端の人間に意思決定の自由度が高い、これがバザール型の組織の要件ひとつ目です。