こんばんは。
最近なんだか気候が落ち着かないですね。
夏に逆戻りしたように暑くなってみたり
大雨が降って上着が欲しいくらい肌寒くなってみたり。
こういう時って着る物の調節も難しいですし
風邪も引きやすいですよね。
ここ最近くしゃみが出るので
もしかしたら風邪を引いたのかと思いましたが
どうも花粉症っぽい症状のようです(-_-;)
もしやイネ科の何かしらの仕業でしょうか。
ちょっと時期が過ぎてるような気もしますが・・・。
さて、今日はここまで数回にわたりご紹介してきた
993カレラのエンジンオーバーホールの最終回です。
ここまででエンジン本体の組みつけはだいぶ進んでいますが
まだまだ重要なポイントはあります。
まずカムシャフトをカムホルダーに組みつけて
カムのスプロケットとタイミングチェーンを仮組みしたら
ここからが大事なポイントです。
そう、バルブタイミングの調整です。
コレが非常に重要な作業なんです。
ポルシェのエンジンの多くは、一般的なエンジンのように
クランク側とカム側に合わせマークが無いので
この作業を行い正確にバルブタイミングを合わせて行く必要があります。
実際の作業は、ダイヤルゲージと円分度器を使用し
ピストン上死点とカムシャフトの位置を測り
カムがタペットに当たり始める位置
つまりバルブの開き始める位置を決めて行きます。
カムホルダーからのオイル漏れ修理の際に
カムのスプロケットを外した時などもこの作業が必要になってきます。
そして、バルタイの調整が完了したら
一気に組みつけて行きます。
エンジン本体に、ファンやインテークマニホールド
エキゾースト一式、マウントブラケットなどを組みつけます。
その次はミッションとのドッキング。
降ろして分解していく時の巻き戻しのようですね。
ここまでくれば後はボディに載せるだけ。
と、その前に忘れてはいけないのが
サウンドプルーフの交換。
もともと付いていたものはこんな風にボロボロになってしまっています。
意外と見過ごされがちな部分ではありますが
エンジンを降ろした状態でないと交換できないので
このチャンスを逃してはなりません(笑)
そしてボディへの組みつけ。
エンジンを載せたら、ハーネスやエアコン廻り
分解した足廻りやドライブシャフトなどを元通り組みつけて
エンジンオイルやATFなど一通り油脂類を入れます。
そしていよいよエンジンスタート・・・
の前に、プラグを外し空でクランキングして油圧を上げておきます。
そして今度こそエンジンスタート。
ん~、イイ感じです♪
その後、細かい部分の組みつけや微調整
エアコンガスの補充などを終えたら
ならしも兼ねてテスト走行。
各部の漏れやエンジンの調整などを行い
一通りチェックを終えたらやっと完成です!
感動のゴールイン・・・
という訳でもありませんが
完成した車を見てついつい笑みがこぼれてしまうのは
整備士の性でしょうか(*^_^*)
オーバーホール後はエンジンの吹けもよくなり
フリクションロスが低減していることを実感できます。
もともと致命的な故障があったという訳ではありませんが
まるで新しい命が吹き込まれたようです。
ここまで数回に渡り長々と書き綴ってしまいましたが
エンジンのオーバーホールがどのようなものなのかは
皆さんに分かって頂けたでしょうか?
実際に行う細かい作業は、それぞれのエンジンのコンディションや
オーバーホールの目的などによって変わってきますが
おおよそは今回の事例と同じような作業になります。
そろそろオーバーホールの時期だと思うんだけど
オーバーホールってよく解らないしなぁ・・・
なんて不安を抱えてる方、まずはご相談下さい。
リフレッシュした愛車は最高ですよ!
それでは今日はこのへんで。
byサービスフロント鈴木