映画『男はつらいよ』の世界だろうか。
日々さまざまな出来事があるけど、
特定の人物にだけ責任を押し付けない。
必ず誰かが関わり、
何らかの納得した形に収束する。
誰かだけ得して終わらず、
誰かだけ損して終わらない。
主役の寅さんは少々荒っぽいところが
あるので渋々納得する人も中にはいるけど、
ちゃんとサクラさんがフォローする。
兄である寅さんが恨まれないように、
渋々納得した人だけが損しないように。
そんなサクラさんは皆んなから愛されている。
寅さんからも元気をもらう。
これがフォローしてばかりだと関係性は崩れる。
寅さんは皆んなに元気を与えて、
皆んなは寅さんのお世話をする。
誰かだけ楽して得だけはしない。
何かしら役割があって、
ちょっと大変な目に遭う。
でも、嫌じゃない。
前向きな「しょうがないねぇ」の世界。
仏教でいう『不増不減』に近いだろうか。
気持ちも含めて、すべてのモノは有限。
何かを得れば、何かが失われている。
浮き沈みを「楽しめるうちに」、
貰って与えてで丸く治める。
それが「嫌だ」と動かない選択をする者もいる。
人の約68%が水で出来ていると言われる。
水は止まると腐る。
清流は流れているから美しいのです。
動くと奪うこともあるけれど、
また動いているうちに与えもする。
『不増不減』
『持ちつ持たれつ』
長い目で世の中の流れを理解できる、
教えを持った人々が必要になりますかね。