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日々見たもの、食べたもの、感じたことを思うままに書いていきます。

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夏のフルーツタルト。
スターフルーツが添えられて、ポップな真夏の夜みたいです。

フルーツの酸味と、カスタードクリームの甘さの絡みがたまらんでした。
溺レる/川上 弘美

川上弘美の短編集。

文字に溺れる。

愛欲に溺れる。

溺れられそうで溺れられない。


恋愛ってこんなにも儚く、切ないものでしたっけ。

変わらない愛っていうのが良しとされる風潮があるけど、

この短編集のように、変わりゆく愛の形というのも

すごく大事なんじゃないかと思った。


メゾン ド ヒミコ (通常版)
【あらすじ】 塗装会社で事務員として働いていたサオリには、ゲイのための老人ホーム『メゾン・ド・ヒミコ』を経営する父がいた。
サオリは、自分と母を捨てて自由に生きる父のことを恨んでいた。
そんな時、父・ヒミコの恋人であるハルヒコが、サオリを『メゾン・ド・ヒミコ』の雑用係として、高額な賃金をエサに呼び寄せた。
はじめは嫌悪感をあらわにしていたサオリだったが、だんだんと入居者とも打ち解けてゆき・・・

みなさん、本当に大変な役だけど、きちんとこなしていてすごいなぁ、と思いました。

ヒミコを見ていると女として美しかったんだろうな、と思わせられるし、

ハルヒコも同性しか愛せない、という性質がひしひしと伝わってきました。


いくつも、心打たれるせりふがあって、涙もろい私は何回も泣いてしまいました。

そのうちの一つに、『愛なんて、何にもならないじゃないか。欲望なんだ、それだけなんだよ』

というハルヒコのせりふがあります。

これだけじゃわけわからんと思うんですが、本編を見ると、ハルヒコの想いに胸が苦しくなります。


愛だけじゃ、愛する人は助けられない。

突き動かされるような欲望だけが、生きることの意味になり、生きる糧になる。

そういう意味なのかなぁと思いました。

結構今の状況とシンクロしちゃったので、ドンピシャでぐぅーっときました。


ラストは、とても暖かい終わり方です。

劇中は色々とショッキングなこともあるけど、本当に『よかったなぁ』と思える映画でした。