骨川道夫の毎日がエブリディ -36ページ目

運び屋ミチ

あるエージェントからブツを授かった


俺のミッションは


そいつを


届けること


手渡された瞬間から
緊張が走る

世界で一つ
偽造はできない

落としたからと言って
再びもらう権利もない


鞄にちょうど入らない大きさ
しかも何かの拍子に汁でもついたら一大事だ

手で持つ
まるで大金を持つように大切に


いかんいかん
この袋の中にブツがあるのがバレタら大変だ

粗末に持つフリ
少しアゴを斜めに上げ

なんでもないよと
すまし顔


急に電車が停まる


まさか?


窃盗団?


どこでリークされたのか?


緊張が走る


人身事故


前の電車が人を轢いたらしい


そこまでして
これが欲しいのか?

電車を飛びでて

いつもと違うルームで帰る

あとをつけてくる奴もいなそうだ
いかんいかん
油断大敵

敵は国際的窃盗団かも知れぬ
先回りしているかも知れない

ルートを変えたので

終電が無くなった

タクシーに乗る


どうも
後ろのタクシーがずっとついてくる


運転手さん
そこ左
そこでUターン
そこで・・・


『降りてくれ』

巻いた


ドライバーのアシストで

うまく
巻けた


無事に家につく


寝床を襲ってくるかも知れん


人間のカタチに枕を三つ並べ


俺は押し入れに寝る


ブツが入ってた袋には


フェイクを入れて・・・






いつ襲われるかわからない
緊張感からか
8時間しか熟睡できず
家をでる



いつ奪いに来るのだ・・・


引き渡しの場所に着く


みんな敵に見える


俺はお前の下手な変装に気付いてるぜ

とニヒルな笑みで合図する


来た


エージェントが指定した


ブツを渡す相手だ


どうぞ


と無事に渡す


終わった
俺のミッションは終わった


あとは
ブツが盗まれても

知らぬ



優雅に歩く


『ちょっと!』


なんだ


相手が袋から出したのは

俺がバイトを辞めた時の
みんなからの寄せ書きだ


しまった


いつの間にか
ブツをすり替えるよう洗脳されていたのだ


俺はその場で崩れ落ち

断末魔の叫びをあげる


イッけねぇ






ブツは今頃・・・





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