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ラブログの星、ペルム

フレイトンの長い床に座り
滑り落ちる遠い
空の星に
胸に光る星に比べて
遥かな床を滑る
S,A,Reztov, Birds of Perm
ペルムの鳥が
ビアノの端に止まり
白い反射しの中に溺れかけた
五面の全体に動く
グランドに降りる床の
魂の唯一つの水のおきみあげ


「私の星をあげる。」

手ランプが鳴り
遠い文字を叩く残り

(「来るべき夏休み (仮題)」 Studio Cult Movies近刊 http://cults.fc2web.com/index.htm)

夢の記録 七月二十九日

 バスに乗って行くような、遠い雨の山の中にある古いカフェのような場所で、マイナーな映画の上映会らしい催しが行なわれる。暗い午後遅く、中に誰かがいるのに気付く。少し話をしたようなのだが、何かが決定的に失われていると思う。
 中には、なぜか愛想よく話し掛けて来る人がいて、かえって場違いで気まずい感じがする。
 焦燥感と喪失感をぼんやりと感じるが、しかし、自分にはそうするしかなかった、そして、そうしたかったのだろうなと思いつく。外には雨が降り始め、すぐにそこを立ち去ろうと考える。

P,SLIP,SLIP,S

話す声がして
つかえて
帰って来て、後ろから車が入ってくる
舌を出して、

私達のピン、ナプ
まぎれる、息もつかない

いたずらが
雨の中が香り

鉄の処女、すねあてが
両足の卵を抱き、

私達の息が、
話しかける前線の窒息

(「来るべき夏休み (仮題)」 Studio Cult Movies近刊 http://cults.fc2web.com/index.htm)

夏休みの太陽系

穏やかな雨の後の庭で逢う、私達の静かな想像上の火
が、太陽系の端から、空を斜めに滑る車輪の矩形とな
って 遠い屋根の切端に光り、反頭脳が陥没した奈落
の甘いここに横たわる 戸棚の中に潜り込み隠れてい
る長い潜水艦、限界上の遠い歳月の記憶として 先方
に譲り受けた私達の時間 境界より彼方へ踏み込んだ
後に消滅するロケッツ、「われもこう」の出発

(「来るべき夏休み (仮題)」 Studio Cult Movies近刊 http://cults.fc2web.com/index.htm)

サン・シモン

緑の花があるのに、いつかの森を見ている
煌めく、揺らめく、ざわめく、こめかみに
優しい声の、日溜まりへ降りてく


翡翠の眼が壊れたら、夜更けを過ぎる彼らは
さざめく、ゆらめく、言葉の、カケラだけを
集めた後で、紅い花の色


化石の夜、緩やかな、頬杖つく世界に
ざわめく言葉に燃え上がるその瞳の
輝く方へ、瞳の彼方へ
その先に、イスラエル


( アルバム 「スワンの名前と場所」 いまさらイスラエル 未発表 )