「日本のロケット」と言えば、糸川英夫のペンシルロケットに始まったと語られる。これは、「宇宙ロケット」に限定されることであり、戦前にも各種ロケット開発が行われている。しかし、そのいずれもが兵器としてのロケットであったことから、一般的には知られざる歴史である。


 30年近く前に、縁あってロケット戦闘機「秋水」のテストパイロットであった方々に取材する機会を得た。飛行予備学生出身の彼らは、大学、高等工業専門学校から海軍に志願入隊している。海軍はロケット戦闘機のテストパイロットに理系の学生出身のパイロットを選んで実験部隊を作ったのであった。
 子供に国立理系を薦めたのは、意外にこんな所に理由があったかもしれない。