名古屋市北区にある「早本」という店です。
うちの夫は北海道出身で、赤味噌が苦手でした。
嫌い、食べられない、というほどじゃありませんが、味噌汁は白かミックスが好きだし、
うどん屋さんに行って味噌煮込みうどんを選ぶということはまずありません。
そもそも、ここ愛知県ではうどん屋さんがそこらじゅうにありますが、
北海道では蕎麦屋さんの方が多いそうです。
愛知県のうどん屋さんにもたいてい蕎麦はあるし、北海道の蕎麦屋さんにもたいていうどんがあるそうですが、
愛知県では蕎麦よりうどんの方が、北海道ではうどんより蕎麦の方が身近だということでしょう。
ただでさえ近しい存在じゃないうどんを、苦手な赤味噌で煮込んだものなど、夫が惹かれなくて当然です。
(愛知県のうどん屋さんにはたいてい1年中味噌煮込みうどんがメニューにあります)
しかも、味噌煮込みうどんは、麺がとても硬いという特徴があります。
夫が愛知県に来た当時、物は試しということで味噌煮込みうどんを食べたことがあったらしいのですが、
夫曰く「麺に火が通ってなかった」そうです。
たぶん、そう感じただけで、ちゃんと火は通っていたと思います。
そういうモンなんです。とても硬いんです。
だって、普通のうどんの麺を煮込んだりしたら、ドロドロに溶け~迫~り来~る~ってことになります。
とにかくそういう印象でしたので、夫婦でうどん屋に行っても、夫が味噌煮込みうどんを注文することは
まずありませんでした。
というか、夫はたいてい蕎麦を選びますね。
ところが、やはり愛知県で暮らしていると赤味噌に接する機会がちょくちょくあるらしく、
だんだん赤味噌に慣れてきたようです。
苦手だったのが「べつに普通」ぐらいにはなりました。
それでも味噌汁は白の方がいいけどね、という状態です。
そのぐらいのタイミングで、この店に連れて行きました。
この店は、味噌煮込みうどん屋さんの中で、私の1番のオススメなのです。
メニューは味噌煮込みうどんしかありません(ゴハンやビールはありますが)。
並が千円ぐらい、いろいろ入ると2千円ぐらいです。
この写真は親子で、たしか1250円だったと思います。
注文時に「ニンニク入りで」と言うと、ニンニクを入れてくれます。
このニンニク入りが、超おいしいのです!
この店に行ったからには、ニンニク入りを注文しなきゃ意味がないぐらいです。
あ、そんなにニンニク臭くないです。
「ニンニクが入ってるよ」と言われてもわからないぐらい。
そしてこれは味噌煮込みうどん全般に言えることですが、土鍋に入って運ばれてきます。
蓋を取ると、ぐつぐつ煮えています。
もちろん、熱いです。
先程も書きましたが、麺はとても硬いです。
底の方にくっついて焦げたりしてます。
火が通っていないかと思うかもしれませんが、たぶんそれは通ってます。
つゆは赤味噌なのでこの写真の通り茶色です。
でも、そんなに濃くないというか、見た目ほどしょっぱくありません。
このつゆ、食べ始めは味噌汁のようにサラッとしていますが、だんだんとろみが出てきて、
食べ終わる頃になるとドロっとします。
それが味噌煮込みうどんの特徴です。
同じものとは思えないほど、食べ始めと食べ終わりの食感というかのどごしが違うんです。
そして、駐車場から店には「寒い寒い」と言って走ったのに、店から駐車場へ戻る時は、寒さを感じません。
鍋物を食べた時と同じですね。 体がポカポカになってます。
「たぶんもうオイシイって感じると思うよ」と言う私に、気乗りがしない感じで付いてきた夫ですが・・・
それ以降、家から1時間もかかる所にあるにもかかわらず、年に1回は通ってます。
ここの味噌煮込みうどんを食べた後、赤味噌自体もわりと好きになったようです。
ウチの味噌汁は赤とミックスを混ぜていますが、「赤のみでも全然OK!」という感じになりました。
赤味噌が苦手という人が突然コレ食べても「オイシイ」と感じないかもしれませんが、
べつに平気という人がコレを食べれば味噌煮込みうどん好きになるかもしれません。
そういう方も、もともと味噌煮込みうどん好きの方も、ぜひ一度ご賞味ください。
もちろん、ニンニク入りで。