生欲 | 道標を探して

道標を探して

 ただ、そこに進んでみたい道がある。
 仰いで見たい空がある。
 踏んでみたい土がある。
 嗅いで見たい風がある。
 会ってみたい、人がいる。



 相変わらず、いつもいつも自堕落で何も達成をしない日々を送っている。ただ、最近は小説を書こうとしているために色々と構成を練ったりしているから、少々は以前よりまともになったのかもしれないが。

 せめて思うのは、――僕が落伍者であることを踏まえて――昨日より今日を、1,01倍、人間らしく生きることが出来れば、それは少しずつ成長が出来ていることかもしれない。だからなんとかして何か身の回りの仕事を一つ、こなしてみようと思うのだが、これがなかなかうまくいかない。

 とりあえずセンター試験が近い。今日はいくらか勉強ができただろうか? 気休め程度でもいいから、どこかの大学に引っかかる程度には、学力を伸ばせているといいが。正直国語と英語はなんとかなっても、日本史がずるずると足を引きずっている今、本命大学には引っかかりそうにはない。
 確かに受験準備の初期には、一生懸命勉強しようと思うこともあった。あったが、もうそれは見る影もない。気力は停学で落ち、つい最近土の味を知ったと見える。そう、どん底だ。

 以前にも書いた気がするが、もう学校教育や学習と言ったものに魅力を感じなくなってきている。ついでをいえば、コミュニケーションにも、就職にも、人生にも。

 別に死にたいと言うわけではない。ただ、明日の可能性も見えず、かといって前に進まないことを許さない昨今は、正直生きる意味なんてものを考える気にはさせてくれない。楽しみなことなんていえば、なおさら。

 意欲が大してわかない。本当にどんな種類の意欲も浮かび上がってこない。これはついに人間としての存在さえ自分自身に否定されてしまったのかね。

 

 そんな意欲のない自分であっても、精神が機械化するのはとにかく避けたいようだ、ひたすらに誰かと話しているときはぎこちなく笑い、声にも抑揚をつけている。かといって、逃げられないものは多くあるわけで、それを嫌がる自分を無理やり縛り付けて、作業にあたらせている。
 どっちにしたいのやら。


 とにかく、今日は生きようとする欲求が極端に薄く、なんとも言いがたい種類の絶望に取り込まれた日だった。明日は、この無気力が治るのか悪化するのか。
 ……まあ、前者はありえないか。それでも何かの可能性を信じて、生きる場所の確保はしたい俺だ。なんとか無い力を振り絞って、学生の義務にあたってほしいものだ。





一言
信じられるものがある人間が、ここのところ酷くうらやましく見えて困る