それからしばらくたち…

「—ぇ…ねぇ!キミ!」


「ぅ~ん…まだ眠いよ…って、ぇっ!ぁっなななんですか?」
そこにゎ長身でサラサラの髪をなびかせる、キレイな顔立ちをした人がいた。
「ょだれ。本についちゃってるから」

「ぇ、ょだれ?—はっ!本当だ!どぉしょぅ…」

「その本、人気あるのに。。。」
「まっまぢですか…弁償します-(泣)」

「ぃぃょ。嘘だから」

なんだょ
優しそうな顔してイジワル!

「そぅですか。ありがとうございます。でゎ!」

「ぇっ、ちょっ…」

ヨダレたらしてるところ見られてしまった恥ずかしさと、からかわれた怒りからその場から逃げ出した。
もぉ!なんなの!




昨日はあのまま眠ったままで朝を迎えてしまった。


今日は登校初日。気持ちは晴れない。


「はぁ行きたくないな・・・」


重たい頭を必死に持ち上げ温かい布団をあとにし、リビングに向かう。


予め用意してある朝ご飯を口に運ぶ。

親は一人であたしを養うために、朝早くから仕事に出かけている。


これであたしが学校に行かなかったりしたら、お母さんはストレスでどうにかなってしまうだろう。


朝ご飯を食べ終え、新しいブレザーに身を包む。

慣れないな。。。でもあと少しの辛抱。卒業すれば学校ともおさらばだ。


だんだんピンクの木から緑の木になってきている木々を通りぬけ、地味にそびえる新学校に向かう。


そこにはスカートの丈が長い1年生から膝上までのスカートに身を包んだ3年生と思われる生徒と様々な生徒が門をくぐっていた。


あたしも同じように門をくぐる。

初日だからはじめは職員室に向かった。

そこには転入手続きを行ったときに顔を合わせた、担任となる先生がいた。


「あっ!宮島さん!」

担任はあたしに気付いたらしく嬉しそうに駆け寄ってくる。

淡い香水の香りに取り巻かれた見た目20代後半ぐらいの担任は

「まってたわ~今日からよろしくね」


「はぃ」

そこまで張り切ってないのにな・・・


その後新しい教室へと案内された。


ガラガラ・・・

ドアを開け教室に入る。中にいた生徒全員の視線が突き刺さり穴があいてしまいそうだ。


「今日から3年C組の生徒となる宮島さやかさんです。」

担任が軽くあたしの紹介をした。

続けて「よろしくお願いします。」

と一言だけ言った。


「宮島さんの席はいちばんうしろの窓際ね。」


担任に言われた席につき荷物を置く。

すると急にとなりの席から

「あたし阿部梨花子!よろしくね」

と可愛らしい子が声をかけてくれた。


「あたしさやか。よろしくです」


それから梨花子はこの学校のことや彼氏のことなどいろいろなことを話してくれた。

友だちできるかな?なんて思っていたけどそんな不安を梨花子は吹き飛ばしてくれた。


昼休みになって「じゃああたし委員会だから!」

と言って梨花子は行ってしまった。


どうしよう・・・

つまんなくなってしまった。

図書室にでも行こうかな?

と思い校舎の最上階の一番端っこにある図書室に向かう。


休み時間だというのに生徒は全然いなくて静かだった。

部屋の一番奥に椅子があったので気に入った本を持って行って読むことにした。


それにしてもあたしの人生ってなんかな・・・

寂しい人生だな。

と思いながら本を読んでいるとなんだか眠くなってきた・・・


話しかけてくれる友だちもでき少し安心したせいだろう。

一気に疲れが襲ってきた。

少し仮眠とろうかな。と思い目をつぶった・・・


夕飯を食べ終え自分の部屋に向かう


「はぁ~・・・明日から新しい学校か・・・行きたくないな」


6月というこの時期に転校してくる生徒を受け入れてくれる人はいないだろう・・・


でもしょうがない


もうすぐ受験シーズンだし平凡に過ごしていよう。


不安を自己解決させたことに安心しいつの間にか眠りについていた・・・