日本銀行は5日の金融政策決定会合において政策金利の誘導目標を「年0.1%前後」から「年0~0.1%」へ引き下げた。
実際にゼロになることは考えられませんが実質ゼロに近づける政策です。
ゼロ政策と言われるようになった由来は1993年3月に当時の日銀総裁速水氏が「翌日物金利はゼロでもよい」と発言したことがきっかけです。
*翌日物とは超短期の貸し借りで オーバーナイト(一晩)と呼ばれています。
ゼロ金利政策は企業にとって資金調達コストの低減につながりましたが、過去のゼロ金利政策で一番恩恵を受けたのは金融機関かもしれません。
それは、調達コストが引き下げられたほど、貸出金利は下がらず、結果として得た利鞘(利益)を不良債権処理の原資に充当出来たからです。
現在は前回のゼロ金利時ほど各金融機関に不良債権の負担はなく、比較的余裕があるように思われます。
(経済が低迷し、預金の増加に見合った貸出金の伸長が困難になっていますが)
貸出金利を引き下げるか、預金金利を引き下げず維持するか、いかなる対応で社会的責任を果たすのか各金融機関の手腕が問われています。