一人に向けて書く
文章は、手紙だろうが、作文だろうが、コピーだろうが、
基本的にはただ一人に向けて書いてください。
言葉は、ただ一人に向けていう方が伝わります。
この人なら、こんなことを気にするだろう、
こう言えば、こう反応するだろう、
このことを言えばわかってくれるかもしれない、喜んでくれるかもしれない。
そう想像をめぐらして文章を書き進めるのがいいですよ。
すると、読み手は、あ、これは自分に向けられている、
と感じて読んでくれますから。
例えば、講演会を想像してください。
講演をする人と目が合ったという経験があると思いますが、
あれは誰か一人を見ていてその周囲や別のところにいる人が、
私を見た、僕を見た、と言っているのです。
でなければ、あれほど大勢の人が同時に「自分と目が合った」
と言うはずがありませんよね。
文章もこれと同じです。
特定の誰か一人に向けて語ったほうが、より多くの人に伝わります。
不思議な話なのですが、本当のことなんですよ。
それと、複数の人、または誰でもない人に向けて書くというのは、
実は非常に難しいんです。
一人に向けて言うほうがよほど簡単だ、ということに気づくでしょう。
なお、誰か一人といっても、
誰を想定していいかわからないということがあるかもしれません。
手紙なら、最初から決まっていますが、作文などはどうするか。
この話をぜひ読んでもらいたい、伝えたい、
と思う人を想定するといいですよ。
パッと思いつかなくても、意外とそういう人は想定しているものなんですよね。
試しに書いてみると、きっとわかると思います。