タチオンの功罪

 はじめに。タチオン点滴を否定している訳では有りません。ご本人が良いと感じていればそれでも良いと思います。タチオンは比較的副作用が無く安全な薬品とされているみたいです。
 タチオンはグルタチオンを主成分とする医薬品の名称です。これを点滴や注射すると 解毒されて化学物質過敏症が良くなるとして定期的に病院に通っている人達もいます。


伝えたい理由

 一言でいうと、そもそも体内に化学物質(毒素)が溜まって化学物質過敏症を発症しているのかを科学的に証明されてもいないのに、そんなに一生懸命タチオン点滴をしてもらえそうな病院を探しても意味がないのではないですか?という事です。


 以前、化学物質過敏症患者の集まりで、ある方がタチオン点滴がとても良いという事を伝えました。その後、他の化学物質過敏症患者の方が私に聞いてきました。
「タチオンの点滴をやってくれるお医者さんを知ってますか? タチオンを教えてくれた〇〇さんに聞いたんだけど、教えてくれないの。自分で探せって言われちゃったの」
 化学物質過敏症患者は医療機関と問題を起こす事もあり、あまり紹介し辛いのかも知れませんが、それならば黙っていればよいのにと思いました。良い薬だと熱心に説明していたので直ぐにでも自分も試してみたいと思ったのに突き放されたように感じたのでしょう。その方の悲しそうな顔が忘れられません。
 点滴を受けたくても近所にしてもらえる病院が無いとか、医師に断られたとか、自由診療で保険適応にならず、高額な費用を払えないとか。今でも苦労して探して心がザワザワしてしまう人には、もう一度考えていただきたいと思い以下に私の考えをお伝えします。

 こちらを読んで頂ければタチオン点滴をしてくれる医師が簡単に見つからない理由も分かると思います。

  1.  患者の治療法は患者が決めるものではなく医師が決定(もちろん医師との問診で医師に要求する事は何ら問題も無いはず)するものである。私は長年特殊インクを扱って来たが、タチオン点滴の治療を医師から勧められた事が無い。
  2. 点滴をしている化学物質過敏症患者は、定期的に接種している。毒が化学物質過敏症の原因でタチオンによって解毒されるのであれば、初めの数回の点滴で完治するはず。 化学物質過敏症患者は脱化学物質生活をしているので、定期的に点滴して解毒しなければならないというのはどこかおかしい。
  3. タチオンはトリペプチド(3つのアミノ酸:グルタミン酸、システイン、グリシンが結合したもの)である。グルタミン酸は化学調味料、システイン(L-システイン塩酸塩)とグリシンは食品添加物としても使われている。人工的に作られたタチオンを直接体内に取入れるという行為と日頃から化学物質の排除をして、無添加品にこだわる行為は矛盾しないのか?
  4. グルタチオンは体内で生産される物質である。これを定期的に長期間接種することによりホメオスタシス(恒常性)を保とうとして体内での生成能力が衰える可能性がある。タチオンによる影響は比較的少ないと言われるが、経口摂取と違い、点滴は直接体内に入るので私は敢えてやらない。一般的に年齢によりグルタチオン生成は次第に衰えるものである。
  5. タチオンの効果として疲労回復がある。それを解毒できた!と勘違いしているのではないかと私は思う。但しプラセボ効果(偽薬効果)でも良くなったと思えるのであればそれでも良いと思うのだが。
  6. タチオンは化学物質過敏症の治療薬として国の承認を得ていない。保険適応とするには医師の裁量が必要となる。したがって保険適応でタチオン点滴をしてもらえる医師を探すには苦労するかも知れない。
  7. タチオンは解毒の特効薬ではない。例えば、有機農薬などを大量に取り込んでしまった場合はその物質に合った解毒の薬が使用される。タチオンはあくまで補助的な治療薬として、症状や患者の状態に応じて使用されることがある。
  8. いつまでタチオン接種を続けられますか?いきなり止めなければならなくなっても大丈夫ですか?タチオンの供給は2025年現在も不安定で、臨床・美容の両面で影響が続いているそうです。 医療機関では代替薬や投与方針の見直しが求められており、患者側も治療目的や優先度に応じた対応が必要です。


 何度もお伝えしますが、タチオンによって具合が良くなると考えるならばそれで良いと思いますが、点滴が出来なくて具合が悪くなる必要はありません。


 タチオンの注射(点滴)は白玉注射とも呼ばれ、美白効果が有ることから美容皮膚科等でも受けられます。しかしその場合は保険診療外となることが殆どだと思います。経口のタチオンは日本では薬局で購入することはできません(処方箋が必要)。経口のタチオンは海外のネット通販で購入できます。
 

 食品から摂るには(AIに聞いてみました)

 グルタチオンを多く含む食品には、アスパラガス、ほうれん草、ブロッコリー、レバーなどがあります。特に新鮮な野菜や動物性食品に豊富です。
 残念ながら食品由来のグルタチオンは、消化酵素によって分解されやすく、そのまま体内に吸収される割合は低いとされています。
 そこで、体内での合成を助けるには、グルタミン酸・システイン・グリシンの摂取が重要で、ビタミンCやセレンと併用することで、体内のグルタチオン濃度を高めるサポートが可能です。

 

 システインを多く含む食品

•     鶏肉・豚肉・牛肉(特にレバー):含硫アミノ酸が豊富。

•     卵(特に卵白):良質なたんぱく源でシステインも多い。

•     大豆・豆腐・納豆:植物性たんぱく質として優秀。
•     ブロッコリー・玉ねぎ・にんにく:含硫化合物が多く、システインの供給源。

 


 グリシンを多く含む食品
•     ゼラチン・コラーゲン(鶏皮、豚足、魚の皮):グリシンが主成分。
•     魚介類(特にタラ・カレイ・エビ):グリシン含有量が高い。
•     大豆・豆類:植物性たんぱく質にも含まれる。

 

 効率よく摂取するコツ

•     たんぱく質をバランスよく摂る:動物性と植物性を組み合わせると、アミノ酸の補完効果が得られる。
•     加熱しすぎない:一部アミノ酸は高温で変性するため、蒸し・茹でが推奨。
•     ビタミンB群と一緒に摂取:アミノ酸代謝を助け、グルタチオン合成を促進。

 これらの食品を日常的に取り入れることで、体内でのグルタチオン合成を自然にサポートできます。

 化学物質過敏症患者は食べ物に制約が多い傾向がありますが、バランスよくなんでも食べる事が大切ですね。


サプリメントから摂取する場合

 グルタチオンサプリメントの種類にも還元型グルタチオン、リポソーム型、酵母由来型、S-アセチル型などがあり、それぞれ特徴があります。
肝臓での解毒を目的とする場合、吸収性と安定性に優れた「S-アセチル型」または「リポソーム型」のグルタチオンがおすすめです。これらは体内での利用効率が高く、肝細胞の抗酸化・解毒機能を直接サポートします。

以上。