まずは自分が夢を持つ。その生き方を見せる事もリーダーのあるべき姿です。 | チーム力+人間力を育む 組織人材育成コンサルタント 安澤輝香

チーム力+人間力を育む 組織人材育成コンサルタント 安澤輝香

京都・組織人材育成シーエスリレーション代表ブログ。

先日、32歳のT君という男性から、こんな話を聞きました。
「上司に言われたんですよ。お前、夢をしっかりと持てよ!って・・・。」
 
夢を持つ。 いいことですよね! しかしT君の表情はどことなく遠い目で夢という感じではなさそうな気配です。
詳しく話を聞いてみると彼の想いはこうでした。
 
「夢を持てって言う上司を見ていると、あなたは一体どんな夢を持っているのですか、と問いたくなるんです」
「若い頃はって言うけれど僕と10歳違う42歳。安澤さんと同じ歳ですよ」
どうやら彼はその上司に 「夢を持て」 と言われた事が腑に落ちない様子。
「夢も希望も無いわって言うんですよ、自分のことを。なのに夢を持てって・・・意味わかんないですよ」 と彼はその話を止めてしまいました。
 
この話を聴きながら 「最近の子どもは夢がない」 という記事を思い出しました。
小学生の頃までは夢は自由に語れたけれど今は語れないし夢はない、という中学生の文章。
将来に希望を持てないので不安ですという高校生の文章。
そして社会人も同じように夢とかって特にないです、という意見が多い。
そんな事を思い出しながら大人や上司の役目について感じたことがあります。
 
夢を持て。
そう誰かに言うあなたは夢を持っていますか?
 
若いのだから、夢くらい持て。
いえ、夢に年齢は関係ないと思うのです。
 
野望と夢は違うと思うのですが夢を持つ事は生きていく上で自分を向上させる力にもなってくれます。
出来ないから、無理だから、家族がいるから、と夢なんて持てないという大人が多くなりました。
こうしたかったけれど家庭があるから諦めたんだという大人も増えました。
もちろん家庭を犠牲にしてまでという部分は理解出来ます。
しかし夢を持てない理由を自分のせいではなく家族や環境のせいにしてはいけないと思うのです。
今の若い人や子どもが夢を持てない理由を尋ねると多くが 「大人を見てそう感じる」 と言います。
 
大きな夢でなくても 「こうなりたい」 という夢。
これは子どもも大人も平等に与えられた大切な教えではないでしょうか。
夢も希望もない、という上司に夢を持てと言われても説得力がありません。
仕事で言うなら、責任感の無い上司が部下へ 「しっかり仕事しろよ」 と言っているのと同じです。
 
大人が見せるべき社会の楽しさ。
それは大人が仕事を楽しむ姿、真剣に取り組む姿ではないでしょうか。
子は親の鏡と言いますが夢を持つ親を見て子どもは夢を持つ楽しさを知ります。
家族でハワイに行くという夢のために頑張る姿も夢を実現する姿を見せる事になります。
資格を取るという夢もその頑張る姿が夢も希望もある大人の姿として将来の希望を与えます。
社会人も同じで上司が夢を持っていれば部下も夢を持てるようになるのです。
 
夢くらい自分で持て。 と思うかもしれませんが、その前に自分自身で夢を持ち
その夢の実現に向けて取り組む姿勢が部下の刺激になり
夢を持てる人材の育成に繋がるのです。
もう、自分は年齢的に無理だからと諦めている人に 「夢を持て」 と言われても
相手の心には響かない。
 
カーネルサンダースは60代で夢を実現しました。
いくつになっても夢は持っていいものだと思うのです。
 
誰かに夢を持てと言う前に・・・あなた自身がまだまだ夢を持ち続ける人であり続ける事。
私もずっと夢は持ち続けています。
10代で描いた夢は違う形で実現していますが、25歳で持った夢は今も実現に向けて取り組む日々です。
 
子どもにも大人にも、夢がある。
そして子どもに夢のある生き方をしてもらうには、まず大人が夢を抱き、希望を持ち
しっかりと生きる事が大切であるように社会でも夢のある社員を育成するには、まずは先輩が、上司が夢を諦めず前向きであることが必要。
 
何かのせいでもなく、誰かのせいでもなく。
自分のために夢を持つことが大切であり、その姿勢を部下へ見せる事。
それは、どんなセミナーよりも研修よりも意味のある教育になると思います。
 
私自身も社会で生きる大人として子どもたちや若い人たちに
夢を持つことの素晴らしさを伝えていける1人でありたいと願っています。