失礼な言い方をしますが、日本の企業で評価される多くの人が、決められたことを実行する徹底力を評価されているように見えます。


経営者様の言うことを、全面的に肯定し、それを下に伝達できる人。


つまり、経営者様にとって、「使いやすい人」です。


それは、当然、経営者様だけでなく、下に伝染します。


経営幹部様にとっても、「使いやすい人」であり、その下の中間管理職にとっても、「使いやすい人」となります。


YES社員の集合体が、現在の日本企業、とりわけ中小企業様に多いように思われます。


高度成長期の時なら、それも通用したかもしれません。


下請けの中小企業様なら、伸びる親会社の仕事を請けていれば、同じように成長できたのも事実です。


しかし、今は、グローバル化に伴い、その親会社が存続の危機に直面しています。


親会社の言うとおりにやれば業績を伸ばせる時代は終ったと断言できます。


10年前、シャープの社長が、こう断言しました。


「10年後の世界のテレビを液晶にしてみせる。」


そのとおり、は言い過ぎでも、それに近い世の中になりました。


シャープは、その間、社長の号令に従い、液晶テレビに大きく資源を投資しました。


その結果、2年連続、数千億円の赤字を抱え込み、単独では存続できない現状に追い込まれました。


10年前は、太陽電池、携帯電話でも、シャープは先端技術を持っていました。


結果は分かりませんが、液晶テレビに投資した何分の一かを、これらの商品開発に廻していたら、また新事業の開発に投資していたら、どうなっていたでしょうか。


それはともかく、現在のシャープの現状は、下請けである中小企業様を、さらに窮地に追い込んでいます。


そして、親会社のシャープは、別会社である下請け中小企業様に対して、何も責任を持ってくれません。


シャープから見れば、「良い時は、美味しい目をしただろう。」という程度でしょう。


これからは、他と違うこと、自社単独で市場を切り開ける人が必要です。


新しいこと、新しい変化を発見し、経営者様に進言し、それを推進できる人を評価すべきです。


他と同じこと、1社の親会社の言うことだけを聞く、では生き残ることはできません。


ここで留意しなければいけないことは、多くの日本人が、これが苦手です。


新しいこと、他と違うことを推進する教育を受けていません。


ということは、こんな人は貴重な存在で自社で採用できることは、稀です。


逆に言えば、学校教育でいくら優秀な人でも、この能力があるとは限りません。


経営者様の評価の見方を変えれば、意外と現社員の中にいるかもしれません。


一度、そういった目で社員を見、可能性があれば、育てるつもりで社員と接して下さい。




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