ここ数日、半期の決算報告と、通期の業績修正の話題が飛び交っている。


パナソニック、シャープ、ソニーのテレビ事業の低迷は、それを象徴している。


技術は追いつかれるという典型の事例ではないか。


そして、そのスピードが、予想以上にどんどん速くなっているのだ。


液晶テレビ、「1インチ1万円なら爆発的に売れる」と言われたのは、ついこの前のことである。


大阪の堺、兵庫県の尼崎で、薄型テレビの一貫工場が稼動したのは、2、3年前?


それが、現在では、32インチの液晶テレビが5万円を切る時代になった。


世界シェア1位のサムソン、2位のLG、3位のソニー、いずれも大幅に業績ダウンという有様である。


しかし、冷静に考えれば、この事態は、容易に予測できたのではないか。


液晶、プラズマは、大した技術ではない。


現に、日本だけでなく、韓国、台湾、中国で生産している。


液晶テレビは、消費者にとって、単なるの映像を写す道具なのだ。


写るか、写らないか、だけの電気製品なのだ。


Appleの成功例と比較すると、大きな違いが分かる。


iPod、iPhone、iPadは、通信機器であり、映像機器であり、パソコンであり、プレイヤーであり、カメラでもある。


それぞれは、既存の技術だ。


決して、画期的な技術ではない。


それによって、多様化された現代の人の何の要求を満たすことが出来るか、なのだ。


多様化した『人の要求』を満足させることができるソフトを持っているかが勝敗を分けると考えた方が良い。


電気自動車、リチウム電池、半導体、など、誇れる技術も、ただのハードである。


今の考え方なら、近い将来、これらも他国に抜かれることは間違いないと思うのは、私だけだろうか。