膣スメアチェック
雌動物の生理学的解析では、同一個体でも性周期により
全く異なった結果を示す項目(生殖、内分泌など)が極めて多い。
この点で雌個体の解析は雄の個体に比べ複雑であると考えられる。
そこでインタクトな雌動物を解析する際、項目によっては同一の性周期下で解析を行う必要がある。
犬や猫の性周期は不完全周期型であり、出血がすなわち発情(ヒート)でもなく複雑な周期性を持つ。
出血がすなわち発情(ヒート)でナイという事は無出血の発情(ヒート)もあり、
同一の雌犬に於いても毎回、違うのである。

膣スメアチェックは現在の獣医繁殖学それほど確立された生理学的解析とは言えないが
オレは80%ぐらいの目安として性周期の判別に使っている。
ただ、繁殖については神の領域であり、科学が100%だと思っていない。
犬の場合、雄犬の本能に任す接合で(交配の訓練のされていない自然の雄犬)90%以上の確立
があると経験から感じている。
陰部の匂いなど排卵に近づく変化に本能がさせる繁殖なのであろう。
そのような本能の退化は人間の接合に如実に現れているが
現在のペットに於いてもそれに近い現象が交配に訓練された雄犬に現れていて
発情(ヒート)でナイ雌犬に対しても接合してしまう事が多く見受けられる。
雌動物の生理学的解析と言っても排卵のメカニズムが微妙に違い
人間の女性の場合の出血(生理)は排卵の後始末の整理の出血であり、
雌犬の場合は排卵の準備の出血[発情(ヒート)]であり、
猫の場合、接合の刺激によって排卵が始まる。
ただ膣スメアチェックはラビットやマウス、犬猫に於いても
細胞の形態を観察する事で性周期を見分ける一つの方法である。
同一の雌犬の発情(ヒート)から排卵までを約2週間毎日膣上皮の細胞の形態を観察する事で
性周期を見分ける事は出来るが排卵が必ず排卵があるとも言えないからである。
正常な精子の数および正常な排卵の数やその他の環境により受精確立も変わってくるからである。
人口受精においても、交配時採取と冷凍精子などによる場合も受精確立がかなり変わってくる。
人口受精の場合は、特に冷凍精子の場合の受胎率は、かなり低くなるので
膣スメアチェックの必要性が請われ、正確に判断できる獣医が必要だと思うが
レベルの低い獣医も多いのが現実である。

↑これは、今 発情(ヒート)が始まった 発情前期のマルチーズの鶴ちゃんのスメアーの画像

↑・・発情細胞が現れているが細胞の核がハッキリしていてまだ初期だと判定しました。
ただ、一般の繁殖家が交配の前に1度スメアーに訪れて
その結果で99%の判別を求めること自体が無茶な事であり、
よく当てるとか、ダメだとか獣医を判断する事は間違いである。
発情(ヒート)と思ったら発情前期から発情後期まで4回ぐらいは見るべきである。
下記は膣スメアチェックの採取の方法です。
一度試されては・・
膣スメアチェックとは、膣上皮の細胞の形態を観察する事で雌犬や雌動物の
性周期を見分ける方法である。
ただし、猫にした場合採取の刺激で排卵が起こってしまうので繁殖する場合はスメアの採取は厳禁ですが
発情で喧しく鳴く場合にスメア採取の刺激で排卵を起こし発情停止期に出来る裏技として使うついでに
猫の発情後期の像を知っていてもよいと思いますよ!
1. スメアの採取
マウスなどのスメアの採取は午前11時頃までに行わないと判別が難しくなるといわれている。
犬の場合は・・別にそれほどスメアの採取時間に神経質になる必要はナイと思うが・・・?
脱脂綿を極少量巻き付けるステン製の器具もあるが、外科用の軸の長い綿棒(1本7円ぐらい)
これを膣内の奥、子宮入り口のスメアを採る。
2. スメアの観察
スメアをスライドガラスに塗抹し、ギムザ染色液に付けた後軽く水洗する。
これを検鏡する。
3. 性周期の判別
下の図のいずれかのような像がみえる。
1. 発情前期
2. 発情期 1
3. 発情期 2
4. 発情後期
5. 発情停止期
これは1日ごとに変わるのではなく、発情期2-3のスメアが得られるのは1週間ぐらい。
発情後期は4日ぐらい微妙な変化があり 、発情停止期は発情後期の後2日ぐらいから
4ヶ月から6ヶ月近く続くのが通常であり、ある日突然に、発情前期の細胞の形態が確認される。
出血、目視、触診で発情(ヒート)と感じる時と、ほぼ同じである場合が多い。